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FACETASM 落合宏理と写真家 奥山由之が語る『TOKYO SEQUENCE』のはじまりとこれから。
Behind the scene

FACETASM 落合宏理と写真家 奥山由之が語る
『TOKYO SEQUENCE』のはじまりとこれから。

渋谷の大規模再開発、この夏開催された東京五輪、そして未だ続くコロナ禍。街だけでなく生活も変化の真っ只中にある東京。そんな東京を舞台にした写真家・映像監督の奥山由之と〈FACETASM〉がタッグを組んだプロジェクト『TOKYO SEQUENCE』がある。日々移りゆく街と、そこに息づく人々を活写していくビジュアルプレゼンテーション。そのプロジェクトのはじまりから、ゴールへ向けてのヴィジョンについて2人に語ってもらいました。

  • Photo_Yuka Uesawa(model)、Hinako Kotaki(still)
  • Text_Mai Okuhara
  • Edit_Shun Koda

目に見る東京らしさと、写し出す東京らしさの違い。

落合:我々が今写している東京らしさというのは、海外の人たちは来て見られないから貴重かもしれないですね。

奥山:いわゆる国外から見た東京らしさとは全然違うかもしれない。国外の方からみた東京はきっと今でも『ロスト・イン・トランスレーション』のような世界であるように、僕らが認識しているパリってパリの人たちからしたら「どこみているの?」と思われるのかもしれない。そういう意味では、新しい東京らしさ、東京のローカル感を提言できるような気がしています。ロケハンをしていて思うのは、本当に工事現場が多いということ。見過ごしているというか、当たり前の景色としちゃっていますけど、都心は100メートル歩けば赤い三角コーンがだいたいある。こんなにも常に変化しているんだと改めて感じますね。僕の中では、坂道も東京らしさの一つ。東京って地形が入り組んでいて、そのうえ建物が密集しているので、実は階段や坂が多い。その地形変化のレイヤーを感じる場所も撮影場所として意識的に探しています。

落合:我々が撮っている東京は、どこか上品な印象もあるよね。僕はその奥山くんが見ている東京の街に吸い込まれるような感覚もある。そういう繊細な東京の見せ方って、奥山くんにしかできないなと思いますね。その世界観に〈ファセッタズム〉が入ることによって意味が生まれる。ある種、東京のレイヤーのなかに色を足すような。〈ファセッタズム〉というノイズじゃないけど、なんか歪なものが入って新しい形になっていくというのが、このプロジェクトの醍醐味のような気がしています。撮影でもすべてがハマったときにグッと来る感覚がある。

モトーラ世理奈さんを撮ったとき、奥山くんらしいレイヤーの感じすごく感じました。あとThe Wisely Brothersの真舘晴子さんは18歳のとき、曽我部恵一さんの店『CITY COUNTRY CITY』でアルバイトしていたそうで、曽我部さんと隣同士で並んでいる光景を見て嬉しい気持ちになった。モデルのアンジェさんは初めての東コレに出てもらったモデル。一人一人は成長し変わっている中でもずっと繋がっている。そういうレイヤーもまた感慨深いですね。

INFORMATION

TOKYO SEQUENCE

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