Key Item 03_DENIM PANTS ジーンズはダブっとストリートに穿いてヌケ感を出す。
1800年代後半に炭鉱夫の作業着として誕生し、いまや世界のファッションにおいてスタンダードとなったジーンズ。作業着としてディテールが煮詰められていった1940年代まで、そしてジェームス・ディーンやマーロン・ブランドの登場で街でも着られるようになった1950年代、ファッションとして定着して細身になる1960年代を経てヒッピームーブメントの1970年代には裾が広がり……と、ジーンズは暮らしに欠かせないアイテムとして、時代のニーズに合わせてシルエットやディテールに変遷を重ねて進化を続けてきたアイテムでもあります。そして進化を続けているからこそ、永遠のスタンダードであり続けているのです。
そんな変遷を踏まえつつ、ジーンズがはじめてファッションになったマーロン・ブランドの『乱暴者』に敬意を払いつつ、よりリラックスして肩の凝らない着こなしを提案。ハードアメカジ直球にならないようにナイロン素材のライダースやハーフジップのスエットパーカでヌケ感を出しつつ、合わせるジーンズは膝からストンと落ちる緩めのシルエット。鬼ヒゲや強烈なハチノスが入ったものではなく、ほどよい加工感のものを選びつつ、太めのロールアップやたっぷりと出来た裾のクッションも頑張り過ぎないコーデを作るコツ。
ヴィンテージっぽさを備えながらも、古着では見つけられないシルエットが手に入るのがいまモノの良さ。『乱暴者』のマーロン・ブランドは〈リーバイス〉の501®だったけれど『理由なき反抗』のジェームス・ディーンのように〈リー〉をチョイスしたり〈ラングラー〉のエッセンスを取り込んだ1本を選べば、スタンダードななかにもヒネり感を出せるはず。またストリートの延長で穿けるような太めのストレートで、中でもヒゲやドット状のアタリをリアルに再現しながらもハードにな過ぎず自然な落ち感を表現したものを探したいところです。
WESTOVERALLS
DENIM PANTS
サイドの両巻き縫いやフラットリベット、カーブを描くフロントポケットにウエストベルトと平行に付けられたコインポケットと、ウエスタンジーンズのディテールを取り入れた5ポケット。このスタイルのジーンズの場合、ヴィンテージでは色落ちはあまり期待できないものですが、こちらのように生地をアップデートしたモデルならほどよくザラ感のあるデニム生地やタテ落ち感を味わえます。もともと馬の鞍を傷つけないために考案されたフラットリベットを採用しており、現代ならお気に入りの家具にも安心して座れるハズ。3万5,200円(ストール ショールーム)