あくまでパンツとしては端正でオーセンティック。間違いなく使えると思いますよ。
ー実際に〈NEAT PARIS〉をどんなふうに穿きたいか。どんな人におすすめしたいか。教えてください。
西野:ぼくは革靴を合わせたくなりましたね。実際、パリにはローファーを履いて行ったんです。普通の〈ニート〉ならルナサンダルみたいなラフなもので合わせたと思うけど、フランクさんに会うっていうシチュエーションもあったからか、普通の〈ニート〉より上品に穿きたい気分になりました。
金子:それは、〈ニート〉でもあるけれど〈ザンス〉でもあるからかもしれないですね。ぼくは振り切って〈ザンス〉の文脈で穿くのがいいと思っていて。自分にとって〈ザンス〉と出会うきっかけになったのは、「エミスフェール(HEMISPHERES)」というウィメンズのお店なんです。そこには、ぼくの師匠のような女性がいて、その人が〈ザンス〉にウエスタンブーツを合わせたりしていて。
西野:日本のお店ですか?
金子:昔、玉川高島屋にあったお店です。ぼくが23歳くらいの時、そこにいたキド・マリコさんという方に出会って、それからずっと頭の片隅で彼女のスタイルを追い続けています。そこでは〈ザンス〉のツープリーツが定番品として展開されていて、〈メレル(MERRELL)〉のトレッキングブーツを合わせたり、アウターに〈グレンマック(Glenmac)〉を着たり、かっこいい女性たちがいたんですよ。ぼくはそのお店で〈ザンス〉を知ったので、〈ザンス〉と言えばツープリーツという感覚がありました。
西野:その合わせ、めちゃくちゃかっこいいですね。

金子:「エミスフェール」のスタイルは、ヨーロッパとアメリカのミックスの走りみたいなものだったので、シャンブレーシャツを合わせたり、ウエスタンブーツを合わせたり、パリのパンツに、アメリカの匂いのするものを合わせたいなと。〈ザンス〉のヴァノーをエミスフェールスタイルで着る。そんな感覚を楽しみたいですね。
西野:最小の36サイズは女性で穿ける方もいると思うので、実際に女性にも穿きこなしてもらえたらいいですね。〈ニート〉の42より、ほんの僅かに小さいサイズ感かなと思います。
ー日本、アメリカ、パリ。いくつかの要素が重なり合っているからこそ、どこを抽出するかで着こなしの幅が広がりそうです。
金子:混沌としていますよね(笑)。でも、パンツとしては端正でオーセンティック。間違いなく使えると思いますよ。
西野:でも、ヴァノーって名前、いいですね。気に入ってきました。
金子:スーパーニートって言ってたの、もう忘れてるでしょ(笑)。いつか〈ザンス〉でも売ってほしいね。気づいたら展示会に出てるとか。
西野:遠い未来、古着屋で誰かが見つけて、復刻するなんてことがあったらいいなって思います。それこそロマンですよね。
