薄くて、強くて、優しい時計。
最近、話題にあがるスポットは東東京に集まっている。ナチュールの角打ちも、瀟洒なコンプレックス(複合施設)も、ヒップなクリエイターが集まるコワーキングスペースも全部、東京の東部にある。
忙しない西側とは違い、東側にはゆったりとした時間の流れがあって、それが多くの人を惹きつけているんだと思う。そんな場所に2019年にオープンしたのが「ディーディーディーホテル(DDD HOTEL)」。ここが今回の舞台。
“コレクティブ・ホテル”と銘打ち、馬喰町で30年以上続いたビジネスホテルを全面改装して生まれたこの建物は、なにも眠るだけの場所じゃない。客室のほかにアートギャラリーの「パーセル(PARCEL)」、レストランの「ノル(nôl)」、カフェ&バーの「アブノ(abno)」など、文化施設も併設されている。
「ケース・リアル」の二俣公一さんが空間設計したこのホテルのテーマは、“本当に必要なものを、必要な分だけ、最高の品質で”というもの。たしかにどこを見渡しても余計な装飾がなく、ミニマル。そして、そんな無駄を生まない考え方は〈スカーゲン〉の腕時計とどこか通じるような気がする。
〈スカーゲン〉の母国・デンマークは環境先進国としても知られ、日本よりもずっと環境への意識が高い。なるべくアップサイクルであったり、サステナブルな素材を用いるようにしている。もちろん、着けている「GRENEN ULTRA SLIM」のケースの素材もリサイクルされたステンレススティール。なかには、「GRENEN OCEAN」なんていう海洋プラスチックを使っているモデルもあったりね。
ホテルの客室にはテレビも時計もない。あるのはタブレットや〈ハトラ(HATRA)〉がデザインしたルームウェア、1802年にフランスで創業した老舗〈デキャン(DESCAMPS)〉のタオルなど、必要最低限のアメニティのみ。どれも毎日でも飽きない心地よさが考えられていて妙に居心地ちよく、そんなところも〈スカーゲン〉と似ている。
「GRENEN ULTRA SLIM」は2針にアラビア数字が並ぶシンプルな文字盤。風防はサファイアクリスタルガラスで傷に強くなったから、デイリーで使いやすいし、どんなスタイルにもフィットしてくれるから服も選ばない。毎日付けるものは、そういうものがいい。
もうひとつ、この「GRENEN ULTRA SLIM」のいいところは、4.85ミリの薄型ケースで肌馴染みに優れているということ。だから、つけていることをときどき忘れてしまう。見た目も着け心地も主張が少なくて、あくまで脇役に徹してくれるのも魅力なんだ。オン・オフを問わず、そして心安らぐヒュッゲなひとときにも、そっとそばにいてくれる。
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