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香りから生まれる新たなインスピレーション。
Inspired by LE LABO

香りから生まれる新たなインスピレーション。

香りというものはとてもパーソナルなもの。それは、自身を印象付ける鏡という側面もあれば、気分転換になることもあり、過去の記憶を呼び覚ますこともあります。では、そんな香りからクリエイターはどんなインスピレーションを受け、何を思い描くのだろう。ニューヨーク生まれの〈ル ラボ(LE LABO)〉の香水と、東京に暮らす3人のクリエイターの話。

都会の雨と山の雨。

PROFILE

熊谷富士喜
kearnyデザイナー

1985年、神奈川県生まれ。大学卒業後にセレクトショップへ入社し、企画、営業、バイヤーに携わる。ヴィンテージアイウェアに魅了され、2013年に〈カーニー(kearny)〉を立ち上げ、2021年には待望の直営店「sost.」をオープン。祐天寺のショップ「feets」と「steef」のオーナーも務めている。
Instagram:@fujiki_kumagai

ー〈カーニー〉のフレームは、一般的なアセテートではなく、セルロイドのものが多いですよね。

熊谷:レーザーカットで加工できるアセテートとは違い、加工しにくいセルロイドのフレームは、職人が手間暇かけて手づくりしています。セルロイドの利点としては、コシがあって、 テンプルに芯を入れる必要がないので、軽く柔らかいメガネがつくれます。だから、顔へのフィット感がいいし、かけていても疲れにくいんです。

ー機能的でもあるんですね。美しさという面ではどうでしょうか?

熊谷:もともとセルロイドはコットン由来で、深みのあるいい色が出ます。たとえば、黒は漆のように磨けば磨くほど色が深くなっていくんです。

ー〈カーニー〉はデザインもかけやすくて、日常使いにぴったりですね。

熊谷:自分はクラシックなデザインが好きなので、奇をてらったデザインはできないし、したくないんです。意識としては、服への合わせやすさなどのファッション面が50%、残り50%は実用面かなと。どこのものかわからないけど、 いいものをつくりたい。だから、目立つようなブランドロゴも入れていません。

ーこのお店「sost.」は、コンクリートの打ちっぱなしと赤茶色の什器の対比が印象的です。

熊谷:知り合いの建築士に相談したんですが、ぼくから一つだけ、メガネに大事な光をどう入れるかというテーマだけは投げさせてもらいました。この赤茶色は、群馬の赤土を使った左官仕上げです。メガネをモチーフにして曲線をふんだんに取り入れていたり、棚の中の敷いている紙に和紙を使ったりと、控えめに和の要素を入れています。

ー今回、〈ル ラボ〉 で選んでもらったのは「BAIE 19」という香水です。

熊谷:“長い間日照りが続いた後の最初の雨に伴う独特の香り”を表現しているというコンセプトに惹かれました。実は〈カーニー〉でもオリジナルの香りをつくっています。香水ではなく、お香タイプのものですが、その香りが雨と関係があるんです。〈カーニー〉をお願いしている職人さんたちがいらっしゃる福井県を初めて訪れた際に、 土砂降りの雨に見舞われたんですが(笑)、そのときに感じた山の雨の香りをモチーフにしました。初心を忘れないように、という自戒も個人的には込めています。

ー雨というつながり。偶然ですが、すごくしっくりきますね。

熊谷:でも、同じ雨といっても、「BAIE 19」の雨の香りは都会的だと感じました。ニューヨークで生まれたブランドだからかなと想像したり。一方、〈カーニー〉の香りは、都会で自然を感じる香りとして山の雨を意識しています。都会の雨と自然の雨、そういう違いですね。

ー「BAIE 19」をインスピレーションにして、スタイリングを組んでもらいました。

熊谷:普段からそのブランドがどこで生まれたのかは大事にしているので、〈ル ラボ〉はニューヨーク生まれと聞いて、雨のニューヨークのイメージが浮かびました。ということで、ジャケットの中に〈AIR GARMENTS〉というブランドのM-65ジャケットを着ています。 これは、エアバッグの素材を再利用していて少しの雨なら大丈夫。日本のブランドだけど、形はアメリカが生んだもの。日本でつくられたこの形の服をアメリカに逆輸入的に着ていくのもいいなと。

ーボトルのラベルに入れられる23文字のメッセージには、「Rain&Eyewear」と入れられています。かけているメガネにも意味が?

熊谷:普段から使っているものです。レンズの色が雨と関係していて、雨など空が曇っている時にちょうどいい色味なんです。可視光線の透過率がよすぎると眩しいし、濃すぎると視界が暗くなる。 一般的に、曇りや雨の日は緑色や黄色が見えやすいと言われています。その2色が混ざった色で、もともとお茶の色をそのまま使ってます。実は雨の日でも、紫外線対策はした方がいいんですよ。

ーでは、ニューヨークに行ったら、この格好でどこに行きましょうか?

熊谷:ジャズが好きなので、やっぱりジャズバーに行きたいですね。ジャズバーという場所にはドレスコードもないし、ラフな格好でもぜんぜんいいんですが、気分としてはジャケットを着ていきたい。 それもあって、上にジャケットを羽織って行って、お店に着いたら中のM-65を脱ごうかなと。ニューヨークはまだ未訪問なのですが、雨のニューヨークでジャズバー…、いつか実現するといいなと。

〈ル ラボ〉BAIE 19 ¥25,850[50ml](ル ラボお客様相談室)
「BAIE 19」が表現したのは、“長い間日照りが続いた後の最初の雨に伴う独特の香り”。ジンの香りとして知られるドライジュニパーベリーや、スモーキーな甘みのパチュリ、爽やかなグリーンリーフが広がった後、温かみを感じるケイドとムスクが香ります。熊谷さんがラベルに入れたメッセージは「Rain&Eyewear」。

INFORMATION

ル ラボお客様相談室

ホームページ
電話:0570-003-770

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