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FACETASM 落合宏理と写真家 奥山由之が語る『TOKYO SEQUENCE』のはじまりとこれから。
Behind the scene

FACETASM 落合宏理と写真家 奥山由之が語る
『TOKYO SEQUENCE』のはじまりとこれから。

渋谷の大規模再開発、この夏開催された東京五輪、そして未だ続くコロナ禍。街だけでなく生活も変化の真っ只中にある東京。そんな東京を舞台にした写真家・映像監督の奥山由之と〈FACETASM〉がタッグを組んだプロジェクト『TOKYO SEQUENCE』がある。日々移りゆく街と、そこに息づく人々を活写していくビジュアルプレゼンテーション。そのプロジェクトのはじまりから、ゴールへ向けてのヴィジョンについて2人に語ってもらいました。

  • Photo_Yuka Uesawa(model)、Hinako Kotaki(still)
  • Text_Mai Okuhara
  • Edit_Shun Koda

変化をグッズでも楽しむ『TOKYO SEQUENCE』のスーベニアが誕生。

落合:『TOKYO SEQUENCE』が広がっていくなかで、シンボルになるようなロゴを作りたいと奥山くんに相談しました。デザイナーは鈴木聖さん。オファーして、1、2週間ほどで複数案デザインを提案してくれて、そのスピード感と感覚も良くあっという間にロゴが完成しました。できたことで、アイテム化も想像できた。これから1年、2年と時間をかけてプロジェクトを完成させていく中で、写真集や展示より前にアイテムをリリースすることはある意味新しいチャレンジで、それもまた面白いかなと。奥山くんから20枚ほど候補となる写真を出してもらい、そのなかから変化途中の東京の街を感じる5枚を選び、アイテムに落とし込みました。写真を綺麗に見せたかったので、色展開は白と黒だけにしています。

奥山:サンプルを見た時に、純粋に欲しいと思いました。服に落とし込まれた写真の面白いところは、『TOKYO SEQUENCE』のサイトや写真集、展示など、いわゆる写真然とした佇まいをしているときの見え方と、生活の中で身に纏うとか日用品に落とし込まれた写真は、同じ絵柄なのに見え方が違うところ。以前写真集を発売したときにつくったTシャツを着ている人を、たまたま街で見かけたことがあるんです。それがなぜか自分の写真のように思えなかった。その感覚が面白いですし、写真表現の醍醐味の一つだなと思いました。今回のアイテムも、どこかで見かけたり、使っていく中で、写真の持つ違う表情を見られると思うと楽しみです。『TOKYO SEQUENCE』は、ほんの数秒違うコマが連続することで、街や人、ファッションが変化していく。そういうシークエンスを描いている内容なので、このグッズも写真展というある一定の短期間にだけ販売されるものではなくて、事前につくることで長い期間をかけて人の手に届いていくものになる。時間の流れや変化を一つのコンセプトにしている『TOKYO SEQUENCE』というプロジェクトに合っているなと思います。今購入してくれた人の一着が、展覧会や本ができたときに、何度も洗い着古され写真が色褪せているかもしれない。そういう変化も『TOKYO SEQUENCE』らしいモノづくりだなと思います。

落合:新しいコミュニケーションの形ですよね。写真集や展示より先に写真を身にまとって共有してもらえるというのは、ゴールにむけてよりプロジェクトに気持ちがこもると思う。奥山くんが見る東京の街が写してある洋服を、街で見るのも新しいレイヤーになるかもしれないですしね。

奥山:写真集や展示に向けて、漠然としたヴィジョンはありますが、展示をして初めてプロジェクトの全体像を実感できるような気がします。展示では、より立体的に、多面的に”東京”を描くことが出来ると思うので、楽しみです。

落合:撮影をしてクリエイションを高めていくということがあまりない機会なので、展示までにどう完成されて、どういう雰囲気になっていくかは、僕らにしか醸し出せない何かがあるはず。だから展示の雰囲気とか空気とかを味わうのが今から楽しみですし、長い期間をかけてつくったこのドラマを経て、出てくれた方々と再会できるのも楽しみにしています。

INFORMATION

TOKYO SEQUENCE

WEBサイト

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