BIRKENSTOCK with Yohei Kakimoto 履いていると歩き方がキレイになるような気がする。
PROFILE

熊本県出身。セレクトショップにて販売とプレスを経験後、2014年に「ブルーム&ブランチ」を立ち上げる。2020年には自身がオーナーを務める「柿乃葉」を鎌倉にオープンさせる。現在は逗子に住まいを設け、家族と共に豊かに暮らしながら、趣味であるサーフィンも充実した生活を送っている。

ー 柿本さんはずっとサーフィンをされていますよね。
柿本:23歳のときにはじめて、もう15年以上やってます。サーフィンってポイントによって景色や波質が異なりますし、同じポイントでも条件が変わると、そこでまた違ったおもしろさが生まれます。いろんな条件が揃わないといい波は生まれないんですけど、その条件が揃ったときは自然と顔がほころぶほど、他では味わえない高揚感を覚えるんです。
ー サーフィンをすることでカラダに変化は生まれますか?
柿本:筋力や体幹が鍛えられますし、波がコンスタントにくるときは基本的にずっと動いているので、有酸素運動にもなっているんですよ。だから総合的にトレーニングしているような感じです。とはいえ、ぼく自身は健康のためにというよりも、アクティビティとして楽しいからやっていますね。サーフィンをしていないと、生活のバランスがちょっと崩れちゃうんですよ。きついときこそサーフィンで頭の中を空っぽにするというか、瞑想にちょっと近い感覚があって。波がないときは、すこしアウトまでパドルして深く呼吸をして心を落ち着けるようにしてますね。
ー 精神的な作用もあって一石二鳥なんですね。
柿本:そうなんです。カラダが鍛えられて、なおかつ脳がリフレッシュします。


ー 柿本さんが逗子に住むようになったのもサーフィンがきっかけなんですよね。
柿本:そうですね。湘南、千葉、茨城など波があればどこでも行ってきましたが、ポイントでは鎌倉がいちばん好きで、この辺りの空気感がすごくいいなと。住みはじめてから3年半ほど経ちますが、東京は人も多いですし流れる空気のスピード感もちがいます。それはそれで刺激的ですし吸収するものも多いんですが、いまの環境に慣れてしまうと、どうしても疲れやすくなってしまって。仕事で週に2~3回は東京へ行くんですが、そこにスケジュールをぎゅっと詰め込んで、終わったらすぐにこちらへ戻ってくるという生活になっています。それくらいの距離感がぼくにとっては心地いいんです。

ー 生活環境が変わったことによって、柿本さん自身にも変化はありましたか?
柿本:自然体でいられるようになりました。イヤなことはやらずに自分の好きなことを追求するようになったし、常にリラックスした状態でいられるようになった気がします。むかし東京で生活をしてPRをやっていた頃は、いわば外交的なポジションなので公私の区別がつかないほど人に会っていましたし、いま思えば強制的にスイッチを入れて時間を過ごしていたんだと思います。もちろんその期間があってのいまですし、自分にとっても必要な経験でした。でも、体の内側ではどこか無理をしていたのも事実。そうしたことから解放された感覚はありますね。今はやりたくないことはやらないとか、自分流でいいっていう感覚で生きているし、それが「柿乃葉」のオープンにも繋がりました。
ー ストレスをできる限り排除するというか。
柿本:とにかく自由でいたいし、自分が高揚することをベースに生活をするようになりましたね。



ー 「柿乃葉」もそうしたことを念頭に置きながらスタートしたんですか?
柿本:ファッションの小売って、基本はビジネスですからどうしても好きじゃないものをPRしたり、売ったりしなければならないときがあります。もちろんそうしたアイテムでも、魅力的なポイントを探してそれを伝えるんですけど。一方で「柿乃葉」は、100%自分の好きなものだけを置いているお店ですね。
