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レッドウィングを通して考える、現代的なアメリカンカジュアルの答え。
MODERN AMERICAN CASUAL with RED WING

レッドウィングを通して考える、現代的なアメリカンカジュアルの答え。

アメリカンカジュアルを語る上で、避けては通れないブランドはたくさんあります。シャツ、デニム、シューズなどなど、それぞれのアイテムによってマスターピースは変わりますが、ことワークブーツにおいて、〈レッド・ウィング(RED WING)〉の名前は外すことができません。その質実剛健なつくりと精悍なルックスは、ワークブーツとしての機能はもちろん、アメカジのスタイルを確立させる強い存在感をたずさえているのです。そしてそうした魅力にいま、トレンドの潮目がジワリジワリと近づいています。では、いま〈レッド・ウィング〉を履くならどのような着こなしがいいのか? そのヒントを教えてくれたのは、「ビームス(BEAMS)」のプロダクト ストラテジストを務める柴崎智典さんと、〈パープルシングス(PURPLE THINGS)〉のデザイナーである菊乃さん。ふたりのスタイルから、これからのファッションの流れを探ります。

CASE 01 柴崎智典 / BEAMS プロダクト ストラテジスト

PROFILE

柴崎智典
BEAMS プロダクト ストラテジスト

1980年生まれ。2005年に「ビームス(BEAMS)」に入社。メンズカジュアルチーフバイヤーを経て現職に。〈レッドウィング〉との取引も担当し、数々の別注アイテムを生み出してきた。

ー 柴崎さんがはじめて〈レッドウィング〉のブーツを履いたのはいつのことですか?

柴崎:16歳のときですね。当時は雑誌の影響が強くて、アメリカのいろんなアイテムが紹介されていて、それに憧れを抱いていました。その中に〈レッドウィング〉の「アイリッシュセッター」もあって、ぼくが手に入れたのは赤茶のアイテムでした。極太のデニムに合わせたりとか、「501®」に合わせたりして、雑誌のスタイルを真似ていましたね。そうやって気分に浸って楽しんでいたんです。

ー その後、新しいワークブーツを買い足すことはあったんですか?

柴崎:その後は物々交換で手に入れた「ポストマン」とか、あと「ビームス」に入ってから購入した別注の「スーパーソール」を履いていました。だけど、〈レッドウィング〉のシューズって丈夫だから長く履けるんですよ。だからあまり急いで買い足す必要がないというか。それに履けば履くほど味が出るし、それがかっこいい。

柴崎:だけどやっぱり「アイリッシュセッター」は自分にとってのはじめての〈レッドウィング〉だったし、思い出深いアイテムです。プレーントゥも魅力的なんですけど、モックトゥはシンプルに生産の工程が一個多いじゃないですか。つま先の部分を縫わないといけないから。一度ミネソタの工場にお邪魔させてもらったことがあって、職人たちが縫っているところを見ると、やっぱり人の手がかかっているものに触手が伸びちゃいますね(笑)。

ー 当時は雑誌の影響で〈レッドウィング〉に触れて、現在はこのブランドに対してどんなイメージを持っていますか?

柴崎:アメリカのワークブーツの王道ですよね。むかしから現在に至るまで、その魅力にいい意味で変化がないというか。細かなアップデートはされていると思うんですけど、いまだに「MADE IN USA」ですし、クオリティがしっかりと保たれている。だけどこの品質なのにプライスはお手頃です。ファッションの入門としても魅力的だし、それでいて大人も履けるアイテムですよね。

ー 「ビームス」でも休むことなくずっと取り扱い続けていますよね。

柴崎:なくてはならないブランドですから。ワークブーツとしてのクオリティを持ちながら、同時にファッションとしても成立する。「ビームス」のファッションを提案する上で必要なものなんです。時期的に別注を受けていない頃もあったんですけど、「ビームス」はむかしから一緒に取り組みをさせていただいているので特別に受けてくださったり。本当に長いお付き合いがありますね。

その中できちんとブランドの魅力をお客さまに伝えられるように、そのオリジンを引き立てるような別注をいつも心がけています。それを買って、〈レッドウィング〉のことを知らなかったお客さまがそのルーツをご自身で調べるためのルートをきちんと確保するというか。

ー 昨今のスニーカーブームの反動で、ブーツや革靴を履く人が増えたように思うんですが、そうした流れは柴崎さんも感じていますか?

柴崎:感じますね。30代半ば以上の方々はアメカジを通ってきた人が多いから、その時々で履く頻度が変わったとしても、ワードローブにブーツや革靴って必ずあると思うんです。一方で、20代後半のぼくの後輩なんかは、〈レッドウィング〉を履いたことがないそうなんです。だけど「気になるから履きたい」って最近言っていて。その周りでもやはり気になっている人たちが増えているみたいで、「ポストマン」や「アイリッシュセッター」に目が向いているようですね。そういう声を間近に聞くと、やはり熱の高まりは強く感じます。実際にその後輩は〈レッドウィング〉を買って履いているので。

ー いままたアメカジの流れが来ていると囁かれていますが、それも感じますか?

柴崎:90年代の渋カジの流れがまた来ているんでしょうね。だからレギュラー古着が人気だったり、20代の子たちがそうしたカルチャーやムーブメントを掘り下げていると思うんです。そうしたときにやっぱりアメリカの名だたるブランドたちは避けて通れない。だから必然的に〈レッドウィング〉もフォーカスされているんだろうなと。

ー 今日の柴崎さんの着こなしもアメカジがベースにあって、〈レッドウィング〉のシューズがすごく引き立ってます。

柴崎:明るいゴールドラセットのカラーなので、アイスブルーのデニムを穿くか迷ったんですよ。だけどぼくはいま40代ですし、大人がなじみやすい履き方を提案したくて、あえてチノパンを選びました。コテコテにならないようにワントーンを意識して。トラッド要素を取り入れることで、ちょっとキレイ目な印象になるというか、カジュアルさがすこし抑えられるのかなと思います。でもこの色ならデニムもいいし、グレー系のスエットパンツも合わせやすいですよね。

ー 当時のままではなく、いまっぽくモダナイズされたスタイリングだと思うんですが、〈レッドウィング〉のシューズを現代的に履きこなすにはどうしたらいいか、最後にアドバイスをお願いします。

柴崎:ウェアのサイズ感が当時の渋カジの時代よりも大きくなっていますよね。だけど、〈レッドウィング〉のブーツの顔は当時のままです。だからいまっぽく履きこなすなら、ウェアを変化させる必要があって。つまりそれがサイズ感なんですけど。このブーツをモードなスタイルに持ってくると違和感が生まれてしまうと思うので、ある程度アメカジをベースにした上でサイズ感を現代的にアップデートするのがおすすめですね。

IRISH SETTER 6″ MOC #9875 ¥42,900+TAX 1952年にハンティング用としてつくられた8インチ丈のブーツ「#877」から派生した、6インチ丈の「#875」。レザーの色が猟犬であるアイリッシュセッターの毛並みを連想させたために、その名がついた。つま先の自由度が高く快適で、ソールには長時間履いていても疲れにくいトラクショントレッド・ソールを採用。良質なレザーが使用され、その機能性と耐久性の高さから、ハンターだけでなくワーカーたちにも愛されるようになった〈レッドウィング〉の代名詞的なモデル。

INFORMATION

レッドウィング・ジャパン

電話:03-5791-3280
Instagram:@redwingheritage_jp
redwingheritage.jp

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