PROFILE

1991年生まれ。2011年『Girl』で第34回写真新世紀優秀賞受賞。2016年に『BACON ICE CREAM』で第47回講談社出版文化賞写真賞受賞。近年では映像監督としてCM・MVなどを手掛けているほか、広告・CDジャケットなどのアートディレクションも行う。2022年2月には、デビューから12年間に渡るクライアントワークをまとめた写真集『BEST BEFORE』が青幻舎より発売予定。
PROFILE

1977年生まれ。文化服装学院卒業後、2007年〈ファセッタズム(FACETASM)〉を始動。2016年第34回毎日ファッション大賞・大賞受賞。2016年には、リオ五輪閉会式「フラッグハンドオーバーセレモニー」の衣装製作を担当。現在年2回のコレクションを発表するだけでなく、ファミリーマートの新しい衣料品ブランド〈Convenience Wear〉のクリエイティブディレクターも務めている。
『TOKYO SEQUENCE』のはじまり。


落合:初めて奥山くんと会って話をしたのは、ちょうど3年ほど前。企画への思いが綴られた企画書とたくさんの写真集をカートに入れて、奥山くんが事務所に来てくれたのが出会いでした。
奥山:僕にとって東京の街は、新しいものや古いもの、オリジナルなものやそうではないものを混在させて、うねりながら強く前に進んでいるように見えていました。世界のどの街にも見ないスタイルであり、それが東京らしくて好きだなと感じていたんです。〈ファセッタズム〉も同じように、音楽やアートなど様々な分野から影響を受けて一つの形を成しているように思っていて、街を見ていると〈ファセッタズム〉の服が浮かぶくらい東京を体現しているブランドだなという印象がありました。だから東京と〈ファセッタズム〉をテーマに何かつくってみたくて連絡をしました。初めてお会いしたときに、東京の街の中で〈ファセッタズム〉の洋服を、東京を体現している人たちに着てもらって撮りたいという話をさせてもらいました。
落合:僕自身東京出身ですし、〈ファセッタズム〉が”東京っぽい“と言われることは多い。ですが”東京っぽさ“を意識して服作りはしてないので、自然と生まれたデザインがそう言われることは褒め言葉だと受け取っています。特にコレクションなど海外で戦っていくときに、東京っぽいと言われることを誇りに思っていましたしね。だからこそこのプロジェクトを進めるということは、東京っぽさを意識して写し出すことだし、僕にとっても〈ファセッタズム〉にとってもすごく意味のあることだなと思って賛同しました。奥山くんの目を通して、美しい東京の風景と僕らの洋服が重なったときの新しさにも興味があったし、東京で今を生きている人たちが〈ファセッタズム〉の服を着ている瞬間というのは、なかなか出会えない。話を聞いたとき、これはみんなを笑顔にする気持ちの良いプロジェクトになるんじゃないかと直感的に思えたんです。

