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ビームスを着て、どこへ行こう?VOL.2 田中シェン(アーティスト)
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ビームスを着て、どこへ行こう?VOL.2 田中シェン(アーティスト)

「ビームス(BEAMS)」のオリジナルアイテムが、すごく人気です。アメカジのカルチャーから得た豊富な知識と、いまのムードをきちんとキャッチして反映させるデザインセンス。これらを上手にミックスして、現代人の気分にマッチした服をつくっています。その方向性を定めるのがディレクターの吉川基希さん。この企画は、彼がいま会いたいひとをゲストに迎え、「ビームス」の服と一緒にお気に入りのスポットへでかけるというもの。その場所を通して、ゲストのパーソナルな部分に迫ります。
今回登場するのは、アーティストの田中シェンさん。彼女がセレクトしたのは下北沢にあるレコード屋と、ワインショップでした。終始テンション高めのシェンさんに、吉川さんも乗せられノリノリに。気分上々なふたりと下北沢を歩き回りました。

着心地のよさは、コミュニケーションにも影響を及ぼす。

ーつづいて「ペロウ(Però)」にやってきました。

田中:このお店はナチュラルワインが充実しているんですよ。友達がここで働いていて、それがきっかけで来るようになって。マネージャーの森田さんがワインのことはもちろん、食事とのペアリングについても教えてくれるんです。

吉川:ぼく、お酒大好きなんですよ。地元が新潟なので日本酒と、妻が宮崎出身なので焼酎もよく飲みますね。最近、自宅の近くにこういうナチュラルワインを扱うお店がオープンして行ってみたんですけど、すごく美味しかったですね。

田中:吉川さんは白と赤ならどっちが好きですか?

吉川:赤が好きですね。シェンさんは?

田中:私も赤です。深くて重たい系のやつが好きですね。

吉川:ぼくもさっぱりというよりは、しっかりとした味わいのほうが好きですね。シェンさん、強そうですね。

田中:頻繁に飲むほうではないから、しっかりと味が凝縮されているお酒が好きかなぁ。このお店は美味しいワインをいつもサーブしてくれるから、ついつい飲んじゃうんですよ。

ワイン(2022 レジオ ビアンコ)¥935

ー今回は2種類のワインをサーブしてくれるそうです。1本目は中部イタリアの白ワインです。マネージャーの森田さん曰く「皮ごと一緒に漬け込んだ白ワインで、果皮の色が出ている」そうです。

吉川:香りがなんだかスモーキーですね。

ー果皮に香りの成分が含まれるそうで、普通の白ワインよりもしっかりと香りを楽しめるのが特徴のようです。

田中:すごく飲みやすい!

吉川:最近飲んだワインはエチケットにグルグルした絵が描いてあって、飲みながら「グルグル美味しい」ってずっと言ってました(笑)。

田中:会話が小学生なんですけど、大丈夫ですか(笑)?

吉川:それ以外に表現方法がなかったんですよ(笑)。

ーシェンさんはどのくらいのペースでこちらのお店に来るんですか?

田中:時期にもよるんですけど、多いときは週1とか2回のペースで来てたときもありました。サッと飲んで食事に行ったり、友達とここで待ち合わせして、待ちながら飲んだり。森田さんがペアリングの天才で、この食事にはこういうワインが合うっていうのをいつも提案してくれるんです。

吉川:大人な飲み方ですね~。これまであまりワインを飲んでこなかったので、もっと知りたくなります。こういう美味しいワインの味を知ってしまうと。

田中:吉川さんは興味が生まれたら、とことん突き詰めそうですよね。

吉川:そうかもしれません。興味があったら、とりあえずやってみようっていうタイプなので。

ワイン(2020 ロッソ ディ モンタルチーノ) ¥1,265

チーズ ¥880〜

ー2本目はサンジョヴェーゼという品種のブドウを使った中部イタリアの赤ワインになります。

吉川:おぉ! すごいしっかりしてますね。この感じ好きです。

田中:しっかりしているけどしつこくなくて。あんまり残らない感じがいいですね。すごく上品です。

ー吉川さんのスタイリングとワインがすごくマッチしてますね。

吉川:ワイン屋さんに来るということで、大人っぽいスタイリングにしてみました。冬場でも着られるセットアップをイメージして、コーデュロイのように畝のある生地を使ってます。

田中:シルエットがゆるめでいいですね。カジュアルなムードもあるというか。

吉川:ストレッチが効いているので、すごく動きやすいんです。スポーティにも着られるようにデザインしたんですよ。

田中:いいですね! かっちりしすぎていない方が女性としても安心できるかも。すこしだけ緩さがあるほうが、接しやすいです。着心地のよさって、コミュニケーションにも影響を及ぼすんだなっていま思いましたね。私もスカートくらい穿いてくればよかった(笑)。

ー田中さんは「ビームス」のフリースジャケットをピックアップしてくれました。

田中:パッと見たときに、内側のパープルがかわいいと思って選びました。これ、リバーシブルなんですよね。

吉川:これも90年代のアウトドアブランドのアイテムから着想を得ています。ベージュ系のナチュラルな色と、パキッと鮮やかな色の組み合わせが当時のムードを演出してくれるんです。ただ、サイズ感はいまの気分に合わせて大きめにつくってますね。基本的にアウトドアアイテムはカラダを守るために機能を優先すると思うんですが、あくまでファッション目線でアレンジを加えています。

田中:しっかりと基本を知ってからアレンジするというのが大事ですよね。そういう話を聞くと、同じ服でも気分が変わりますね。知っているのと知らないのでは、すごく差があるというか。

吉川:知っているほうがおもしろいですよね。

田中:愛着が湧きますね。思い入れがグッと深まるというか。むかしはファッション性ばかりを気にしていたけど、デザインだけじゃなくて、ディテールのルーツとかも気にすると楽しみが増えますよね。

吉川:そうですよね。ぼくらも服をつくるときに、そうしたことを意識しながらデザインしてます。

田中:そういうエッセンスを、こうしてお酒を飲んでいるときに、ふとした瞬間に受け取ると、なんか得した気分になりますね。

ー今日の下北行脚はいかがでした?

吉川:すごく楽しかったですね! いろんな発見があったし、シェンさんがとても気さくなひとだったので、接しやすかったです。きっといつもそんなムードでいて、周りを幸せにしているんだろうなと。

田中:すごくうれしい! ありがとうございます! やっぱりありのままというか、自然体でいられると心地いいじゃないですか。吉川さんはディレクターで偉いひとなのに、緊張せずにいられたから、すごく広い心の持ち主なんだろうなと私も思いました。そうしたムードがファッションにも表れていて、いい意味で肩肘張っていないから、とても魅力的だなと感じました。

吉川:気負いすぎないのって大事ですよね。

田中:そうそう! 緊張しちゃうから(笑)。

ー最後に、今後「ビームス」に期待することはありますか?

田中:中学生のときに地元で「ビームス」のショッピングバッグを持っているひとを見かけると、「あのひとおしゃれだな」って心の中で思ってて。あのバッグを持って歩いていることが、ある意味ステータスなんですよね。そういう憧れのお店なんです。だけど、一方では身近な印象もあって、その振り幅の広さが魅力だと思うんです。これからも、そういう存在であって欲しいですね。

吉川:ありがとうございます! 自分も10代の頃、「ビームス」の袋を持っているひとをおしゃれだなって思っていました。いまは逆の立場で、憧れをつくる側のポジションになっても、当時の気持ちを忘れずにいますね。最近は若い世代のスタッフも増えてきたので、彼らと一緒に、次に繋がるようにがんばっていきます。

Però 下北沢

営業時間:15:00〜22:00(月〜土)、13:00〜19:00(日祝)
定休日:木曜日
住所:東京都世田谷区北沢3-19-20 reload 1-13
公式Instagram:@pero_shimokita

BEAMS OCTOBER LOOK

2023-24AWシーズンは、昨シーズンに続き “Y2K” のムードを踏襲。90年代後半から2000年代のトレンドを再評価して、〈ビームス〉流アメカジの世界観を作り上げている。当時の最新テクノロジーを取り入れたデザインや素材、近未来的な思想から着想を得ていて、カラーはテクニカルで都会的なグレーやブラック、ニュアンスの効いたモカやナチュラルなどを採用している。

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INFORMATION

BEAMS 23AW COLLECTION

公式サイト
Instagram:@beams_official, @beams_mens_casual