ABU GARCIA -APPAREL LINE-

PROFILE
デザイナーとしてアパレル企業を渡り歩いたあと、現在は〈アブガルシア〉でアシスタントプロダクトマネージャーを務める。栃木・那須塩原出身で、釣りは身近な遊びだったそう。
釣りとファッションをつなげるキーワードは “静”。
スウェーデンのフィッシングブランドである〈アブガルシア〉がアパレルラインをスタートさせたのは、2019年の秋冬シーズンのこと。「予想以上に反響があった」と驚いた様子で語るのは、担当の田中徹さんだ。
「釣りのウェアって、かっこいいものがあまりなかったんです。それがもっとファッション性の高いものであれば、街からフィールドへ着替えずに行ける。そのような服を目指しました」
ベースにあるのはあくまで釣りのウェア。そこにファッション性を加えて、釣りをより身近なものにしたい。それが〈アブガルシア〉の狙いだ。
「服に使っている生地は、撥水性の高いものなど、釣り用の機能的なものがベースです。ただし、そこに風合いや表情を加えて街でも着やすいようにアレンジしています。シルエットに変化をつけたり、ミリタリーの要素を取り入れたりしながら、ファッション性もプラスし、違和感なく着られるようにしています」
田中さんいわく「釣りは “静” のアクティビティ。だから街着との共通点も多い」とのこと。目から鱗な視点だ。
「釣りは登山やランニングと比べれば、活動量は比較的少ないんです。ただし、水辺のアクティビティですので、服にも水切れをよくしたりする、撥水性や防水性などの機能というのが最低限あって、あとは濡れてもすぐ乾く速乾性や、道具の収納力というのが重要になってくる。そういう意味では過剰な機能は必要ないし、街でもそういった機能があると助かりますよね」
理想はフィールドでも使えて、渋谷や原宿も違和感なく歩ける服だ。
「街とフィールドの垣根をどう越えられるかが今後の課題です。スペックとファッション性、そのバランスを上手に取れるようにこれからも試行錯誤していこうと思っています」

防水透湿素材と、耐久撥水素材を組み合わせてつくられたフィッシングジャケット。フロントポケットはルアーケースが入る大きさでつくられている。マウンテンパーカのような見た目がクールだ。ジャケット ¥23,100(ピュア・フィッシング・ジャパン)

〈イズネス〉とのコラボレーションアイテム。ミリタリーパンツがデザインのベースになったショーツは、ウエストがゴムの仕様になっていて穿きやすい。ショーツ ¥18,150(ピュア・フィッシング・ジャパン)

〈イズネス〉とコラボしたベストは一見プレーンでシンプルなデザインだが、内側にもポケットがついていて機能的。ベスト ¥20,350(ピュア・フィッシング・ジャパン)

キャップは某ミュージックテレビのロゴを大胆にサンプリング。〈イズネス〉とコラボしたユニークなデザインが特徴的。キャップ ¥6,050(ピュア・フィッシング・ジャパン)

さまざまな釣り道具を入れるためのケース。独特な色使いが男心をくすぐる。


グラフィックは、写真下のカタログに載っていたイラストがサンプリングソース。速乾性の高い生地を使用していて、暑い季節はかなり重宝する。Tシャツ 各¥6,600(ピュア・フィッシング・ジャパン)

Tシャツのデザインの参考にした〈アブガルシア〉の70年代のカタログ。釣りのイラストや写真を掲載。

撥水性、透湿性に優れた3層構造の生地で仕立てられたワイドパンツ。ルアーケースをそのまま入れられる大きめのポケットがアクセントになった一本。パンツ ¥21,450(ピュア・フィッシング・ジャパン)

ミニマルでストイックなデザインのロッドとリール。グレーの色の使い方に北欧らしさを感じる。ロッド ¥11,550、リール 参考商品(共にピュア・フィッシング・ジャパン)

〈アブガルシア〉が過去につくっていたルアー。パッケージの色使いなど、デザインがレトロでユニークだ。