PROFILE
高校生のときに留学したオーストラリアでFPSに魅了され、スマホゲームの「荒野行動」のリーグ大会で優勝を飾る。大学在学中に起業して「FENNEL」を設立し、同名のチームを牽引。「荒野行動」「エイペックスレジェンズ」「フォートナイト」「モンスターストライク」の4タイトルで開催される大会「FFL(FENNEL FRIDAY LEAGUE)」も運営する。
目標をクリアしてステップアップを繰り返す。
ーいまやプロプレイヤーとして活躍されていますが、子どものころからゲームが大好きだったんですか?
いや、それが全然で。中学生のとき、「コールオブデューティ(Call of Duty)」を少しだけプレイしていたんですけど、野球やラクロスに熱中していて、ゲームをする時間がほとんどありませんでした。
―ではゲームにハマったきっかけは?
高校のときにオーストラリアに留学したんですけど、現地の友達はみんなプレステやXBOXを持っていて、FPS(First-person shooter、一人称のシューティングゲーム)で遊んでいたんですよ。ぼくも一緒にやるようになって、どっぷりハマりました。
―もはやゲーム留学ですね(笑)。
ゲームを通じて友達と話していたら英語が上達したから、よかったです(笑)。でも帰国後は、ゲーム機を持っていなかったから、あまりやらなくなりました。
―なぜ再びやることに?
大学生になって、スマホでできるバトルロイヤルゲームの「荒野行動」がリリースされて。やってみたら、ぼくの好きなタイプのゲームで夢中になりました。
―仏さんは「荒野行動」のトッププレイヤーとして活躍されていましたよね。趣味を超えて、どうしてプロになろうと思ったんですか?
ぼくのモチベーションは成長すること。それを追い求めていたら大会で成績を残すようになって、気づけばプロとして戦っていました。
―結果的にプロになった、と。大学卒業後は、就職するつもりはなかった?
誰かに指示されるより、自分で考えて行動して働きたかったので、会社員になることは考えていませんでした。
―現在、仏さんがプレイしているゲームタイトルは?
いまは「エーペックスレジェンズ モバイル(Apex Legends Mobile)」をやっています。eスポーツはフィジカルのスポーツと違って、種目を転向しやすいんです。自分で掲げた目標に達したら、ほかのゲームに参入しようと思っています。
―新しいゲームタイトルがリリースされたら、まずはやってみるんですか?
そうですね。そのゲームの人気が高ければ高いほど、大会の数は多くなるし、プレイヤー自身の人気も高まります。そして、それに伴って収入も増えていく。プロのほとんどは、人気のゲームタイトルに照準を合わせています。でも、向き不向きがあって、ぼくの場合はバトルロイヤル形式が合っているから、そのカテゴリーに沿って転向していきたいですね。
―練習は、1日何時間くらいやっているんですか?
18時から24時まで、チームで練習をしています。ぼくは短い時間にみっちりやるタイプで、プラス3〜4時間やっているプレイヤーが多いと思います。練習以外の時間は、筋トレをしていたり、他のゲームをやっていたり。
―体も動かしているんですね。
トレーニングはずっと大好きで。ここ数年できていなかったんですけど、最近再開したんですよ。
―話は変わりますが、日本のeスポーツシーンの現在は、いかがですか?
すごくおもしろくなってきています。10年後に予想していた未来が、今年1年で達成された感がありますね。世界に勝てないと思っていたゲームタイトルで日本のチームが入賞したり、オフライン会場に1万人集客したり、すごく盛り上がっています。
―プレイヤーやファンの増加を実感していますか?
もともとeスポーツは、ゲーム業界のなかの小さなコミュニティで、あまり注目されていませんでした。でも、いままで大会にあまり参加しなかった人気のストリーマー(配信者)が出場するようになったことで、より多くのひとがeスポーツに興味を持ってくれました。ストリーマーが勝つために練習して、競技的な側面があることを広めてくれたのが大きかったです。
―eスポーツの観る楽しさが広まったということですね。
例えばサッカーで、ワールドカップの試合を素人が観ていても、細かいテクニックは分かりにくいじゃないですか。でも、実況と解説がいるから、理解できる。それと同じで、ストリーマーがeスポーツの細かい部分を噛み砕いて説明してくれたから、楽しく観るポイントが理解され、eスポーツへのリテラシーが高まりました。
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