父の影響と、環境のこと。
ー 先程、試着されていた〈エーグル〉のジャケットもピンクでしたが、美雨さんは赤っぽい色がお好きですか?
美雨:好きですね。赤とかピンクとかを、よく着てるかな。
ー 〈エーグル〉というブランドはご存知でしたか?
美雨:もちろんです。〈エーグル〉といえばラバーブーツのイメージですね。服はじっくり見るのははじめてでしたが、どのアイテムも、色味がとてもきれい! アウトドアのものをあまり持ってないのですが、これは街でも着たいなって思いました。

ー 〈エーグル〉は街での暮らしも自然の中での暮らしもサポートするライフスタイルブランドなので、他のアウトドアブランドよりも、街で着られるものが多いんですよね。ちなみに美雨さんは、どういう基準で服を選ばれますか?
美雨:友人の展示会が多いですかね。ショッピングに出掛けるというのは、ほとんどなくなっちゃいました。
ストレスが溜まった時はたまにポチったりしていますが(笑)、環境のことを考えると、最近は新品を買うことに抵抗感が出てきて。生産背景であったり、ブランドに携わるひとへの信頼であったり、「お金を出す意義がある」と思えるものを買うようにしているかな。
ー きっかけはなんだったんでしょうか? 美雨さんのお父さま(坂本龍一さん)の影響も少なからずありますか?
美雨:小さい頃から活動を見てきたので、もちろん父の影響はあります。それに最近は、環境問題について意思を持った友人たちからの影響も大きいです。また、私が青春時代を過ごしたニューヨークでは、環境問題と生活が日常的に紐づいているんです。例えば、普段の気温から「温暖化で氷河が溶けてきているよね」という会話から政治のことを論議したり、生活と環境問題すべてが地続きでした。


ー そうした発信を続けるのって、すごく勇気がいることだと思うんですよね。
美雨:自分自身の言葉でメッセージを発信した時に「こんなに心ない言葉をぶつけてくるひともいるんだ」ということに直面して、その時に父がどれだけ勇気を持って腹をくくってやっていたのかを、やっと理解しました。
ー 特に政治のことになると、風当たりも強くなりますよね。
美雨:政治的な発言はSNSのフォロワーがごっそり減ります(笑)。
でも、自分の生活や仕事、文化的なこと、そのすべては政治とも環境とも地続きだと思っているので、いまは自分の言葉で発信しなきゃいけないと思っています。