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Retreat for tomorrow. Vol.1 サブスク型セカンドホームがもたらすもの。
MONTHLY JOURNAL Jan. 2022

Retreat for tomorrow. Vol.1
サブスク型セカンドホームがもたらすもの。

まだ収まる気配がないコロナの猛威をきっかけに、これからどこで、どう生きるのかを切実に考えるようになった人も少なくないはず。その一つの形として、ローカルへ移住する人やセカンドホーム(別荘)を買う人が増えているそうです。日常から離れ、自分の心とカラダと向き合うという意の「リトリート」が注目されているのもその流れでしょう。現実問題として別荘を買うのはなかなかハードルが高いわけですが、その障壁を下げてくれる新サービスが登場しました。“Live with nature. / 自然と共に生きる。“を標榜する新サービス〈SANU 2nd Home〉とは何か。今の時代に合ったこの新しいセカンドホームがもたらす、リトリート体験を振り返ります。

  • Photo_Yuta Okuyama
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

SANU CABINの空間を満たす心地よさの正体。

〈サヌ〉の空間は決して華美ではないのに、心が充足する感覚があります。そこには人にも地球にも配慮した心遣いが底流しているからです。地球や人を犠牲にしないという強い意志に貫かれた空間だからこそ、後ろめたさを感じずに、滞在者も気持ちよく過ごすことができます。

ここからは、〈サヌ〉がこだわり抜いたその魅力について紹介します。

まずは滞在先である「SANU CABIN(サヌ・キャビン)」が徹底的に環境に配慮してデザインされた建築物であること。土壌に負荷の大きいコンクリートのベタ基礎ではなく、杭を立ててその上に建物を建てる『高床式基礎杭工法』を採用することによって、土壌や周辺の生態系への負荷を減らすなど、建設によって生じる環境負荷を最小化しています。また、製造過程で大量のCO2を排出する鉄やコンクリートの使用量を80%減らし、国産材100%を使用した木造建築にしたことで、カーボン・ニュートラルを実現。

さらには、建築として役目を終えた後を見据えて、サヌ・キャビンで使用された木材のほとんど全てが解体後に再利用できるようなサーキュラー型建築として設計されています。〈サヌ〉では「FOREST FOR FUTURE」という独自のプログラムを展開し、キャビン建設で使用した分の木を植林する活動も計画しているそうで、SANU CABINが増えれば増えるほど、森が豊かになるシステムを作っています。

フィンランドの老舗ブランド〈ジェネレック(Genelec)〉のスピーカーは、99%リサイクルアルミニウムを使った「G Two RAW」。環境に優しいだけでなく、優れた高音のキレとこのサイズからには似つかわしくないくらいの迫力ある低音を楽しめます。

洗面所のライトのスイッチは、石の素材そのままを使用。石ごとロープを下に引っ張ればカチッと音がなり、ライトがオン・オフします。その感触が、どこか懐かしい。

森本浩基氏(caveman マネージャー兼ソムリエ)がセレクトしたナチュールワイン3種(赤、白、オレンジ)が常備されています。※有料サービス

キッチンには、全国の名産地で生まれた、質の高い調味料がバリエーション豊かに用意されていて、俄然、料理をしたくなります。もちろん食材が新鮮だからということもあるけど、いい調味料を使うと、素材を切って和えるだけでも美味しい一皿に。

シーツは、洗いざらしが気持ちいいコットン素材。使い捨てされることが多い寝具を、打ち直して長く使うことができるロングライフなプロダクトとして提案している、山梨のブランド〈シンソ(sinso)〉のもの。

何度も通えることの幸せ。

極上のベッドで起きた次の朝の起きぬけに、白樺湖のそばまで行き、湖沿いのウッドデッキを歩きました。フォトグラファーが、凍った湖の氷の上に点々残る、多分キツネであろう足跡を教えてくれました。野生動物の痕跡はここではごく当たり前の日常の風景なのでしょうが、そんな自然の営みを目撃できたことに少し高揚します。

さて、ホテルと違いセカンドホームには、繰り返し通うことができます。何度も通ううちに、その場所の解像度が高くなり、見えてくるもの、感じるものもまた変わってくる気がします。今回は冬でしたが、春夏秋の白樺湖がどんな表情を見せてくれるのか、楽しみです。セカンドホームを持つことによって、少し先の未来がちょっとだけ待ち遠しくなる。それこそ幸福というやつなのかもしれません。

INFORMATION

SANU 2nd Home

2ndhome.sa-nu.com/

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