民泊は日本だと難しい。
ー 「Airbnb」などの民泊サービスと比較されるかと思うんですが、ご自身はそういったサービスを利用されたことはありますか?
はい。ツリーハウスなど色々な物件に、泊まったことがあります。当然満足できた部分とできない部分があるんですが、宿泊者側の視点では、家はいいけど、サービスはホテルと同等で泊まりたいなぁと思うこともありました。また、貸す側として考えると、鍵のことなど運営の面倒もありますよね。例えば、今軽井沢の別荘がすごく売れてるんですけど、平均して365日のうち20日間しか使われていないというデータがあるんです。つまり、何のために買ったのかというぐらい使われていない。で、貸さない理由を聞くと、やはり運営がめんどくさいとみんな答えるんです。
ー そこを「NOT A HOTEL」は、改善しているわけですね。
僕ら「NOT A HOTEL」は、オーナー様用のクローゼットがあるんです。そこに自分の荷物を置いておけるので、貸しやすいし、プライベートも守れる。だから、僕らは貸しやすい家を売っている住宅メーカーという考え方もできるんです。「Airbnb」は主に宿泊者向けのサービスですよね? 一方、僕らは、オーナー様向けのサービスなんです。「NOT A HOTEL」は、ワンタップでホテルにできてしまう。荷物を隠しやすい。運営しやすい。ホテルとして貸しやすい家を、D2C で売っているというわけです。「Airbnb」のように、プラットフォームを目指しているわけではなく、プロダクトを売っている感覚ですね。

ー 既存の別荘を運用するのではなく、ゼロからホテルを建てる理由はなんでしょうか?
例えば、法律上軽井沢の別荘は民泊運営がしにくく、実際にホテルとして365日稼働できる家、つまり旅行業が取れる場所というのは、日本には多くありません。ホテルとして貸し出せる環境を作れるというのが重要なポイントで、今ある別荘も住宅としか使えないんです。
ー なるほど。
そういった問題も全部クリアにしないと、民泊というのは日本だと難しいんです。将来的には、既存の別荘含めたすべての家に「NOT A HOTEL」のシステムをインストールしていきたいと思っているんですが、そもそもそれに対応していないのが現状です。イケてる家は、イケてる土地に建っていることが多いじゃないですか。つまり、イケてる家は、法律上ホテルにできないケースが多いわけです。例えば、用途制限によりホテルにできないとか、京都や東京の港区では90日以内の制約があります。だから、ホテルにできる家を作ってしまうのが、一番の近道なんです。
