PROFILE
1973年東京都生まれ。服飾学校には通わず、独学で洋服作りを学ぶ。株式会社ネペンテスで企画バイヤーなどを経た後に独立し、1996年11月にKOOKS CO.,LTD. を設立、〈NUMBER (N)INE〉を発表する。2001年秋冬シーズンより東京コレクションに参加し、2004年秋冬シーズンよりパリ・ファッション・ウィークに参加。2009年2月20日、2009年秋冬シーズンを最後に〈NUMBER (N)INE〉を脱退、解散を発表する。2010年7月、デザイナーとして再スタートを切る〈TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.〉の2010年Winterコレクションを展示会形式で発表。2011年9月9日には青山に〈TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.〉初のストア「grocerystore.」(現在は「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.AOYAMA」に改称)をオープンさせる。2018年春夏シーズンには〈TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.〉として初のランウェイショーを東京で発表し、2018年 1月には第93回Pitti Immagine Uomoのメインゲストデザイナーに選ばれ、フィレンツェにて〈UNDERCOVER〉と共に2018年秋冬コレクションの合同ショーを開催。そして2019年1月15日、 2009年振りにパリ・ファッション・ウィークの公式スケジュールに復帰し、2019年秋冬コレクションのランウェイショーを開催する。
PROFILE
1975年生まれ。ロンドンの「BROWNS」に入社、バイヤーとしてのキャリアをスタートさせる。 2002年帰国後、07年に独立し源馬大輔事務所を設立。 クリエイティブディレクション、ストアディレクション、インテリア、ミュージック、ファッションに関わる全てに携わる。 2021年Case Studyを立ち上げ新たなジャンルにも挑戦中。2023年、rush productionに所属し、DJも本格始動。
PROFILE
1974年生まれ、東京都出身。「L’ECHOPPE」、「BOUTIQUE」、〈J.B. ATTIRE〉など、ブランドやショップのディレクションを行うクリエイティブディレクター。2024年2月には、自身初のファッションブランド〈ファウンダ(FOUNDOUR)〉がリリース予定。
宮下さんが過去にデザインしたダッフルコートをベースに、宮下貴裕、源馬大輔、金子恵治の3名がリミックスを手掛けた一着。ミニマルなデザインだが、存在感のあるディテールがしっかりとアクセントになり、独特の世界観を構築している。〈インバーティア〉製の柔らかくふっくらとしたメルトン生地で、着心地もライト。フードは取り外し可能で、スリーブはスプリットラグランの仕様にするなど、3名のいまの気分をしっかりと反映させている。ゆとりのあるリラックスしたシルエットも心地いい。
バンド時代の曲をリミックスしたら、また違った聴こえ方がするんじゃないか。
ー今回の企画の立案者は源馬さんだと伺っています。
源馬: ぼくの家にはあふれるほど服があって、それをたまに整理をするんです。そのときたまたま〈ナンバーナイン〉のセクションに当たって、むかしよく着ていたダッフルコートを見つけたんですよ。それで袖を通してみると、ぼくのカラダが大きくなったせいもあるんだけど小さくて。でも、めちゃくちゃ着たいなと思って宮下くんと金子さんに相談をしたんです。
ーそのとき宮下さんはどんなことを思ったんですか?
宮下: 大輔がなにをしたいのかわからなかったので、まずは話を聞いて。だんだんとやってみたらおもしろいんじゃないかと思うようになりました。いまはそういうことをするのがおもしろい時期なのかもしれないなと。
ー調べてみると、ベースとなったコートは2008年に発表されたアイテムのようです。
宮下: たしかそれくらいだったと思います。自分でも気に入ってよく着ていたし、大輔が着ていたのも覚えていますね。
源馬: ダッフルコートって憧れがすごくあるんだけど、ぼくはなぜか似合わないんですよ。だけど、これなら着てみたい。宮下くんはむかしの服を復刻するようなつくり方はしたくないだろうから、アップデートする形でやるならアリだと思ったんです。この服が2008年に生まれたなら、それから15年以上も経っているわけで、ぼくらの感覚も確実に変わっているし、うまくいくんじゃないかという予感がありました。
宮下: それがよかったですね。大輔の伝え方が。どうしたいの? と聞いたときに、カバーとか、リミックスっていう話をしてて。その響き方がよかった。いまやるならそういう表現のほうがいいなと思いましたね。
源馬: 宮下くんは〈ナンバーナイン〉をバンドとして表現していたじゃないですか。常に音楽の影響を受けているし、そういうスタンスで服をつくっている。いまはソロとしてやっていますけど、バンド時代の曲をセルフカバーというかリミックスしたら、また違った聴こえ方がするんじゃないかと思ったんです。
ーそして金子さんも同時に声をかけたわけですよね。
金子: 「〈インバーティア〉でやりたい」って源馬くんから話がきて、ぼくも過去にお付き合いがあったので、お願いがしやすかったんですよ。それで宮下さんを紹介していただいて、3人で集まって進めていきましたね。
源馬: はじめは他のブランドも思い浮かんだんですけど、〈インバーティア〉のほうがアップデート感が出るかなと思ったんです。
金子: ぼくもそう思います。歴史や伝統もあって、モノとして信頼できるメーカーなんですよ。せっかくならいちばん腕のいいところでつくれたらという気持ちがあったので、めちゃくちゃおもしろいことができそうだなと思いましたね。