元気が出るテレビ時代のシルエットがかっこいい。
ー 着こなしはどんなことを意識していますか?
高橋:スウェットのセットアップはルーズにだらしなくというよりも、どこか緊張感を持たせて着るのが好きですね。スポーティな要素を残しつつも、きちんとファッションとして成立させたい。あまりにもオフスタイルにならないように意識してます。
ー サイズに関してのこだわりはありますか?
高橋:80年代後半から90年代初頭にかけてのシルエットがぼくは好きで。むかしのビートたけしさんみたいな感じで、トップスはふわっと丸みを帯びていて、ボトムはボンタンパンツみたいなテーパードしたシルエットになるようにしています。いい意味でのいなたさみたいなのは意識していますね。

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ー NBスウェット 「1000 SERIES」のオーバーサイズもそんな感じですよね。
高橋:このドロップしたショルダーと、腰回りがゆったりして丈がちょっと短めのシルエットはすごくハマりがよかったですね。品のいいオーバーサイズというか、見頃のシルエットはたっぷりしてるけど、そのぶん着丈が短く調整されていたりとか。好みで選べるのはすごくいいですよね。
ー 生地感であったり、着心地の面ではいかがですか?
高橋:肉厚なのにすごく軽いのがいい。普段ヘビーなスウェットを着ているんですけど、ちょっと重苦しさを感じることがあって。だから余計軽く感じますね。裏毛の感じもスウェットというよりは、フリースとの中間みたいで暖かいし、着心地がすごくいいですよ。生地はコットンですか?
ー コットン80%、ポリエステル20%の混紡地です。
高橋:理想の混率ですね。50:50だと、ポリエステルの表情が前に出過ぎてしまうんですけど、これはコットンの風合いがしっかりとあって、それでいてタフさもあるからいいですね。コットン100%だと、それはそれで扱いづらかったりもするので。

13ozでヘビーウエイトな裏毛の生地はヴィンテージのスウェットを再現。着心地をよくするために、肌当たりがきになる部分はフラットシーマで縫い目に凹凸がない仕様。高橋さん曰く「高級感があっていいですね」とのこと。後身脇部分にはリフレクター糸を使用。背中にはさりげなく「N」のステッチが入っている。

トップスの袖口と、ジョガーパンツのヒップポケットには、〈ニューバランス〉のシューズのヒール部分に配されるモーションコントロールデバイスを彷彿とさせるラベルが縫われている。

1000番台のシューズとしてはじめて「1300」が登場したのが1985年。それをミリタリー調のロゴデザインで表現。「これくらいのワンポイントがあってもいい」と高橋さん。
ー 〈ニューバランス〉にはどんなイメージを抱いていますか?
高橋:おぼっちゃまという感じですかね(笑)。やっぱりアメリカの印象は強くて、いい大学のすごくハイソな人たちが履いているスニーカーというイメージです。たしか、クリントンさんも履いてましたよね。そういう上流な人たちの足元を支えているというか、クリーンで上品な印象がありますね。
ー 高橋さん自身も履いたりしますか?
高橋:コラボものとか、あとは最近「2002」も履いたりします。
ー でも、スウェットには合わせずですか?
高橋:スラックスを穿くときにハズしとして合わせることが多いです。
ー 今回はローファーを合わせているのがユニークだなと思いました。先ほど仰っていたように“いなたさ”を表現するのに、ちょうどいいということですよね。


高橋:ビートたけしさんもそうですし、松方弘樹さんもそうした雰囲気の着こなしをしていましたよね。元気が出るテレビ時代のシルエットがかっこいいなと思ってて。上品に着こなしつつ、当時の六本木や西麻布を連想するようなやんちゃな感じに、日本らしいノスタルジーを感じるんです。
ー そうした当時のスタイルと、こうしたクリーンなスウェットを合わせることで、ノスタルジーではあるけれど、一方でモダンなムードも感じる着こなしになっていますね。
高橋:当時の人たちがスウェットを着ていたイメージがあるんです。だからこういうスウェットのセットアップにポロシャツを着てみるのもいいかなと思ったり。自分がどういうキャラクターをつくりたいかを考えながら着てみるといいと思います。ミニマルだからこそ、本当に些細な差別化をすることで、違いが分かりやすく出ますね。
ー ちなみにホワイトを選ばれたのはどうしてなんですか?
高橋:いちばん汚しちゃいけない色だからです。だからスウェットなんだけど、緊張感が生まれるんですよ。いろんなブランドのスウェットを試しながら、ぼくはいちばん最初にホワイトを買うようにしているんです。自分のブランドでつくっているのも白ですし。デリケートに着なきゃいけないから、だらしなくならない。そこに清潔感が生まれてくるんです。だからオンのときはホワイトがいいなと思います。
