かっこよさのひとつの指針を示してくれているブランド。
ー 竹崎さんのコーディネートを拝見して、トラッドが軸にありつつも、服の生地や素材の使い方はもちろん、ディテールにも現代的な工夫があるのを感じました。それは〈ニューバランス〉の温故知新に繋がるものなのかなと思いました。
竹崎:ぼくはミクスチャー世代というか、音楽でも90年代を通っているから、ヒップホップだけじゃなくてロックも好きなんですよ。それは服も一緒で、トラッドってすごくルールがあるけど、それを知った上でいろんな混ぜ方をするのが楽しい。なんでもかんでも混ぜるんじゃなくて、その混ぜ方にこだわりたいというか。それはいつも心がけていますね。そうゆうときに〈ニューバランス〉のシューズがめちゃくちゃ合うんです。カジュアルにも合うし、トラッドにも合うし、もちろんスポーツにも合う。そのどの分野にもいけちゃう守備範囲の広さが魅力的ですよね。

ー ここにある3つのシューズも、似ているようでまったく異なる。色も同じグレーなのに、グレーの中でも表情の違いがあるのがわかります。だけど、どれにもやっぱり〈ニューバランス〉らしさがありますよね。
竹崎:それがすごいですよね。「990」もいろんなヴァージョンがあって、それぞれにオリジナリティがある。ぼくはあまり同じモデルを買い足したりしないんですけど、〈ニューバランス〉だけは別で、細かなディテールの違いだけで買ってしまったりする。それで見比べたりするのが楽しかったりするんですよ。
ー だけど、〈ニューバランス〉を買い足す人は、鑑賞用にではなく、ちゃんと履くために買っているような気もします。
竹崎:そうですね。やっぱり履いてなんぼだし、履いてはじめて魅力に気づくと思います。ぼく自身も20代の頃は全然疲れ知らずでしたけど、30代になって「〈ニューバランス〉履いていると全然ちがう」っていうことに改めて気付かされましたから(笑)。
それに、いまのファッションって機能面も大事なファクターになっているじゃないですか。もう「ファッションは我慢」っていう時代じゃない。やっぱり軽かったり、着心地がよかったり、撥水性があったりとか、そういうところに重点を置く人も増えているので、そうしたニーズにもきちんと応えられる機能性がありますよね。

ー 最後に、〈ニューバランス〉に今後期待することを教えてください。
竹崎:ずっと続けていってほしいです。ぼくの中で、かっこよさのひとつの指針を示してくれているブランドなので。むかしもいまも、とにかくヴィジュアルがかっこよくて、スタイリストとしていつも学びを得ているんです。そのかっこよさって、やっぱり内側から来るものだと思う。それをずっと保持してほしいなと思います。