FEATURE
あのコは “フイナム女子”。編集部が気になる5人をスナップ&インタビュー
MONTHLY JOURNAL June. vol.2 GIRLS ISSUE

あのコは “フイナム女子”。
編集部が気になる5人をスナップ&インタビュー

カジュアルだけど、洗練されていてヴィンテージなんかも品よく着こなしてしまう。だけど、それが気取って見えない。その一方で、映画や音楽、スポーツの話なんかを朝までアツく語り合えるような、そんな女の子が最近気になっている。彼女らを “フイナム女子” と呼ぶことにしました。
Vol.1の成海璃子さんのインタビューにつづき、今度は編集部が気になる女の子5名をスナップ&インタビュー。それぞれ異なる職に就いてその道を極めているわけですが、全員に共通して言えるのは、そんな自分を飾らずに表現しているところ。きっといちどは話してみたくなる、フイナム女子5人をご紹介します。

No.3 松島かなみ / 理容師 「あなたが切るの?」と言われた不遇の時代を経ていまがある。

PROFILE

松島かなみ

北海道札幌市出身。「北海道理容美容専門学校」を卒業と同時に上京し、東京・神田のヘアサロン「THE BARBA TOKYO」に入社。アシスタントを1年半務めた後、スタイリストとしてデビュー。23歳の若さで「THE BARBA TOKYO B1」の店長に抜擢された。銀座に店を構える英国メンズブランドのバーバーの店長を2021年から務める。
Instagram:@matsushima_kanami

ー松島さんが理容師を目指した理由を教えてください。

高校生の頃、美容師になりたくて、理美容の専門学校の見学に行きました。そこで先生から理容師をすすめられたことがきっかけです。

学生時代から友人の髪や眉を整えることが好きでした。本当は母に憧れて看護師になりたかったのですが、いい面もそうじゃない面も子供ながらに理解していたので、結局そこには踏み込めませんでした。

ー専門学校を卒業後、担任の先生の紹介で「THE BARBA TOKYO」に入社したと聞きました。スタイリストとしてのデビューは異例の早さだったみたいですね。

いまはアシスタントの期間が大体3年なのですが、私は21歳の時、下積み1年半でスタイリストになりました。でもそれから数年は全くお客様がつかなくて、地元に帰ろうと思ったこともありました。

顔も幼いし、身長も低いので「あなたが切るの? 大丈夫?」って言われたり、電話で断られたこともありました。その時は何が悪いのか分からなくて試行錯誤していました。

松島さんの仕事道具。

ーそんな不遇の時代をどのように乗り越えたのでしょうか。

女性バーバーだからこうじゃなきゃいけないとか、アメリカンバーバーの女の子はこうするべきだとか、自分のなかで思い描いていたことが急にどうでもよくなって、力が抜けた瞬間から不思議と結果が出るようになりました。あの悩みはなんだったんだろうってくらいに。実はその前から店長を任せられるようになったんです。

ー23歳の若さで岩本町にある「THE BARBA TOKYO DINE」の店長に抜擢されたそうですね。

当時は会社にひとがいなかったこともありますし、社長はどちらかというと、結果を出してから役職を与えるというよりも、結果を出すための課題だっていう感じで、私に店長を任せたと思います。 「THE BARBA TOKYO DINE」の後、神田の「THE BARBA TOKYO B1」で店長を3年務め、いまは会社が運営する、英国メンズブランドのバーバーで店長をやっています。ここに来てちょうど2年です。

ー今日、松島さんの仕事姿を見させてもらったのですが、ユニフォームの袖から覗くタトゥーにドキッとしました。

これはこれまで自分自身、理容師としてナメられることが多かったので、仕事を本当に愛していることの証として入れました。

体のタトゥーにはそれぞれ意味がありますが、お気に入りは鎖骨あたりにあるツバメで、スタイリストになる前の21歳の時に入れました。最初、彫師の方に体の左右それぞれに入れることを提案してもらったのですが、これがファーストタトゥーだったこともあり怖くて、片方にしました。自分が理容師として一人前になったら、もう片方にも入れようって決めたんです。それで数年後、無事に二羽目を入れることができたので、これは特に気に入っています。

ープライベートに関する話も聞かせてください。休みの日は何をしていますか。

外に出ていることが多くて、友達と会ったり、お酒を飲んだり。買い物も好きです。 服は〈コム デ ギャルソン〉が好きで青山の店とか、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」によく行きます。ファッションは専門学校時代にバイトしていた服屋の先輩たちから影響を受けました。私服はメンズライクな格好が多いですね。

あと、レコード収集も趣味のひとつ。奥田民生さんが「これだけ配信が普及して、モノを持たない世界になっているけど、配信が終わったら聞けなくなるし、見れなくなるから、本当に好きなモノは持たなきゃいけない」って発言しているインタビュー記事を読んで集めるようになりました。歌謡曲、ロック、ジャズ…、特定のジャンルはないけど、好きな曲をひとつ挙げるとすれば荒井由実さんの『ひこうき雲』です。

ーちなみにどのような男性に惹かれますか。

現状に満足しないひと。大人になるとその状況、環境で満足するひとっているじゃないですか。自分もそういうところがあるので否定するつもりは全くないんですが、そうなりながらも新しい道を広げるひとが素敵だなと思います。

顔でいうと、渋い大人がタイプです。俳優のブラット・ピットやキアヌ・リーブス、以前は寺島進さんが好きでした(笑)。

ー最後に今後の目標を教えてください。

バーバーの仕事全般がやっとしっかりできるようになってきたので、それをまわりのスタッフに伝えること。でも固定観念に縛られず、趣味だったり、人間関係をさらに広げることが目標です。

この会社に入って9年目ですが、最初はみんな私が辞めると思っていたはず。そんな自分を一人前に育ててくれたのは社長やその奥さん、副社長です。義理とかお金ではなく、気持ちをすごく大事にするひとたちのなかにいるからこそ、私もその気持ちを受け継いで大切にしていきたいですね。

THE BARBA TOKYO
電話:03-6263-2528
オフィシャルサイト
Instagram:@thebarbatokyo

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