
PROFILE
2018年に「IDEAS LLC.」を設立。その翌年、自身のブランド〈ユーゲン〉を始動。デザイン会社「IDEAS」のクリエイティブディレクター、デザイナーとして国内外のブランドのデザイン、及び、クリエイティブディレクションを行い、ものづくりの視点からさまざまなリアルクローズを手がける。22年、〈アンフィーロ〉のメンズデザイナーに就任。
instagram:@masatokoyama7, @ideas.design_studio,
@heugn_official
PROFILE
原宿の人気サロン「BRIDGE」の店長を経て、自身のお店「CASI」を中目黒にオープン。ヘアスタイリストとして活躍する一方、Youtubeチャンネル「NAMIKAZU」では自身のライフスタイルと共にファッションや美容に関する情報を積極的に発信する。
instagram:@casi_namiki
Youtube:@NAMIKAZU
デザインを細かく描きたい。
ーまずはじめに〈アンフィーロ〉はどんなブランドなのか教えてください。
小山: 「動く。すべての人に、機能美を」をコンセプトに掲げたブランドで、生地は機能素材を使っています。それをいかに美しく仕立てるか、ということにポイントを置きながら、着る人が輝くような服をつくるように意識しています。スポーティな服というよりは、動きやすさときれいなシルエットに重点を置いています。
ー並木さんは今回はじめて〈アンフィーロ〉の服をご覧になられたんですよね。
並木: そうですね。パッと見たときに、ただの機能的な服ではないということが分かりました。

ーそもそも並木さんは小山さんのブランド〈ユーゲン〉がお好きなんですよね。
並木: そうなんです。男の美学みたいなものが小山さんの服には宿っていて、〈アンフィーロ〉にも通じるものがあるなと感じました。
小山: もともとぼくはそういう服が好きなんですよ。〈マッキントッシュ〉とか、〈バブアー〉とか、そういう歴史あるブランドの服だったり、プロダクト感のあるもの。そういう服って、現代では不便だったりもするんだけど、着ると格好いいじゃないですか。そういう男らしさに対する憧れみたいなものがあるのかもしれないですね。だから、自分がつくる服もそういう香りを加えたい。全体のフォルムはもちろん、襟の形とか細かなところも緻密に考えているというか。
ーいわゆるトラッドの世界ですよね。

小山: 前職がそうした男性服の基本的なエッセンスを大事にする会社だったんです。そこでたくさんのことを学びました。ドレスだったり、ミリタリーだったり、それこそトラッドやワークなど、いろんなジャンルの服を基礎から紐解いてものづくりをしていました。
ー小山さんの服は、本当に細部まで緻密にこだわっていると思うんです。さまざまな服に触れてきたことが生かされているのですね。
小山: そうですね。ぼくの場合、少し特殊なのかもしれないけど、デザインを細かく描きたいんですよ。パタンナーさんはすごく嫌がると思うんですけど(笑)。それをすることによって、服の魅力を噛み砕いているというか。それをしないとよさを表現できない。だから「ステッチは何ミリで」とか、いろんなことを細かくオーダーしてしまうんです。
並木: 先ほど、いろいろなトワル(製品化する前に仮の生地で仕立てた試作品)を着させてもらったんですけど、中でもシャツは袖をまくってもシルエットがキレイだったんです。そういうところに小山さんがつくる服の魅力があるのかなと思いました。トラッドでも、ミリタリーでも、ワークでも、クラシックなんだけど、どこか現代的。そこがすごいですよね。



小山: ぼくのものづくりの根底に古いものからインスピレーションを得て、いかに現代的なものをつくるかという考え方があります。〈アンフィーロ〉にも、そうした考え方が詰め込まれていると思います。でも、クラシック過ぎてもミリタリー過ぎてもダメですし、また新しくなり過ぎてもダメだと思っています。お客様が手に取りやすい距離感を保ちながら現代服をつくることが〈アンフィーロ〉で考えていることです。