それぞれの強みを活かしたカットスタイル。
原宿本店に勤務する粥川さんは、クルーカットと呼ばれるアメリカの大学生や米兵などに流行してきた髪型を得意としている。自身も長年そのヘアスタイルを貫くなか、日本でもようやく人気の兆しが見えてきた。
「男らしい短髪で、スタイリングをしなくともサマになるのが特徴ですね。もちろんグリースなどで艶を出してクラシカルにセットしてもカッコいい。これからの時期は特にオススメです」と粥川さん。
原宿2号店は都内にある3店舗のうち、唯一シェービングなどのサービスを提供できる理容師が在籍している。そんな本格バーバーとしての顔も持つ同店で、理容師と美容師の二刀流で腕を振るっているのが政井憲人さんだ。
美容学生時代に出会った「ミスターブラザーズ・カットクラブ」に衝撃を受け、専門学校卒業後に理容免許も取得。顔そりは平成生まれの若者たちからの需要も増えつつあり、そうした次世代への文化継承にも一役を担うオールラウンダーは貴重な存在だ。
幼少期にアメリカンカルチャーから影響を受けた三浦大義さんが在籍するのは、サロン激戦区から少し離れたエリアにある中目黒店。商店街の一角に店舗を構え、レトロな雰囲気を感じるこのお店で、針金パーマに2ブロックという奇抜なヘアスタイルが三浦さんのトレードマークとなっている。その端正なルックスから、友人のアパレルブランドではモデル役を担うこともあるのだとか。
贔屓にするお客さんの多くはダンサーやラッパー、スケーターなど、個性派揃い。アフロやドレッドなど、ブラックカルチャーを背景に持つヘアスタイルのお客さんも少なくないという。