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香りから生まれる新たなインスピレーション。
Inspired by LE LABO

香りから生まれる新たなインスピレーション。

香りというものはとてもパーソナルなもの。それは、自身を印象付ける鏡という側面もあれば、気分転換になることもあり、過去の記憶を呼び覚ますこともあります。では、そんな香りからクリエイターはどんなインスピレーションを受け、何を思い描くのだろう。ニューヨーク生まれの〈ル ラボ(LE LABO)〉の香水と、東京に暮らす3人のクリエイターの話。

用途で変わる音と香り。

PROFILE

Mars89
DJ、プロデューサー、コンポーザー

東京を拠点に活動するDJ、プロデューサー、コンポーザー。2018年にブリストルのレーベル「Bokeh Versions」からリリースした12インチで世界的な注目を集める 。〈アンダーカバー〉のショーで音楽を担当したり、田名網敬一のドキュメンタリーフィルムや、〈ルイ・ヴィトン〉の広告で音楽を手掛けたりと、多方面に活躍中。
Instagram:@mars89.unlimited

ーMars89さんのキーワードのひとつに“都市”という言葉がありますよね。

Mars89:無意識的なテーマではあるんですが、実際に好きな曲は都市生活で鳴るのにぴったりの音楽が多いんです。都市生活者向けの音楽に自分が救われつつ、自分も都市生活者だから、そういう音楽を多めに選んだりつくったりします。

ー以前、どこかの記事で「音楽で空間をつくる」というような発言をされていました。空間と音楽の関係性をどう捉えているのか教えてください。

Mars89:分かりやすい例でいえば、映画のなんでもないシーンでも、そのときに流れているBGMで主人公の情景や感情、ストーリーの流れがなんとなく伝わったりするじゃないですか。そうやって背景のストーリーを音楽がつくり出すことができると思うんですよね。それがクラブでも、その空間にいる人をどんな状態に連れて行くことができるだろうかと考えながら選曲しています。もちろん、照明などの他の要素と合わさってこその空間演出ですが。

ー曲をつくるときに、普段よりも何か熱心にやることはありますか?

Mars89:日常的に本を読んだり、映画を観たりはするんですが、曲をつくるモードだと、映画や本のストーリーやプロットというよりも、演出や世界観の方に意識を向けることが多いかもしれません。

ーそういった作品では、どんなジャンルがお好きですか? 過去には『AKIRA』などはマスターピス的な作品として挙げられていました。

Mars89:映画だとSFやホラーがずっと好きです。本だとウィリアム・ギブスンやフィリップ・K・ディックとか、近未来が舞台のいわゆるサイバーパンクものが一番好みかな。あとはあまりスケールが壮大じゃない方が好きですね。その方が自分に引き寄せて考えやすいので。

ー普段から現代社会の苦しみや新自由主義の冷酷さなどに対しても意識的に発言されていますよね。そういう考えと音楽を鳴らすということは何かつながりがありますか?

Mars89:いわゆる新自由主義の価値観だと、売れることが大事になってくるわけです。なにかをつくると、それはなにかの役に立つの? なにか価値があるの? とか、生産性があるかどうかを言われてしまう。でも、そういう意味での価値のなさというのが逆にいいなと。曲をつくるモチベーションもそうだけど、自分にしか価値がないということで十分。あとは、リスナーに委ねて、何か価値をそこに見出してくれるひとがいれば、嬉しいくらいで。

ーそういう視点に立つと、言葉に縛られないダンスミュージックこそ自由なのかもしれないなと。

Mars89:ダンスミュージックには解放の力があると思います。なかでも個人的には低音を重要視しています。何て言ったらいいんだろう…、クラブだと特にそうなんですけど、低音の持つ力はすごいなと。耳じゃなくて体にくるし、圧倒的な力も感じる。昔、じゃがたらというバンドの江戸アケミが「救われたいんだけど、宗教じゃなくて、音楽で救われたい」みたいなことをいっていて、それに近いのかもしれない。

ー日常の辛いことを、音楽を聴いて忘れることも一つの救いに近いのかもしれないですね。

Mars89:あとは、映画なんかを観てカタルシスを得ることがあるじゃないですか。それに近いことを低音が持つパワーならできるんじゃないかなと。大音量の圧倒的なパワーで打ちのめされることは、気持ちいいんですよね。

ー今回、〈ル ラボ〉の店舗で悩みに悩んで「THÉ NOIR 29」を選んでいただきました。

Mars89:普段は自分の気持ちを鼓舞したいようなときに香水を使うことが多く、シダーウッドやムスク系の香りなど、癖が強い香りを選ぶんですが、この香りは総合的なバランスがいいので、デイリーに使いたい香りとして選びました。なんでもない日にちょっとだけアゲる、みたいな感じとして使いたいなと。

ー「NOIR」は黒という意味です。香水に寄せてくれたのか、黒いネイルが似合ってますね。

Mars89:たまたまではあるんですが、黒は落ち着くし、一番好きな色なんです。

ーMars89さんには、香りをインスピレーション源にしてプレイリストをつくってもらいました。



Mars89:普段の生活をちょっとアゲる感じで、日常の中で聴いてポジティヴなエナジーを得てもらうためのBGMです。いつものクラブ寄りのプレイリストとは違いますが、この香りを選んだときのモチベーションにどことなく相通ずる楽曲を選びました。

ー普段のDJでは、ベースミュージックが中心ですよね。DJとプレイリストで、選ぶときに差はありますか?

Mars89:何を通して鳴らすのかは考えますね。DJのときはクラブにある、あのでかいスピーカーから音が出たときに、力強いかどうか。プレイリストは家で聴いてもらうことが多いだろうし、家のスピーカーやイヤホンで聴いていい感じの曲がいいなと。

ーヘビーなクラブミュージックのイメージの強い、Mars89さんの新しい側面を感じました。

Mars89::Goldieの「Inner City Life」、M.I.A.の「Paper Planes」、Massive Attackの「Safe From Harm」など、日常生活のBGMとして、聴くと元気が出るプレイリストになっていると思います。

〈ル ラボ〉THÉ NOIR 29 ¥25,850[50ml](ル ラボお客様相談室)
ドライな中に爽やかな甘さを併せ持ち、奥深き香りの「THÉ NOIR 29」。ブラックティーをベースに、ベルガモット・フィグ・ベイリーフの爽やかさと、シダーウッド・ベチバー・ムスクのスパイシーな甘さが包み込みます。Mars89さんがラベルに入れたメッセージは「universal basic income☺︎」。

INFORMATION

ル ラボお客様相談室

ホームページ
電話:0570-003-770

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