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ハーフテン カンタベリーは、僕らに何をもたらすのか?
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ハーフテン カンタベリーは、僕らに何をもたらすのか?

昨年立ち上がった〈ハーフテン カンタベリー​​(halfTen canterbury)〉は、昨今のファッションとスポーツの蜜月ぶりを世にまざまざと見せつけた。でも、そこに秘められたポテンシャルは未だ、推し量ることができていない。〈ノンネイティブ(nonnative)〉というブランドを通してファンクショナルデザインを追求してきた藤井隆行さんは、どんな展望を抱いてラグビーウェアの名門から派生したこのプロジェクトに参加したのだろう? そんな疑問に応じてくれた藤井さんからのリクエストが、今まさに日本のトッププレイヤーとしてその名を馳せているプロラグビー選手、山中亮平さんとの対談だった。異なる分野で最前線をゆくふたりが交わす言葉にノーサイドの精神で耳を傾けたなら、きっと〈ハーフテン カンタベリー〉の気になる全容が見えてくる。

PROFILE

藤井隆行
ノンネイティブデザイナー

1976年生まれ、奈良県出身。武蔵野美大を中退後、いくつかのショップのスタッフを経て〈ノンネイティブ〉に2001年からデザイナーとして参加。暮らしや生活様式に焦点を当て、自分らしく生きる人々に向けてグッドデザインのワードローブを提案している。2021年に「ゴールドウイン」との協業により〈ハーフテン カンタベリー〉を設立し、さらなる機能美を追い求めている。

PROFILE

山中亮平
プロラグビー選手

1988年生まれ、大阪府出身。14歳でラグビーを始め頭角を表し、高校3年では全国大会優勝を果たしている。早稲田大学在学時代に日本代表にも選出され、卒業後の2011年からプロラグビー選手として活動を開始。以降は今日まで日本を代表する名プレイヤーのひとりとして活躍し、現在のラグビー人気に大きく貢献してきた。

ラグビー=カンタベリーっていうイメージはみんな持ってると思います。(山中)

ー 今回の対談は藤井さんから「山中選手にお会いしたい」とリクエストを頂いたわけですが、藤井さんはラグビーと元々ゆかりがあったんでしょうか?

藤井隆行(以下藤井):僕の兄がラグビーをずっとやってたんですけど、小さい頃はそのせいでラグビーが嫌いだったんですよ。いつも顔をボコボコに腫らして帰ってくるから。

山中亮平(以下山中):(笑)。

藤井:『スクールウォーズ』世代だったから、“不良が更生のためにやらされてるスポーツ”って印象が当時はすごい強くて。

山中:いや、でもその通りだと思います(笑)。僕は中学からラグビーを始めたんですけど、先輩とかにはヤンキーがいっぱいいましたし。

藤井:力があり余ってる人たちがそっちにいきがちですもんね。

山中:だから怖かったですね。ずっとそういうイメージやったんですけど…。

藤井:それがワールドカップで一気にきれいになって。

山中:そうなんですよ。ワールドカップの後とかは、注目されてるなって自分たちでも感じてました。この前も日本代表の試合があったんですけど。

藤井:僕も観に行きました。トップリーグも以前から何度か観たことがあって。元々ウチに(元ニュージーランド代表の)ダン・カーターと仲がいいニュージーランド出身のやつがいて、それで試合を観に行ったりもしてました。

ー 今回、山中選手のお名前を挙げてくださったのはなぜだったんですか?

藤井:元々インスタを見ていて、ファッションが好きな人なんだろうな、と気にはなってたんです。雑誌で(スタイリストの山本)康一郎さんの連載に出られたりしているのも見かけていたので。

山中:ありがとうございます(笑)。

ー 山中選手はもともと〈ノンネイティブ〉というブランドはご存知でしたか?

山中:もちろん。ただ、僕は体が大きいせいで、“着てみたいけど自分は着られない服”っていうイメージでした(笑)。

藤井:そうか、体格で着られるものが限られちゃうんですね。

山中:はい。着たいブランドとかも結構あるんですけど、サイズの問題だったりで、自分のなかで勝手にシャットダウンしちゃってる感じはあります。ラグビー選手あるあるだと思いますけど。

ー 改めて読者の人にもわかるように、山中選手のサイズスペックを伺ってもいいですか?

山中:身長が188センチで、体重は96とか97キロとかですね。

藤井:スタジアムでお見かけしたとき、山中選手って他のプロに比べてシュッとしてるなと思っていたんですけど、実物を目の前で見るとやっぱり大きいな、って思ってます(笑)。

山中:本当は着たいものもいっぱいあるんですけど…。

藤井:ラグビーのプロ選手ってあまり私服が想像つきにくい気がしてたんです。でも、山中さんは私服もオシャレだなぁって。

ー 山中選手のインスタグラムを拝見してると、〈シュプリーム〉や〈パレス〉とか、ストリートブランドが散見されます。

山中:そうですね。“着れるサイズがある”っていう理由でもあるんですけど(笑)、動きやすいのがいいんで。あんまり肩周りとかがピチッとしてると気持ち悪くなってきちゃうんです。

藤井:ピタピタなのはユニフォームだけでいいんですね(笑)。

山中:(笑)。実際周りの選手の私服を見ていてもストリートっぽい服を着てるやつは多いですね。稲垣(啓太選手)とかもそういうのが好きですし。

ー 今回は藤井さんには〈ノンネイティブ〉ではなく、〈ハーフテン カンタベリー〉のデザイナーとしてお越しいただいているんですが、山中選手はこのブランドのことはご存知でしたか?

山中:去年、松(島幸太朗選手)がモデルやってるのを見たりしてました。「ハーフテン」はフライハーフから来てるんですよね?

藤井:そうですね。“俯瞰で見る”みたいなイメージで付けています。ラグビーのユニフォームって〈カンタベリー〉一択みたいなところがあるじゃないですか? それくらいラグビーには定着しているのに私服ではあんまり想像がつかないなとも正直思っていて(笑)。〈ハーフテン カンタベリー〉は「これなら普段でも着たいです」と言ってもらえるブランドにしたいんです。

山中:〈カンタベリー〉は中学校のときから着てますからね。ラグビー=カンタベリーっていうイメージはみんな持ってると思います。

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