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ザ・レクリエーションストアで実感する、道具として便利なバッグ。 vol.3 早崎篤史
OUTDOOR PRODUCTS The Recreation Store

ザ・レクリエーションストアで実感する、道具として便利なバッグ。
vol.3 早崎篤史

1973年に創業され、いまなお幅広い世代に愛されるバッグブランド〈アウトドアプロダクツ(OUTDOOR PRODUCTS)〉。そのフラッグシップショップ「ザ・レクリエーションストア(The Recreation Store)」が、7月末にオープンしました。ディレクションを手がけたのは、「レショップ(L'ECHOPPE)」のコンセプター金子恵治氏。そして、平林奈緒美氏がアートディレクションを監修し、バッグやグッズのデザインは〈テンベア(TEMBEA)〉の早崎篤史氏。そして、ウェアは〈ブラームス(blurhms)〉の村上圭吾氏が手がけるなど、第一線で活躍するプロフェショナルが集結しました。
全3回でお届けした最終回には、〈テンベア〉の早崎氏を招き、主役であるバッグについて金子氏と語っていただきました。第一回第二回の記事で頻繁に登場していた「道具」というキーワード。それを踏まえてデザインされたバッグは、どんな仕上がりとなったのでしょうか。2021年の〈アウトドアプロダクツ〉の姿に迫ります。

  • Photo_Hiroshi Nakamura
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Shun Koda

シンプルで合理的なデザインこそ道具の真髄。

ー 2階のバッグは、すべて早崎さんによるデザインですか?

早崎:そうです。〈テンベア〉と〈アウトドアプロダクツ〉で、ディテールを共有しても大丈夫ということだったので、〈テンベア〉のディテールを採用しているものもあります。例えば、巾着タイプの「ドローストリングバッグ」。

左が早崎さんの私物であり、〈テンベア〉のアイテム。一見普通そうに見えて、使ってみて驚く仕様のバッグが「ザ・レクリエーションストア」にはたんまりと揃えられている。 DRAWSTRING BAG(SMALL) ¥4,950

早崎:巾着って、2本の紐を左右に引っ張って口を閉じるのが一般的ですが、〈テンベア〉では紐を輪にしているんです。そうすることで、左右に引っ張るより楽に口を閉められる。それを〈アウトドアプロダクツ〉でも使わせてもらいました。

少し長めのストラップは手で持つだけでなく、肩に掛けることも。両手が空くので、「その手があったか!」と膝をぽぽんと叩くことだってできる。

金子:意外と気づかないことですよね。実は、紹介しきれていない機能がたくさんあって、どれもめちゃくちゃ実用的。ぼくが早崎さんに求めていたことが、アイテムすべてに詰まっています。

早崎:レジ袋が有料になって、スーパーにはエコバッグを持っていくようになりましたけど、コンビニで買い物をする時には持っていなかったりしますよね。ということでつくったのがこれ、「ミニショルダー」。少しだけ容量を拡張できるので、荷物がいっぱいでも缶ビールくらいなら入ります。そして、長さを調節できるストラップ2本を組み合わせているから、肩掛けと手持ちの2WAYで使えます。

中に巾着が隠されたミニショルダーバッグ。小ぶりに見えて、スナック菓子とドリンクを難なく収納できるくらい拡張できる。またショルダーストラップは取り外せるので、ハンドバッグとしても使える。 MINI SHOULDER(SMALL) ¥6,600

ー 通販番組を観ているような、驚きのギミックが満載です(笑)。シンプルなデザインなのに、便利な機能が備わっている。

バッグの片側にストラップを備えたトートバッグ。機能がしっかりとデザインに昇華されている。 CLUB TOTE(LARGE) ¥12,100

金子:これは一見すると飾りのストラップですが、補助ハンドルの役割。例えば、車のトランクに積んでいて、取り出す時にここを持って引っ張り出すことができます。

ー 使われているパーツはすべて意味があるということですか?

早崎:余計な飾りはありません。なにかしら理由があります。

金子:1973年からの歴史を踏まえつつ、横道に逸れずにデザインしていただけました。

長いストラップが垂れる〈テンベア〉ではおなじみのディテールを採用したトートバッグ。持ちやすさもさることながら、見た目もすっきり。
(左)MARKET TOTE(MIDEIUM) ¥8,800、(右)MARKET TOTE(LARGE) ¥9,900

ー 〈アウトドアプロダクツ〉ではナイロン素材を使っていますが、〈テンベア〉にその印象があまりありません。使ってみた感想は?

早崎:コーデュラナイロンは使いたいけど、ブランドらしさを考えて、少し避けていた部分があります。でも、今回この素材を使ってみて、帆布と変わらないと思いました。両方とも素材自体は素朴なので、使い方や位置付けとしては似ているように感じます。ナイロン素材だからこそ作れるバッグもあるかもしれませんが、それを追求すると〈アウトドアプロダクツ〉らしさがブレちゃう気がして。ぼくはブレやすいから、ブレないように立ち返ることも大事なんです。

ー 〈アウトドアプロダクツ〉のバッグをデザインしてみて、いかがでしたか?

早崎:次に生かせる反省点がたくさんあります。もっと道具っぽくしたいですね。

ー 次にリリースが決まっているバッグはありますか?

早崎:ワンショルダーを年末に向けて製作しています。

こちらは早崎さんの私物である〈テンベア〉の定番バゲットトート。このワンショルダーを採用したモデルももうすぐお目見え。

金子:あとはコラボレーションも続々と控えているので、ぜひ楽しみにしていてもらいたいですね。

INFORMATION

The Recreation Store

住所:東京都渋谷区神宮前4-4-8
電話:070-3173-9773
時間:11:00〜20:00
outdoorproducts.tokyo

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