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FEATURE / PREMIUM

Garage's The Outdoor Journal

# 004
INDEPENDENT THINKING

インディペンデントな思考。
ごく私的な思いつきを
形にするひとびと。

この連載名の一部にもなっている「ガレージブランド」という言葉。
超個人的な発想を自ら形にし、キャンプ道具をつくるひとびとのことを指しています。
そんな風に自分の思いを形にしている福田健太郎さんは、
キャンプギア〈ワンタン〉のディレクションに続き、新たにアウトドアショップ「ランドリー」を立ち上げました。
できたてほやほやのお店にお邪魔しつつ、その思考を探っていきます。そして、
いま大きく羽ばたくブランドも、昔はきっと“ガレージ”だった時代があるはず。ということで、
〈イズネス〉デザイナーのキシタ トモミさん、〈アトモス〉ディレクターの小島奉文さんも直撃してきましたよ!

Photo_ Yuya Wada
Stylist_ Kenichi Taira
Text_ Takashi Sakurai
Edit_ Yuka Koga
Design&Development_ BONITO

FILE01 : 福田健太郎

WONTONディレクターが
アウトドアショップを
オープン!

まず最初に平さんが向かったのは、
〈ワンタン(WONTON)〉ディレクターである福田さんが
オープン予定のショップ「ランドリー(Laundry)」。
どうやらアウトドアとコーヒーの
お店ということなんだけど、
平さんいわく「福田さんのことだから、
斜め上いく発想してそう」とのこと。
オープン直前の店舗に
お邪魔するとそこに待っていたのは…。

PROFILE

BRAND

〈WONTON〉
ディレクター

NAME

福田健太郎

DATA

2007年創業の〈グッドオル(GOOD OL’)〉の代表でありデザイナー。本人のキャンプ好きがこうじて、2021年にはアウトドアギア収納に特化した〈ワンタン〉もスタート。今年5月には実店舗「ランドリー」もオープン。

WONTON

PICKUP
ITEM
01

PICKUP
ITEM
02

キャンプ付きが手掛けた
包むギア収納

2021年にデビューして以来、つねに大人気のブランド〈ワンタン〉。
今回お話を伺う福田さんが手がけているこのブランドがリリースしているのは、アウトドアギア、
ではなくて、それを収納するための袋。
強靱で軽量、かつ防水性にも優れたダイニーマという素材を採用していて、
その半透明の見た目はまさにブランド名のワンタンそのもの。
ラインナップも豊富でシェラカップ用、〈ベアボーンズ〉の「ビーコンライト」用、〈サーマレスト〉の「Zライト」用、
〈ゴールゼロ〉のミニランタン用など、ピンポイントなギア収納に特化しているのも面白い。
汎用性を無視したこの思い切りのよさと、ありそうでなかった痒いところに手が届く商品展開は、
福田さんの個性的な人柄が色濃く反映されている。

ちょっと個性的すぎる!?
捻りまくりの新ショップへ

Interview01 by Kentaro Tsukada.

ーいや、福田さんがお店を出すって言ってたから
すごく期待してきたんですよ。
でも、これまだ未完成っすよね?

福田さん(以下、福田):完成してるの。

ーえ?

打ち壊されたコンクリートと
むき出しの土の上に、
階段が一段ポツリ。

むき出しの壁。
これで完成なのか…?

福田:あとは棚とハンドドリップ用のグラインダーが来ればOK。

ーかなり剥き出し状態っすね…。

福田:そう。普通のお店の内装って、どっちかというと足していくじゃない?
 でもこの建物って、めちゃくちゃ昭和だから、それが逆に新しい。
だから基本なにも足さないで、壁なんかは剥がしちゃってるんですよ。

ーたしかに、いい感じではありますね。

福田:でしょ。ビンテージ感すごいよね。
この規格のサッシなんて、いま探しても見つからないし。
ちなみに「ランドリー(Laundry)」って店名も、ここがもともとコインランドリーだったから。

ーもしかして窓に貼ってある“LAUNDRY”のステッカーも?

福田:まんま生かしちゃってます(笑)。

前任者が残していったステッカー。
こうしてみるとなんだか味がある。

ーアウトドアとコーヒーの店ってことなんですよね?

福田:うーん。それがいま迷っちゃってて。なんかベタだなぁとか。

ーえぇ! この企画、アウトドア軸なんですけど…(笑)。

福田:もちろんアウトドアのものも扱うとは思うんですけど、
それプラスなにか捻りのあることをしたいと思ってるんですよ。

ー福田さんっぽいなあ。

カセットテープとコーヒー、
ライトが置かれたカウンター。
ここで立ってドリンクを
いただくのもいい。

お店に立つのは
福田さん自身。

福田:いまちょっと考えてるのは、場を提供するっていうやり方もあるかな、と。

ーポップアップ的な?

福田:そうそう。いろんな人とかお店のポップアップをどんどん回していく感じだと、
来るたびに違うお店になるじゃないですか。そういうのもいいかなあとか。
とりあえず、5月4日にゲリラ的オープンしたんですが、
そのときは「齋藤浩三郎商店」さんを呼んでみました。

ーおお、ジョーダンものマニアの。ぜんぜんアウトドアじゃない(笑)。

SAITO KOZABURO SHOTEN

アウトドア&古着の
ショップインショップ。

福田さんの旧友であり、
アウトドア仲間でもある齋藤正希さん。
普段は高円寺のセレクトショップ
「ウィムジカル(whimsical)」のなかに
ショップを構えていますが、
この日は「ランドリー」に出張です。

齋藤浩三郎商店

大のNBAファンがオーナーを務める、ショップインセレクトショップ。スニーカーに止まらず、ありとあらゆる当時のモノが並ぶ。市場価格を驚くほど下回る貴重な古着にも要注目。以前アウトドアショップに勤めていたオーナーの齋藤さんは外遊び好きで、実はキャンプギアが置かれていることも。掘り出し物だらけな高円寺の穴場です。

SHOP DATA

キャンプギアとは限らない!
どんなものが並ぶかは未知数。

Interview02 by Kentaro Fukuda.

ーさすがにワンタンは扱うんですよね。

福田:さすがにやります(笑)。
いままで卸しとオンラインだけだったんですけど、オンラインってテクニックなんですよ。
売るための手法みたいなのに沿ってやるとある程度いける。

ー発表のタイミングとか重要っていいますもんね。

福田:そうそう。
あとネットだと〈ワンタン〉のことを知らないで買う人って絶対いないんですよ。
でも実店舗だったら、
フラッと入って来て買っていってくれる可能性もあるな
と思ったんですよね。
広がりが生まれるというか。

福田さんの頭のなかでは無限の構想が広がっている…
かもしれない。

ーなるほど。お店の今後のこととかってなにか決めてるんですか?

福田:「あそこはこういう店だよね」って言われないような店にしたい(笑)。

ーカテゴライズされたくない?

福田:ひねくれ者ですからね。アウトドアが軸になってくるんだけど、
その外側にもはみ出していきたいとは思ってます。
個人店っていうのもあるんですが、いい意味で暴れたい。
来る人が“えぇ!?”って驚くようなボケも入れていきたいですね。

ー「齋藤浩三郎商店」さんで、すでにボケてる感じですもんね(笑)。

福田:そうそう。ジョーダン、ジョーダン、ジョーダン、ゴールゼロ、とかそういう品揃え(笑)。

ーちょっとどういうお店になっていくのか楽しみではありますね。
来るたびに違う、みたいな。
この前までがっつりアウトドアだったのに、次来たら本屋さんになってるみたいな(笑)。

福田:そういう感じもいいよね。そもそもアウトドアって広いじゃないですか。
キャンプ、登山、自転車、釣り、いろいろありますよね。
だからこのお店でもその広がりを表現できたらなと思ってます。
アウトドア文脈なのに手つかずの隙間、みたいなものもまだ眠ってる気もしますしね。

ドリップコーヒーを淹れるときは
このバーナーを
使うのか、
と思いきや、
これはディスプレイとのこと。

福田さんは
お店にバイクでやってくる。
ブロロ…という音が聞こえたら
開店の合図。

ーたしかに、ちょっとズラした小物とかはありですよね。
内装含め、まだまだ未完成だけど今後に期待ってことですね。

福田:いや、内装はこれで完成だから(笑)。

ランドリーに隠れた福田さん的
ナイスなアイデア。

愛とアイデアがたっぷり詰まった「ランドリー」。
福田さんみずからが淹れる
スペシャリティコーヒーを楽しめるほか、
焼き菓子やクラフトビールなども販売します。
物販のほうはアウトドアを軸にしつつも、
さまざまなカルチャーの要素を取り入れていく予定。
そこかしこに隠れる粋な演出を3つのポイントから探ります。

Point. 01

未完ではない?
剥しっぱなしの内装。

ピカピカのカウンターとテーブル、
ベンチ以外はほとんど無塗装、無加工。
福田さんに言わせればその方が味わい深く、価値があるのです。
いわば初期状態のこの店は、
これからなんにでもなれるポテンシャルを秘めています。

INTERIOR

コインランドリーだった壁を剥がすと、
さらに以前の易者の店の壁が出現。
これまた剥がすとようやく大元の壁が出てきました。
歴史を感じる施工メモがそこかしこに。

内装工事中、施工員さんが天井から外した蛍光灯を、
こんな風に壁に取り付けて
作業していたのが福田さんの目に止まりました。
そのまま照明として活躍中。

スピーカーにつながるコードがぐるんぐるん。
でも隠しちゃむしろもったいない。

Point. 02

メニューはコーヒー、
オレンジジュースクラフトビール。

開店する日は昼頃に福田さんがバイクでやってきます。
そして夕食前までは開いてる予定。
買い物したり、お茶したり、夕食前に軽く一杯でも。

MENU

実は最高級のコーヒーマシン、エスプレッソマシンが
贅沢に導入されています。

一杯500円(予定)。
カフェでお茶するよりむしろ手頃です。

コーヒーはお店のためにみっちり鍛錬した
福田さんがみずから淹れてくれます。
福田さん自身、ひとに淹れてもらう一杯が
なにより好きなんだそう。

いろいろ冷えてます。
気分で予想外のものがあったりなかったり。

仕事帰り、夕食前にクラフトビールでも。
色とりどりのアメリカンIPAのなかに、
台湾発のクラフトビールが混じっていたりと意外な発見も。

Point. 03

棚にはなにが並ぶか、お楽しみ。

イギリスからわざわざ取り寄せたというアンティークの陳列棚。
キャンプギアでも小物でも服でも、なんでも置けそう。
福田さんも“これを売る”と決め切っているものは
基本的にありません。いつどんなものが並んでいるかは、
来てみないと分からないのです。

SHOP DATA

  • Laundry
  • 住所:渋谷区本町6-37-10
  • 時間: 10時ごろ〜21時ごろ
    (サマータイムも考えているので、
    夏はもっと朝早くからやるかも)
  • 営業日:木、金、土、日を予定
  • @laundry_koffiehuis

FILE02 : キシタトモミ

ギミックを
ファッションにした
先駆者、イズネス。

いまではすっかりお馴染みになっている
アウトドアテイストを取り入れたアパレル。
その大元ともいうべき存在が
2001年創業の〈イズネス(is-ness)〉。
当時のウェアを振り返りながら、
今後の展望などをデザイナーであるキシタさんに聞く。

PROFILE

BRAND

〈is-ness〉
ファウンダー兼デザイナー

NAME

キシタトモミ

DATA

1994年に原宿「パーヴ(perv)」のバイヤーに。その後、さまざまなショップのスーパーバイザーを経て2001年に〈イズネス〉を立ち上げる。デザインのほかに音楽活動も行っており、25年続くマンスリーパーティーも主催している。

むしろいまっぽい?
ブランド色全開の
尖ったデザインが光る。

Interview03 by Tomomi Kishita.

ー〈イズネス〉はかなり早いタイミングから
アウトドアをファッションに取り込んでましたよね。

キシタさん(以下、キシタ):ブランドが立ち上がったのが2001年です。
アウトドアを取り入れはじめたのは2002年くらいですかね。

ーその当時、ほかになかったですよね。
アウトドアをファッションにミックスしてたブランドって。

キシタ:そうですね。
当時はロックテイストが全盛期で、ほかと差別化をはかりたくて、
アウトドアを取り入れた感じです。

ーど派手なクレイジーパターンが印象的でしたね。ぼくもたくさん持ってます。

2003年当時のマウンテンパーカ。
ポップなカラーリングが印象的。

〈イズネス〉らしい色とりどりのウェアがずらり。

ー個人的にすごいなあと思ったのが、
ゴアテックス素材を小ロットで使ってたところです。

キシタ:あれは時代もよかったんでしょうね。
「ゴアテックス社」は素材を使う際に厳しい審査があるのですが、
基準はしっかりクリアしていたし、
いまほどアウトドアも盛り上がっていなかったので小規模でもアイテムをつくれたんです。
だから当時はアウトドアで着られる機能を持ったものというのもいろいろあったんですけど、
いま同じことをやろうとしても難しいでしょうね。

いまの時代では
考えられないほど小ロットで
製作された
ゴアテックスシェル。
〈イズネス〉の熱量が伺える。

シンプルなデザイン…
と見せかけて、
なかはしっかり派手に。

is-ness × sierradesigns EZ GEAR JACKET ¥52,800

ーギミックもすごい。
普通のアウトドアブランドじゃ思いつかないディテールが満載ですよね。

キシタ:たしかに。パーツを切り離しできたり、形を変形させられたり、
ちょっと変わった仕様のものも多かったですね。

ーでも、そのギミックがちゃんとアウトドアで使用するときにも機能するものでした。

キシタ:私が海外旅行に行くとき、突然の雨なんかにも対応できて、
ファッション的にもいいというものが欲しかったんです。
旅先だと持っていける服が限られているので、多機能なものにしたかったというのもあります。

ー〈デサント(DESCENTE)〉とコラボしていたウェアなんてすごかったですよね。
ぼくも持っていたんですが、グローブが内蔵されていたり、フードからマスクが出てきたりして。
いまの時代にあってもぜんぜん古くないですよね。

〈デサント〉とのコラボウェア。
よくあるウィンターウェアとはまた違ったゴージャス感がある。

これからもセンセーショナルな
ものが飛び出し続ける。

Interview04 by Tomomi Kishita.

ー最近だとアウトドアテイストのものはどんなのがあるんですか?

キシタ:初期の頃もあったんですが、
「ホーリーマウンテン」というラインを最近リリースしました。

アウトドアファンなら知る人ぞ知る、
「ホーリーマウンテン」ロゴ。
アウトドア的なアイテムにはこのロゴが冠された。

ー懐かしい! 昔のロゴですね。
そういえば最近も〈シエラデザインズ(SIERRA DESIGNS)〉とコラボしてましたよね。
身幅が大きくて、丈が短い、いまっぽいシルエットです。素材は“60/40クロス”ですか?

キシタ:そうですね。
他には〈ジェネラル・リサーチ(GENERALRESEARCH)〉
(※現在は〈リサーチ(…..RESEARCH)〉)の
小林節正さんが1998年に発表された名作、
無数のポケットがついた「パラサイト」シリーズが〈イズネス〉流にリデザインされ、
復刻される予定です。

ーあ、知ってます! めちゃくちゃな量のポケットが付いてるジャケット。

キシタ:そうそう。これです。

肩も胸もフードまでも、
びっしりとポケットで埋まったインパクト大なジャケット。

ー買います。そして全部のポケットにもの入れたい(笑)。

キシタ:どこになに入れたか分からなくなりそうですね(笑)。

ー昔のモデルを復刻するとかはないんですか?

キシタ:いままた懐かしいアイテムをつくってます。次の春夏には出せる予定です。

ーおお、楽しみ! 個人的には、
最先端の素材で〈イズネス〉のギミック満載なアイテムがみてみたいですね!

まだまだキシタさんの構想は止まらない。
これからのアイテムに注目。

SHOP DATA

FILE03 : 小島奉文

スニーカー界にも
押し寄せる
アウトドアの波。

国内のみならず、世界中の名だたるブランドとの
独創的なコラボでスニーカー業界を
牽引する
「アトモス(atmos)」。
ディレクターである小島さんは、
平さんとは専門学校時代の同級生。
最近とくに盛り上がりつつある
スニーカー×アウトドアの構図をざっくばらんに語り合う。

PROFILE

BRAND

「アトモス」
メンズシニアディレクター

NAME

小島奉文

DATA

1981年生まれ。文化服飾学院を卒業後、2001年に「アトモス」の前身である「チャプター」へ。その後、「アトモス」でさまざまなポジションを歴任し、現職へ。2016年に開催された歴代「エアマックス」の人気投票では、小島さんがデザインを手がけた「エアマックス1 アトモス エレファント」が世界一を獲得。

あの頃のぼくらも、
新生代の少年たちも、
リバイバルには目がない。

Interview05 by Hirofumi Kojima.

小島さん(以下、小島):今日は平さんのために一番出しのやつもってきましたよ。

ー(インタビュアー平さん)「アディマティック」だ!
ぼくも愛用してますが、新色もいいですねえ。

2022年3月の復刻以来、
爆発的な人気を誇っている「アディマティック」。
新色は「アトモス」別注であるブルーを皮切りに、
順次発売されていく予定。

小島:「アトモス」のYouTubeチャンネルでレビューも公開しています。

【adidas】ADIMATICの新色登場!atmosTVが最速お披露目&レビュー!!
大好評adidas会もまたまた開催!?-atmos HEADLINE NEWS-Vol.112-

ーぼくら世代だと「アディマティック」を
アウトドアスタイルやストリートファッションで履くのが流行ってましたよね。

小島:90年代にスケート向けにつくられた靴ですが、スケーターは誰も履いてなかった(笑)。

ーこうしてみるとその頃のリバイバルものが増えてきてますよね。

小島:その頃に生まれた子たちから見るとすごく新鮮に映るみたいですよ。

ーぼくら世代からしたら懐かしくてつい買っちゃう。若者にもオジサンにも売れる(笑)。
「アトモス」は最近アウトドア系も多いですよね。

平さんの本日の足元。
アッパーにポーチがついた独特のギミック。
ニューバランス M2002RVA ¥24,200

小島:そうですね。こんど〈グリップスワニー〉とコラボするんですが、
カモ柄のアパレルと、同柄でタープとテントを出します。
それから〈アシックス〉のゴアテックスのシューズも。
キャンプに履いていけるようなやつですね。

ー同じ柄をセットで買っていくひとは多いんですか?

小島:多いですね。とくに海外のひと。
スニーカー好きはコレクティブルなものが好きですからね。

アトモスがまさかの
グリップスワニーとのコラボ。
同柄のテントも発売予定。

オリジナルの
カモ柄のなかには
グリップスワニーの
ロゴがイン。

ーこっちはなんですか? “AQ24”って?

小島:〈TOKYO HEMP CONNECTION(THC)〉の関村さんとのコラボですね。
「AQ24」というのは、永久に24時間一緒という意味で、ファミリーパックを出すんです。
今日は持ってきていないのですが、キッズモデルも同柄で用意しています。

24時間一緒でも快適。
まさにキャンプに
ぴったりなウェア。

ゼブラとヒョウの柄。
アウトドアウェアには
落ち着いたカラーが多いなか、
この派手さが意外と
ウケそうな感じ。

狭く深いマニア向け
だったものが、
広く受け入れられつつある現代。

Interview06 by Hirofumi Kojima.

ーアウトドア系のシューズもけっこうありますが、動きはどうなんですか?

小島:〈ナイキ〉がとくに最近アウトドアテイストのものを出してきていて、
それはけっこう人気がありますね。
スポーツメーカーがアウトドアに参入してきてる感じですかね。
ゴアテックスを使ったスニーカーもだいぶ増えてきました。

ーコロナでみんな夜遊びにいかなくなったのもあって、
アウトドア人口が増えてることも影響してるんでしょうねえ。
ゴアテックスでいうと、「ジョーダン」なんかもありましたが、あれは?

小島:もう売り切れちゃいましたね。

ー結構派手な色のものが多いですけど、そういうのが売れてるんですか?

小島:いや、やっぱりソリッドなカラーのほうが売れますね。
ただうちは靴屋なんで、それだけじゃ面白くないから、
派手なのをあえて置いてるって感じです。

アトモス千駄ヶ谷店には定番だけでなく、
刺さる人には刺さるコアなものもきちんと揃っている。

ー〈オン〉も置いてるんですね。

小島:けっこう売れてますよ。お店もできましたよね。ほかにも〈ホカオネオネ〉とか〈サロモン〉
とかも調子いいですよ。基本街履きしてる人が多いと思うんですけど。

ーアウトドアでも兼用できるっていうのが、お得感もあっていいんでしょうね。

小島:境界線がなくなってきた感じはありますね。

スニーカーのこれまでと
これからを見つめる小島さん。

ーたしかに、それはアクティビティも一緒で、
まったくアウトドアとかやったことない人もいきなりSUPはじめたりしますもんね。
いい意味でアウトドアのハードルが下がっているんでしょうね。

小島:ぼくらのスニーカー文化ともちょっと似てるかもしれません。
昔はマニアのためのものだったのと同様、
アウトドアもガチな人ばっかりだったじゃないですか。
いまはそれがいろんなひとに行き渡ってる感じありますよね。

SHOP DATA

終わりに。

どんな偉大なアイデアも、
元を辿っていくと
個々人の小さな思いつきからはじまっている。
その片鱗が各人の話から伺えました。
今はまだその名を知られていない
小さなアウトドアブランドたちも、
これから一体どうなっていくのやら。
ひとまず我々は「ランドリー」の行く末を
見守っていきますか。

WHAT’S Garage’s

いま来ているビッグなアウトドアウェーブを、
フイナム的にライドしていく本連載「Garage’s(ガレージーズ)」。
アウトドアフィールドで活躍するスタイリスト、平健一さんをナビゲーターにつけ、
気になる場所やものを見つけては西へ東へと足を運びます。

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