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渋川進の夜でも部屋でもシャングラス。vol.02 長谷川くん、セパバスどうですか?(後編)
Midnight Sunglasses at The Room

渋川進の夜でも部屋でもシャングラス。vol.02
長谷川くん、セパバスどうですか?(後編)

現代美術家作家として活動する加賀美健さんがディレクションするファッションブランド、〈セパバス(SEPARATE BATH & TOILET)〉。スタイリストの長谷川昭雄さんをゲストに迎えての対談は今回で最終回。人気ブランドになるには、どのように成長していけばいいのか? その行く末について、ふたりでアイデアを出し合います。

ファンの人たちが愛をもってくれることがいちばん大事。

長谷川: 見ていて思うんだけど〈セパバス〉って、〈アダルトオリエンテッドローブス(ADULT ORIENTED ROBES)〉とちょっと似た雰囲気あるよね。デザイナーの弓削さんも80’s大好きだし。

加賀美: 服は普通なの?

長谷川: 服はすごく大きくて、セットアップとかもあるよ。

加賀美: 80年代の服ってやっぱりすごくおしゃれなんだよね。当時の番組とかを見ながら芸能人の衣装をチェックするんだけど、やっぱりいいもん。だけど80年代って今の若い子たちからしたらすごい昔でしょ。90年代も結構古い時代じゃん。また80’sブームとかって来るのかな?

長谷川: 80年代のあの感じって、俺らの世代に染み付いているところはあるよね。

ー最近は“Y2K”というキーワードで、2000年代のものが取り沙汰されていますよね。

長谷川: ファッションは若い子たちのものってなってるけど、日本は少子化が進んでいるから、実際に最新のトレンドを楽しんでいる人ってすごく少数派な気がするんだよね。むしろ、もっと大多数いるおじさんたちの話をしないのは、なんでだろうって思う。

加賀美: この前、とあるアパレル企業に打ち合わせに行ったんだけど、60代前後の女性たちが集まってて。どうやらそうした世代に向けたブランドの展示会をやってたらしいんだよね。たしかに考えてみれば、おしゃれに興味があって時間もあって、お金もあるんだろうね。

長谷川: だんだんそういう時代になっていくと思うよ。老舗のストリートブランドも、スタート当初は若い人たちに向けたデザインだったけど、やっぱりだんだん当時描いていた像とは違ってきていると思うし。

ーいわゆる40代、50代の人たちがコア層になっているということですよね。

長谷川: そうそう。人口的にね。

加賀美: だからファストファッションが売れているのかな。みんな着てるじゃん。

長谷川: 買いやすいんだろうね。おじさんになるとわざわざ探したりとか、買いに行くとか、そういうのが面倒になるだろうし。

ーそもそもブランドってどうやったら売れるんですかね?

加賀美: 俺が知りたいよ!(笑)

一同: (笑)。

加賀美: やっぱり誰がやってるかが重要なのかな? 純粋に服の魅力だけで売れてるブランドって少ないと思う。服だけを見て判断できる人がたくさんいたらいいけど、それができないから、他の情報をキャッチしてジャッジするんでしょ。だから「この服いいね」って最初に紹介した人が肝心というか、その人が誰かっていうのが重要になってくる。

長谷川: あと、最終的にはファンがいるかどうかだよね。カガミくんはやっぱりファンが多いし、その人たちが愛をもってくれることがいちばん大事だよね。じゃないとブランドは続かないと思う。

加賀美: そうだよね。ブランドって難しいなぁ。

長谷川: アート周りのお店で扱ってもらうとかはどうなの? そこに来るお客さんたちに刺さりそうだけど。

加賀美: そういうアイデアもあったんだけど、もうちょっと地道にやるのもいいんじゃないかっていう話でまとまったの。結局、俺は天邪鬼だからさ。

長谷川: 俺もそうだからわかるよ。水瓶座ってそうなんだよね(笑)。人に「こうしたらいいんじゃない?」って言われると、逆のことしたくなっちゃう。

加賀美: そうそう!「加賀美さん、この前のあれよかったですよ!」って言われると、普通ならそれを続けると思うんだけど、また新しいことやらなきゃってなる。褒められるのはうれしいんだけどね。

長谷川: 褒められたいけど、褒められすぎるとちょっとね。

加賀美: でもけなされたら当然腹が立つ。もう本当に面倒臭い人間なんだよね(笑)。

ーだけど、そうした感情が生まれるからこそ続けられるところもあるんじゃないですか?

加賀美: 本当にそうだと思う。行ったり来たりだよね。

INFORMATION

SEPARATE BATH&TOILET

https://sepabath.com/

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