スタッフの方々がワークウェアとして着られるものをデザインした。
ー 一方、今回スタッフのユニフォームをデザインされた川瀬さんは、どんな理由でオファーしたんですか?
中室:「ムロフィス」で川瀬さんがデザインを手がけるブランド〈プロダクト トゥエルブ〉のPRをさせていただいているんですが、とにかくものづくりがロジカルなんですよ。ミリタリーウェアやワークウェアに造詣が深く、そうゆう考え方がデザインに反映されているんです。
ー このスタッフ用ユニフォームも、そうしてつくられたと。
川瀬:〈モノリス〉のコンセプトを中室さんから伺って、ふたつの軸が思い浮かびました。ひとつはよりよいツールであること。もうひとつはスタッフのパーソナリティを尊重すること。それをユニフォームで表現したいと思いました。
いろいろなところを工夫しながらデザインしたのですが、スタッフの方々がワークウェアとして着られるものにしました。例えば、パターンの部分。腕を上げやすいようにしたりとか、軍モノの服だと肘の部分の表側にタックが入るんですが、それを内側にして主張を押さえつつ肘を曲げやすく配慮しています。快適に作業を行えることによってお客さんとのコミュニケーションもスムーズになると考えました。そうやって店頭での業務をサポートするようなイメージでつくり込んでいったんです。
あと、スタッフのパーソナルな部分を引き立てるために、あえて襟なしにしました。どうしても襟の印象って自然と強くなってしまうと思うんですよ。だからそれをなくして、お客さんがスタッフの方々の印象をニュートラルに捉えられるようにしています。


ー なるほど。
川瀬:そしてもうひとつ中室さんと話していたのは、スタッフの方々の所作を統一したいということ。ここで働く方々にヒアリングしたところ、ペンと手帳は必ず持つということだったんです。それでコートの内側にペンと手帳を入れられる専用ポケットをつけました。ポケットは他にもありますけど、専用の収納をつくることで、みなさんで同じ動きができるかなと。
中室:生地も〈モノリス〉のプロダクトと相性のいいものをふたつ候補に挙げていただいて、こちらのナイロン地をセレクトしました。もうそのときに、「分かっていただいているな」と確信しましたね。ちょっとの説明でいろんなことが通じたんです。
あとドットボタンも〈モノリス〉で同じ形状のもの使っていて、そういう部分もきちんと理解して、何も言わずとも取り入れてくれました。本当に感謝ですね。男性スタッフも女性スタッフも、みんな似合うんですよ。
ー 商品化してよさそうなレベルのユニフォームですよね。
中室:そう思いますね、本当に。ぼくも着てみたんですけど、自分の肩幅でもすごくハマりがよくて。
川瀬:ありがとうございます。 ひとそれぞれ肩傾斜が違うんで、どんなひとでも合うパターンにしたんですよ。
中室:すごく動きやすかった。肩を上げても全然窮屈さを感じないですし、普通の服よりも可動域が広い感じがします。この袖なんかも、いい膨らみが出るし、それがまた機能としても作用する。完璧です。