Interview with brand director 時代に合わせた機能をアントラックには盛り込んでいる。

PROFILE
1982年生まれ。2006年、バッグ&ラゲージメーカー「エース」に入社。15年間に渡る百貨店の営業担当やMD担当を経て、現在は〈アントラック〉のブランドディレクターを務める。趣味はNBA鑑賞。
ー今季デビューする〈アントラック〉とは、どういったブランドなのでしょうか?

生本:「アーバンアウトドア」をコンセプトに掲げた、オンとオフをシームレスに繋ぐブランドです。シンプルなデザインの中にある多彩な機能と、ストーリー性を感じる素材選びで、バッグとアパレルを展開していきます。
ーバッグはどういった種類のものがあるんですか?
生本:オーセンティックなアイテムを展開する「シティ」。クロスバイクに乗ることを想定してデザインした「クロスバイク」。アウトドアの機能をタウンユース用に落とし込んだ「アウトドア」。メイド・イン・ジャパンにこだわった「パーク」の4つのカテゴリーに分かれています。これはオフの過ごし方を想定したカテゴリー分けをしていて、いずれもデザインや機能にこだわるのはもちろん、素材選びでも特徴が出るようにつくっています。

ーこのブランドが生まれた背景にある想いを教えてください。
生本:近年、働くスタイルのカジュアル化が進んでいますよね。ビジネスシーンにおいても、スーツがカジュアルなセットアップに代わったり、バッグはバックパックが主流ですし、足元にはスニーカーを合わせることが当たり前になりました。
我々の会社は長いことビジネスバッグをつくってきた歴史があるのですが、そうしたカジュアル化の波に対応しきれていない部分がありました。そこで新しいブランドを立ち上げて、カジュアルな格好で働くひとたちに向けたバッグを提案したいと思ったんです。

ー確かにここ10年でスタイルはもちろん、持ち物も変化していますよね。
生本:そうですね。ノートPCを持ち歩くことは当たり前になっていますし、それに伴ってマウスやバッテリーなどの周辺機器を一緒に持つケースも増えています。その一方で全体的にモノがコンパクトにもなり、持ち物がかなり少なくなっています。そうした時代に合わせた考えを〈アントラック〉にはデザインとして盛り込んでいるんです。
ーたくさんのバッグブランドがある中で、〈アントラック〉ならではの強みはどんなところにあるのでしょうか?
生本:長年ビジネスバッグをつくってきた歴史があるとお話しましたが、その中で培われてきた技術と知見によって〈アントラック〉はつくられています。外見で機能を主張しすぎず、シンプルなデザインは損なわないように、いかに中身の機能を充実させるか。そうしたところにこのブランドの魅力があると思っています。