WRANCHER DRESS JEANS × WESTERN BOOTS 正装こそが、コスプレにならないウエスタンのこなし方。
ブーツカットがカウボーイの仕事着なら、こちらはカウボーイのお洒落着。牧場仕事が終わってレストランに行く前に履き替えるトラウザーズとして誕生したのが、ランチャードレスパンツです。いわゆる〈リーバイス®︎〉で言えばスタプレスト、〈リー〉で言えばリープレスト、そして〈ラングラー〉の場合はランチャードレスパンツと呼び、いずれも1960年代半ばに誕生したアイテム。アイロンをかけずともシワにならないポリエステルを素材に用い、センタークリースの入ったスラックス的な5ポケットジーンズ、という位置付けです。
アメカジ好きにはお馴染みでも、意外と世間では知られていないアイテムがこのジャンル。しかしイージーケアでデニムにありがちな重さもなく、スラックスとして穿ける小綺麗さも兼ね備えたアイテムのため、実はアメカジ感を出しすぎずに取り入れることができるアイテムでもあります。当時物は絶妙にいなたいストライプ柄やチャコールグレーだったりシルエットもトガっていたりして、それはそれで魅力的ですが、普段の着こなしに取り入れるのはちょっとハードルが高め。そのため、色目のクッキリしたブラウンやベージュのカラーリングを採用した現行アイテムであれば、チノーズの感覚でさらりと履きこなせるでしょう。
ランチャードレスに合わせる足元としてチョイスしたのはウエスタンブーツ。しばらくトレンドから遠ざかっていたアイテムであり、ハードで男らしいイメージのあるブーツのためハードルが高いと躊躇するかも……!? でもご安心を。ご覧の通り、実はウエスタンブーツはシャフトをパンツのなかに入れてしまえば、ヒール付きのドレスシューズのような品の良い面構えに変わるアイテム。エンジニアやペコスと違ってドレスの要素が入ったブーツのためフォルムがスッキリと美しく、実は非常に合わせやすいブーツなのです。直球でウエスタンなコーディネートですがコスプレカウボーイ感も無いうえに、実はチャレンジする人が少ないため一周回って新鮮なのではないでしょうか。
本式のカウボーイはブーツを覆うぐらい長めのレングスで履くものだけど、都市生活者たる僕たちが真似しても仕方ない。裾がもたつかないぐらいのレングスに合わせれば、ブーツの装飾もほどよく見えてスッキリと仕上がるはず。ドレス感のあるパンツとブーツで品良く仕上がりながらも、居酒屋で靴を脱ぐ時に「ウエスタンブーツだったの!?」というインパクトも洒落が効いてて良いのでは。
そしてトゥの形から装飾の入り方、ソールの種類まで多種多様なバリエーションが存在するのがウエスタンブーツ。アメカジ界隈ではここ数年ローパーブーツと呼ばれるトゥが丸くてヒールが低く、クッションソールを使ったものが人気を博したりと、実はウエスタンブーツのなかでもこまごまとトレンドがあったりするもの。いまランチャードレスと一緒に履くなら、ローパーよりももう少しドレッシーなものが気分ではないか、と。トゥはシャープで、レザーのシングルソール、そしてコバの張り出しやヴァンプ(甲)の装飾は控えめなアイテムであれば、大人でキレイなウエスタンの履きこなしができるはず。