家具職人とデサントオルテライン。

着てみるとすごくよかった。シルエットがきれいだし、暖かい。

ーそうした鰤岡さんのお話を聞いていて、普段から〈デサントオルテライン〉の服を愛用されているのが、ちょっと意外に感じました。

鰤岡：そうですよね（笑）。ぼくが自分の会社を立ち上げてすぐくらいに知り合ったとあるひとがいるですけど、その方に「これいいよ」って紹介してもらったんです。

ーそれですぐに購入されたんですか？

鰤岡：そうですね。ぼくはそのひとのセンスをなんだかすごく信頼しているんです。はじめて会ったときに彼が〈リーバイス®〉の立体裁断のデニムを穿いていて、それが妙に印象に残っているんですよ。その後、ちょくちょく仕事をするようになって、知れば知るほど面白いひとだなと感じるようになって。それであるとき、「『水沢ダウン』って知ってる？」って言われたのが、〈デサントオルテライン〉との出会いなんです。

ー信頼を寄せていたからなんですね。

鰤岡：そうですね。そのひとの事務所には、おもしろいものがたくさんあって、とにかく興味が湧くというか、惹きつけられるんです。それで「水沢ダウン」を手に取ってみたんですけど、正直はじめは抵抗があったですよ。〈デサント〉って、ファッションではなくてスポーツの印象が強かったので。だけど、着てみるとすごくよかった。シルエットがきれいだし、暖かいし。当時ってモコモコしたボリューミーなダウンしかなかったので、これはいいということで冬は毎日のように着ていました。

ーいまやフリースやダウンパンツもお持ちですよね。

鰤岡：岩手に「ロカレール」っていうセレクトショップがあるんですけど。そこでうちの家具も扱ってもらっていて。実は毎年5月の販売会に合わせて、釣りの旅に出てるんです（笑）。店主の中村（佳明）くんも〈デサントオルテライン〉のファンで、熱弁されるんですよ。つい先日も行ってきて、妹のために「水沢ダウン」を買いました（笑）。

鰤岡さん私物の「水沢ダウン」は、取材に立ち会った〈デサントオルテライン〉の担当者もなかなか目にしないというレアもの。現在、展開のないダウンパンツは「BOA® フィットシステム」を採用。ダイヤルでウエストに入ったワイヤーで操作し、サイズを調整するそう。

ーお二人からの影響が強いんですね（笑）。

鰤岡：そうですね。〈デサントオルテライン〉ができた後、セレクトショップでも取り扱いがはじまって、いまではブランドの代表作として認知されています。それだけ一般に浸透したということだし、なんの抵抗もなく着られますよね。

ー「水沢ダウン」が暖かいというのはもちろんですが、鰤岡さんの日常にどのようにフィットしていますか？

鰤岡：スポーツメーカーがつくっているだけあって、すごく動きやすいんです。うちの工房は冬場になるとすごく寒くなるんですけど、ダウンジャケットを着て、その上から作業着を羽織るんです。それでも動きやすいんですよ。ボリュームも抑えられているし、重ね着がしやすいというのもポイントです。

ー今回着ていただいたダウンジャケット「アンビット」は、かなりハイスペックです。「GORE-TEX」が採用されていて、アウトドアアクティビティにも対応できる丈夫な生地を使ったパフォーマンスモデルなのですが、着てみていかがでしたか？

鰤岡：これ、欲しいですね。「水沢ダウン」って、一度着ちゃうと他のアウターが着れなくなるほど暖かくて、やみつきになってしまう。それでなおかつ「GORE-TEX」が使われていたら最強じゃないですか。「ロカレール」の中村くんも言ってましたよ、「『水沢ダウン』と『GORE-TEX』の組み合わせがあったら、それ以上はない」って。信頼感が半端ないですよね。

MIZUSAWA DOWN JACKET “GORE-TEX AMBIT” 「水沢ダウン」に「GORE-TEX 30d RIP-STOP NYLON」を使用し、防水・透湿性はもちろんのこと、軽量でコンパクト性にも秀でたパフォーマンスモデル。羽毛は「DOWNPASS」認証を取得したトレーサブルダウンを使用しているので、シリアルナンバーによる厳正な管理が行われており、調達過程の追跡が可能。職人によってつくられるクオリティの高さはもちろんのこと、ダウンにおいても高い品質が守られている。¥154,000

ー一方でシェルの方も同様に「GORE-TEX」が採用されているんですが、こちらは生産過程において環境に配慮した生地が使われています。

鰤岡：これも格好いいですね。最近ぼくもそうした環境活動を意識した買いものをするようになってきました。企業でもそうしたところが増えてきたし、スポーツやアウトドアメーカーもそれをしないとビジネスができないほど環境問題は深刻だと思うんです。だから、何かアクションを起こしているプロダクトと、そうでないプロダクトなら、前者のほうが手に取る理由になりますよね。

なおかつ、このジャケットは、デザインに無駄な装飾がなくて真っ黒だし、シンプルで合わせやすかった。いまくらいの時期にちょうどいいアウターですね。