PROFILE
1980年生まれ。愛知県出身。大手セレクトショップにてバイヤーを務めたのち、数々のブランドの立ち上げに携わる。その後、2012年に「きれいな服を丁寧につくる」をコンセプトに自身のブランド〈サンカッケー〉を立ち上げ、2014年からは〈ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア〉も手掛ける。
ヨーロッパの丸みを帯びたコンパクトカーが好き。
ファッションという文化を遠くから眺めたとき、そこには広くて深い海のような世界が広がっています。
さまざまな時代、さまざまな生活様式、さまざまなカルチャーと交錯しながら、四方八方に文脈が伸び、伸びた先でまた枝別れるが起こる。まるで沼のような出口のない世界を構築しているのです。
そんなファッションの世界において、確固たるヴィジョンを抱きながら航海をする人物こそ、今回登場する尾崎雄飛さんです。
若い頃からセレクトショップのバイイングに携わり、世界各地を飛び回りながらあらゆる“モノ”を眺めてきた尾崎さん。そうした経験を活かし、現在は自身のブランドである〈サンカッケー〉や〈ヤングアンドオルセン ザ ドライグッズストア〉をはじめ、さまざまなブランドのディレクションを手がけています。
そんな尾崎さんの1日はクルマに乗るところからはじまります。朝起きて、身支度を整え、そしてクルマに乗ってハンドルを操作する。自宅からオフィスまでの距離をドライブしながら、1日のスケジュールを整理したり、移ろう景色を眺めながらぼんやりと考え事をして心身を起動させるのです。
「ぼくは昔からクルマが好きなんですよ。スティーブ・マックイーンの映画とか、『007』を見て憧れて、18歳になってからすぐに免許を取りました。愛知出身で地元はクルマ社会だったので、みんなすぐにクルマを買うんですよ。ぼくもそれでフランスのカーブランドの旧車を手に入れたんです。ヨーロッパの丸みを帯びたコンパクトカーがぼくは好きで、なんだかすごく惹かれるものがあるんですよね」
「実は〈ルノー〉の『キャトル』も当時買おうか真剣に悩んだんです。結果的に条件が合わずに他のクルマになってしまったんですが、ああいうクルマって明らかにつくりのプロセスが違うというか、デザインが魅力的ですごくロマンを感じる。いまでも小さくて丸みを帯びたクルマは好きで、見た感じ、『ルーテシア』もそうした自分の好みにフィットしそうですね」