
オーセンティックなシューズとはあきらかに違うインパクトがあった(江川)。
ー いまのように〈アディダス オリジナルス〉でスケートカテゴリーが確立される前、1996年に発売されたのが「アディマティック」になるんですが、当時の熱狂をどう見ていましたか?
江川:正直言ってしまうと、実際に手にしたのは今回が初めてなんです(笑)。もちろん、存在は知っていましたよ。人気があるのもわかっていたんですけど、当時はそれを斜めで見ていたというか…(笑)。昔からトレンドや流行的なものは避けてしまう傾向が、ぼくにはありまして…(笑)。
山本:実はぼくも、履くのは今日が初めてなんですよね(笑)。というのも、ぼくら世代からすると「アディマティック」はすでに人気に火がついていて、入手もしにくいし、憧れの対象だったんですよ。だから、自分で履くというよりも、スニーカー好きな友だちの家にいったら、必ずあるモデルという印象ですね。
江川:たしか同時期に〈アディダス〉から「ノートン」というモデルも出ていたんですよね。「アディマティック」も「ノートン」も当時のスケートシューズの流れを踏襲したデザインで、ボリューミーなシルエットでタンも肉厚。ただ、当時のぼくは「ノートン」派だったんです。「ノートン」は硬くて、「アディマティック」の方が柔らかかった記憶が…、あれ? ということは「アディマティック」、本当は履いたことあるのかもしれないです(笑)。
「アディマティック」に対しては、すごく尖ったデザインのシューズが出てきた印象がありましたね。極太のスリーストライプやミッドソールのトライバルなデザインだったり、オーセンティックなコートシューズとはあきらかに違う、未来志向のモデルとして強烈なインパクトがあったのは憶えています。