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エディストリアルストアが提案する、サステナブルへのはじめの一歩。
LIVE STOCK MARKET IN SHIBUYA

エディストリアルストアが提案する、サステナブルへのはじめの一歩。

スタイリストの小沢宏さんがオープンした「エディストリアルストア(EDISTRIAL STORE)」が、めでたく1周年を迎えました。それを祝して、お店がある長野・上田を飛び出し、渋谷パルコにて「LIVE STOCK MARKET IN SHIBUYA」が開催されます。もちろんそこにはさまざまな仕掛けがあるのですが、注目すべきはZOZOTOWN上のブランド古着のファッションゾーン「ZOZOUSED」が、ポップアップストア「LIVE STOCK MARKET with ZOZOUSED」を出店すること。ポップアップストアではファッションの世界で活躍するクリエイターたちが商品をキュレーションし、それぞれ目利きで選んだアイテムをピックアップしているのだとか。今回はその魅力を知るべく、小沢さん、「ZOZOUSED」のディレクターである島村龍也さん、そしてゲストディレクターのひとりである「ロンハーマン(RON HERMAN)」のウィメンズディレクター・根岸由香里さんに、イベントの見どころについて語ってもらいました。

  • Photo_Shinji Serizawa
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yosuke Ishii

売ったというよりも、「お得に買った」という体験。

ー「ZOZOUSED」もスタートから10年ということで、いちはやく“循環”というキーワードを意識されていたんですか?

島村:「ZOZOUSED」がスタートした当初は、環境負荷などが声高に叫ばれている時代ではありませんでした。そもそも持っている服を手放すという行為自体、そんなに一般的ではなかったと思うんです。ぼくたちがこの事業をはじめたのは、根本的にはファッションを楽しむ選択肢を広げていきたいという想いからなんですよ。二次流通があることによって、モノの価値の再定義がなされていって、また新しいファッションの楽しみがあるんじゃないか? ということを提案したいんです。

個人的には、ブランド古着が入り口になって、そのブランドの魅力を知ってもらう、好きになってもらうという体験もすごくいいことだと思うんです。ぼくも学生時代に古着を利用して憧れのブランドの服を手に入れて、やっぱりすごく満たされたんです。それで勇気を出して直営店に足を運んでみたりもして。

ー魅力的なきっかけになったわけですね。

島村:そうですね。「ZOZOUSED」では「買い替え割」というサービスも提供していて、過去にZOZOTOWNで購入されたアイテムを下取りして、その金額分を次の新品商品購入時にその場で値引きしているんです。服を手放すという行為がポジティブなことに変換するために、売るというよりも“買う”という行為にフォーカスを当てていて。売ったというよりも「お得に買った」という感情が生まれると思うんですよ。そうしてワクワクする気持ちや体験が残るように、サービス設計もしっかり考えて、手放す商品の発送手続きも簡易的にできるようにしていますね。

ー商品を購入するとき以外もそうした下取りができるとよさそうですよね。

島村:着なくなった服を好きな時にZOZOTOWNのポイントと交換できる「いつでも買い替え割」というサービスもあります。「買い替え割」と「いつでも買い替え割」で下取りをする際はこのリユースバッグをお客様さまに送っているのですが、この袋に下取りするアイテムを入れていただいて、配送業者さんに集荷してもらうだけで完了するようになっています。

小沢:すごく簡単ですよね。

根岸:生地が少し摩れているのは、何度も使っているからなんですか?

島村:そうですね。劣化して使えなくなるまでは、基本的にはすべて再利用していて。もちろん、倉庫に届いた時点でクリーニングもしています。ぼくらのビジネス自体がサステナブルという文脈で語ることができると思うんですが、こうした資材ひとつを取っても、ちゃんと繰り返し使うことが大事かなと思っていて。

小沢:うまくできてますね。サステナブルな観点で、「エディストリアルストア」もショッピングバックを置かないと決めていたんですよ。それでこのバッグをつくって売っているんですけど。

ーどんなところに特徴があるんですか?

小沢:お店の商品を探しにいろんなメーカーを訪ねるんですけど、服が余っている一方で、生地も余っているところがあって。そうした残反は、お金を払って業者に回収してもらっているそうなんです。それはもったいないということで、ぼくが引き取って、その生地を使ってショッピングバッグをつくったんです。長野のシャツ工場で縫ってもらっているんだけど、シャツって縫うと、リボン状に生地が余ってしまうそうなんですよ。これをつくりたいと相談しに行ったときに、それを知って、じゃあそれをスピンドルとして利用しましょうということになって。あとルーパックって知ってますか?

根岸:知ってます。ポイントが貯まるシステムですよね。

小沢:そうそう。エコバッグが世の中にあふれてしまって、エコなのかどうなのか、本末転倒な自体が起きちゃったでしょう。これはひとつのバッグを長く使いましょうということで、それぞれにチップが入っていて、買い物をしてスキャンをすると、バッグにポイントが貯まるシステムになっているんですよ。そのポイントは、自分がサポートしたい環境団体に寄付できるようになっています。バッグの材料費はお金がかかっていないので、運送費や縫製の工賃、あとルーパックのシステム料など、かかったコストの値段で売っていますね。

INFORMATION

LIVE STOCK MARKET IN SHIBUYA

会期:2023年4月28日〜5月14日(日)
場所:渋谷PARCO 3階
住所:渋谷区宇田川町15-1
Instagram:@edistorial_store

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