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漁網をジャケットにしてしまうパタゴニアは、やっぱりかっこいい。
Next is NetPlus®︎.

漁網をジャケットにしてしまうパタゴニアは、やっぱりかっこいい。

SDGsが叫ばれる前から、ずっと変わらず〈パタゴニア(Patagonia)〉はエシカルだ。環境や社会の問題に粘り強く取り組み続け、実際に数々の問題を解決してきた。今回もそう。海洋プラスチックとして問題になっている、海中の漁網を服の生地へと見事に転用することに成功した。その生地の名前は「NetPlus®︎」。それを用いて作られた、色鮮やかなグリーンのダウンジャケットを携えて向かったのは湘南藤沢エリア。プライベートで海釣りを楽しみながら、服作りから鰹出汁まで幅広く生業を持つ海瀬亮さんに、海や環境問題、このアイテムやパタゴニアという企業について語ってもらった。

  • Photo_Hioryuki Takenouchi
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Keisuke Kimura

ずっと変わらない、パタゴニアのデザインとブランド哲学。

ー 〈パタゴニア〉と「ブレオ社」が、南米の漁師たちと提携して生み出した、100%漁網由来のナイロン生地が「NetPlus®︎」です。

海瀬:なかなかできないことですよね。南米からタンカーに漁網を載せて、原料に戻して生地を作る。一から作るより大変なことだし、いつも思うんですが、この行動力はお手本にすべきですよね。

ー そして、「NetPlus®︎」を表地として使ったのが、着ていただいているダウンアイテムです。

海瀬:いい意味でデザインが入っていないというか、20年くらい前のデザインと言われても違和感がないくらい。それは〈パタゴニア〉が流行りものではないプロダクトを作り続けているからですよね。お義父さんが〈パタゴニア〉がすごい好きで、「パタロハ」のシャツもたくさん持っていて、お下がりでもらいました。それもデザインが変わらないから着られるわけで。それと丈夫ですしね。そんなところもまた、稀有なメーカーだなと。

ー 20年前のデザインとおっしゃいましたが、このジャケットは以前のアーカイブのものがデザインのインスピレーションになっているんです。そして中はリサイクルダウンで、表地が「NetPlus®︎」です。

海瀬:夏の間は、8割くらい〈パタゴニア〉のバギーズショーツをずっと穿いているんですけど、ショーツの生地も「NetPlus®︎」に差し代わるといいですよね。生地の発色がいいし、マッチすると思います。

ー 今シーズンで何点か、アウターはこの生地になりましたし、2022年の春夏から、バギーズも「NetPlus®︎」になっていくんです。

海瀬:裏を返すと、それだけ漁網が捨てられているということですよね。このジャケットもバギーズも、メインアイテムなわけですし。

この船に積まれているような古い漁網が、海洋プラスチック汚染の要因のひとつ。〈パタゴニア〉はこれまでに、400トンもの漁網をアップサイクルしてきた。Photo : Jürgen Westermeyer

ー 既存アイテムの生地を「NetPlus®︎」にスイッチしていくと、ソーシャルインパクトも大きい。〈パタゴニア〉としては、デザインは変えずに生地は置き換えていくことが多いんです。しかも、売れているアイテムを変えるとインパクトが一番ある。そうして環境だけでなく、社会的にも貢献できるようにということを常々考えているそうです。

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