2022年、どうでした?
ーでは、去年を振り返ってもらいつつ、2022年のベストバイを教えてください。西野さんからどうぞ。
西野:名古屋に「ニートハウス」ができたんですが、オープンは今年入ってからだし、去年は会社として大きなことといえば、事務所移転以外は特になくて…。人の出入りはありましたね。12月に2人辞めてます。そのうちの一人が去年末の12月27日の最終出勤日に辞めたんですけど、電話がかかってきて、「退職代行です」って。そんなの初めてでしたからね。知ってます? 退職代行。

ー話だけしか聞いたことないですね。
西野:前日までは普通に来てたのに12月27日に来なくて、退職代行の会社から電話がかかってきて、「何々さんの代行でお電話しました」って。しかも、法律的な縛りはわからないですけど、退職代行を通すと、本人とはもう一切連絡は取っちゃいけないと。でも、業務のこととか、退職のこととか、本人と連絡が取れないから大変でした。
ー辞めそうな兆候はあったんですか?
西野: いや、まったく。ぼくはほとんど絡んでなくて、別のスタッフが教育してたんですよ。はたから見ていると、すごく優しくしてたんです。たとえば、サブウェイで買ってくるけど、何か買ってこようか? みたいな。でも辞める何日か前に、みんなで昼飯に行こうとなった時に、その子だけは頑なに仕事をするから行かないって言ってて、これは多分辞めるなって。昼飯行きたくないって、まあまあ末期じゃないですか。
ーたしかに。
西野:別のスタッフも、ぼくらが気を使って誘わないようにしちゃってたから距離を感じていたのかもと。もっと仲よくしてほしかったんじゃないかって言ってましたけど、本人のみぞ知る、で。
ー距離を詰めるか、離すか、難しいですよね。
西野: 本当に人ってむずくないっすか?
中山:たしかに、大士と最近飲むとなったら、人の話ばっかやね。

西野さんのベストバイ:〈モンベル〉海外モデルのダウンジャケット
「日本のメーカーの海外から逆輸入モデルで、たとえるならレクサスですね。この薄さで1000フィルパワーというのが驚きで、価格も4万円くらいと手頃。アメリカで最強のダウンでも900くらいだし、一般的に1000フィルパワーもあるとパンパンのものが多いと思うけど、薄くてパッカブルになるんです。海外モデルだからか、形も大きいし、色も国内モデルと違うトーンでいい。やっぱり暖かくて軽いっていいなと」(西野)
ーでは、中山さんの2022年を振り返ってもらいましょう。
中山:年末に帯状疱疹をやりまして、年齢を感じたんですよね。健康のために、そろそろちゃんとやらなきゃあかんぞと。大きく体調を崩したのが就職して初めてだったんですよ。とにかく、それがすごいショックでした。

ー帯状疱疹の原因はわかっているんですか?
中山:いや、ストレスでしょうねと。自分ではあまり感じてなかったんですけどね(笑)。40歳手前にして体調を崩す人、多いですよね。あとは、なかなかストレス発散がしにくい状況でしたよね。公私問わず、コミュニケーションを我慢する時期だったけど、去年後半は少しずつ解禁されてきてよかったなっていう思い出もあります。
ープライベートで、特別思い出に残っていることはありますか?
中山:なかったですね。でも、なんもなかったのがよかったかなって。

中山さんのベストバイ:〈クラークス〉のウィーバーブーツ
「ここ最近は、ローカットタイプしかないウィーバーですが、少し高さのあるクラシックなブーツ型を、〈アーバンリサーチ ドアーズ〉の国内エクスクルーシブとして発売しました。ブラックとメイプルの2色展開です」(中山)
ーでは、宮本さんの2022年は?
宮本:去年後半に自分も体調崩しちゃって、それがきっかけで、食生活を変えて、ファスティングをやり出したら、8kgぐらい痩せたんですよ。
西野:酒をやめたのも去年だしね。
宮本:やめるというかね、なんかあんまり体が求めない。いまはそのゾーンというだけでね。

西野:昔の宮本さんって、土日の午前中に会ったら、たいていビール買ってたよ。
宮本:買ってた。去年一番の大変化としては、子供が生まれたんですけど、そこから習慣がいろいろ変わりましたね。それにかけてショールームの引っ越しを。12月27日に引っ越ししました。
西野:ぼくらが退職代行の電話がかかってきた時には、宮本さんは引っ越してたんだ(笑)。
宮本:(笑)。原宿に引っ越したんです。16年前に上京したときに働いていたのが原宿だったんで、戻ってきたというか。場所ってご縁だから、自分の力ではどうにもならない。タイミングとかもあって、またここに来れたんだなって感慨深かったですね。このファッションの街で、いろいろと面白いことをやる年にしたいなと。

宮本さんのベストバイ:〈レイ〉のアロマディフューザー
「電池や電源で動くと思われがちですけど、ロウソクの熱源だけで風をつくりプロペラが回ってアロマが香るんです。打ち合わせの時に使うと、音楽を流してなくても、これが空気を回してくれるから成り立っちゃう。また、その周辺だけしか香らないものも多いけど、これは空間全体にやさしく香りが行き渡ります。発明家のナガトヤスユキさんというこれまで世界中で散々人のために発明をしてきた人が、これからは自分の発明を100個つくりたいということでつくった第一弾目。企画、開発には詩人の菅原敏さんも加わっていて、詩集と連動した『森を泳ぐ』という素敵なネーミングのアロマもあり、毎日使うくらい気に入ってます」(宮本)