VINTEGE SHOP 普遍的なものを大切にしながら長く着ていたい。

オーバーサイズのジャケットにヴィンテージのデニムパンツ、そして〈コンバース〉のオールスターを合わせた永久普遍のスタイル。そこにシャツを合わせることで、ほんの少しだけツイストを効かせた。ダイアナ元妃だったり、在りし日のウィノナ・ライダーだったり、自分を確立している女性はこういったシンプルなスタイルがよく似合う。
成海さんが古着好きだと聞いて訪れたのは都内のヴィンテージショップ。穿いているデニムパンツは彼女の私物であるヴィンテージの〈リーバイス〉606。ファッション向けに登場した初期型モデルで、タマ数の少ない希少な一本。想像以上に古着が好きなようです。
「古着は二十歳くらいの頃から好きでよく着てますね。このパンツを見つけたのは2年くらい前。穿いてみたらジャストサイズで即決しました。606は自分の足に合っているような気がしてすごく好きなんです。なかでもこれは何度もリペアするくらいお気に入り。606を穿いて、Tシャツをインしてローファーを履くっていうのがいつものスタイルです。自分の定番を決めるのが好きで、デニムは〈リーバイス〉、靴は〈ジョン・ロブ〉、Tシャツは〈サンスペル〉みたいな感じで着ています。『男の子っぽいね』って、言われるんですが、そうなんですかね?(笑) でも私なりのこだわりです」


定番品といえるアイテムこそ、自分なりのこだわりを追求したい。〈コンバース〉のオールスターは、キャンバスの色がフェードして、やれた表情になっているくらいがいい頃合い。
ヴィンテージスニーカーも品よく履きこなす成海さんですが、プライベートでは無類の〈ジョン・ロブ〉フリーク。6〜7足を所有するほど、偏愛しているそうです。
「自分の足に合っているというか、〈ジョン・ロブ〉のローファーはワードローブになくてはならないアイテムの一つなんですよね。その日の撮影がロケだったり、山奥に行くときでも履いていっちゃいます(笑)。ルーティンというか、いついかなる時も自分のスタイルは崩したくないんですよね」

マイ定番を探し求め、どんな場所や時間であってもルーティンを守り抜く。その合理的な姿勢は、どこかスティーブ・ジョブズを彷彿とさせます。好きなものはとことんまで追求する性分で、Tシャツを古着屋やネットでディグることもあるのだそう。このウディ・アレンのTシャツも成海さんのコレクションの一枚。
「映画Tはよくありますが、映画監督自身がプリントされたTシャツって珍しいですよね。これは衝動買いでした。ほかにもTシャツは結構な枚数を持っていて、やっぱりバンドTシャツが多いかも。最近は小室哲哉さん、TKサウンドに改めてハマっていて、TRFのTシャツを探しています(笑)。でもなかなか見つからないんですよね」

そんな中、この古着屋で見つけた『ロスト・イン・トランスレーション』のTシャツにひと目惚れ。試着するなり「これはやばい!」と満面の笑みを浮かべて、すぐに購入を決めてしまった。“好き”という指針に1ミリも迷いがない。
「端正で美しいものが好きですね。素材で言えばカシミヤだったり、シルクだったり。若い頃はそのときに着たいものを着ることが多かったかもしれないですが、いまはずっと変わらない美しさを持った普遍的なものが好きですね。そういう服を大切にしながら長く着ていたいです。さっきのTシャツもそうしていきたいですね」