ヴィンテージでは難しい、理想的なアイテム。
ー 洋服や靴に比べると、古着のキャップがフィーチャーされる機会は少ないですよね?
新旧に明らかなディテールの差異がなかったり、おおよそ’80年代以降はアメリカ製でないブランドが大半だったり、ヴィンテージの判断基準がないですよね。価値が確立しているのは、ウール地の本当に古いベースボールキャップくらい。
加えて、サイズの問題もあります。やはりアメリカ人は頭が小さいので、ヴィンテージだと日本人にはフィットしにくい。ことにプロ仕様のタイプはサイズ調整のアジャスターがないので、古着で日本人に合うサイズはそうそうなく、見つけてもデザインを選べるほど豊富には揃わない。
さらに丁寧に扱われるアイテムではないし、あらゆるシーンで日常的に何年も何年もかぶり続けられたうえ、一度も洗濯されないままの状態もザラ。不要になるタイミングがなく、買い替えや捨てどきもないので、徹底的に使い潰されてしまってグッドコンディションの個体が残りづらい。いいモノがなかなか集まらないのが現状です。
「’47 CLEAN UP」は、まさしくそこに寄り添うアイテムだと思います。アジャスター付きでサイズ調整ができ、ウォッシュド加工のコットン地でヴィンテージライクな雰囲気を味わえる。こうした理想的なポイントを押さえたキャップは、中古で探しても滅多に見つかりません。古着との相性も良く、浅めのクラシックスタイルも僕の好みです。ついでに奇遇にも「ミスタークリーン」との“クリーン”つながりで、個人的に親近感も湧きます(笑)。
ー 〈フォーティーセブン〉のファンキャップはMLBの全スタジアム、スーベニアショップなどで取り扱われていて、本国ではファッションというより応援グッズや土産モノとして売られています。
古着ってワークやミリタリー、アウトドアでも雑貨でも、本来は道具や装備といった存在であり、元々はファッションアイテムでないモノが多い。僕自身も含め、ヴィンテージファン、ひいて男性はそこにグッと来る方も少なくなく、それがアメカジの面白さのひとつだと思います。
また、いまでは珍しくなりつつあるアメリカらしい家族経営であったり、まさにアメリカンドリームをつかんで発展してきたヒストリーであったり、とても魅力的なストーリーをもっているブランドなので、そこにも惹かれますね。