「鑑賞者がつけいる隙のある写真を」
ー普段からさまざまな社会課題に目を向けているのでしょうか?
Mēdeia1.0:広く浅くというよりは、音楽やファッションと同じように、我々のアンテナに引っかかるものを深く掘るという作業をしています。そうした作業をしていると、どんどん派生的にいろんな情報に辿り着くことができますから。
ーそうすると文脈が生まれますよね。その文脈というものが、文字情報のない写真という媒体を読み解くうえで、すごく大事な要素になると思うんです。
Mēdeia1.0:そう思いますね。ダイレクトな写真、間接的な写真、表現的な写真、ジャーナリズム的写真、世の中にはさまざまな写真があります。その中で〈Mēdeia1.0〉でセレクトしているのは、余白のある写真なんです。
ー余白のある写真というのは?
Mēdeia1.0:簡単に言えば、鑑賞者がつけいる隙のある写真ですね。どうしてこういう撮り方をしているんだろう? とか、ここにはなにがあるんだろう? って考えたりできる余白が残っている写真です。そうやって想像をすることが、いますごく大事だと思うんですよ。
ー〈Mēdeia1.0〉のオフィシャルサイトでは、写真家のインタビューが掲載されています。ああした文章も、写真を読み解くヒントになりますよね。
Mēdeia1.0:世の中にダメだと言われていることってたくさんありますよね。ただ、それが国によってはOKとされていたりとか、基準が曖昧だったりもします。じゃあ、それがどうしてダメなのか。その理由を考えてもらいたいんですよ。写真を読み解くのもそうですが、それよりも考えるきっかけをつくりたいという気持ちのほうが大きいです。
ーそれで余白のある写真を扱い、Tシャツなどのアパレルに落とし込んでいる。
Mēdeia1.0:それを高級なアイテムにはめ込んでしまうと、当初から考えていたニューススタンドやキオスクの役割が果たせなくなってしまう。だから、可能な限り手に取りやすい形で届けようと思っています。我々は〈フォーティー パーセント アゲインスト ライツ(FORTY PERCENT AGAINST RIGHTS)〉の、メディアゲリラという考え方にものすごく影響を受けているんです。
ー〈ダブルタップス(WTAPS)〉の西山徹さんによる、シルクスクリーンのレーベルですね。
Mēdeia1.0:企業ロゴが刷られたTシャツに影響を受けてスタートされたという話を聞いたことがあって。要するに広告の役割を担うようなメッセージのあるTシャツってことですよね。そうした情報の伝え方を〈Mēdeia1.0〉でもしたい。それがファッションにできることなんじゃないかなって思うんです。


ベーシックなキャップに刺繍でシンプルにロゴやメッセージを施すことで、気軽に手に取り世代やジャンルを選ばず被ることができます。ネイビーカラーというのもポイントです。
