森に流れるタイムスパンを忘れてはいけない。
ー 坂本龍一さんが発起人を務める「more trees」ですが、後藤さんが賛同されたのも坂本さんからの流れからですか?
後藤: そうです。震災を機に、岩手県住田町へ仮設住宅の取材に行ったら「more trees」が既に活動されていて。やっぱり、木を植えるのはとても大事。森だけじゃなくて海も豊かになっていくから。漁獲量とも繋がっていますしね。日本にこれだけ森があるってのは、とても希望があると思うんですよ。失業者を支える仕事も、都市である必要はなくて、森にだって可能性はたくさんあるわけで。


写真は「エーグル 原宿店」で行われているポップアップの模様。今回、チャリティTシャツのグラフィックを描いたイラストレーター、イザベル・ボワノ氏の原画も見ることができる。「more trees」は〈エーグル〉も賛同する森林保全団体。加速する森林破壊と地球温暖化の危機的状況に行動を起こすために、坂本龍一氏、細野晴臣氏、高橋幸宏氏、中沢新一氏、桑原茂一氏の5名が発起人となって、100名以上の賛同人とともに2007年に設立された。公式サイト
ー 都会の忙しなさもないですしね。
後藤: それでいうと、森で働くと時間の流れ方が全然違う。林業をやってる方にインタビューした時、「ここらへんの木は早く収穫できますね。だいたい30年くらいで」っておっしゃったんです。全然早くない(笑)! いまはどんどん加速する世界に生きているけど、それとは真逆のタイムスパンが自然のなかには流れてるってことは、忘れてはいけないと思うんです。
ー 後藤さんは自然と触れ合うことは多いですか?
後藤: まったくないから、逆に田舎に越した方がいいんじゃないかって深刻に悩んでいます。田舎に土地を買って、スタジオつくって、畑もやるっていうのが理想かな。そうなったら、文化とどう距離を取るかっていうのも悩みで。そういう半農半音都市みたいなのがあったらいいですよね。