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FEATURE|Buyer’s Eye For A.G.SPALDING&BROS. セレクトショップの実力派バイヤーが注目するA.G.スポルディング&ブロスの魅力とは。

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Buyer’s Eye For A.G.SPALDING&BROS.

セレクトショップの実力派バイヤーが注目するA.G.スポルディング&ブロスの魅力とは。

今秋、〈A.G.スポルディング&ブロス(A.G.SPALDING&BROS.)〉が待望の復活を遂げました。コレクターピースとも言える貴重なヴィンテージアーカイブを参考に、再構築されたスペシャルコレクションが復刻されます。これにいち早く目を付けたのが、有名セレクトショップの実力派バイヤーたち。なぜ、いま〈A.G.スポルディング&ブロス〉に注目したのでしょう? 昨今のトレンドやお店の特色を考慮し、バイヤー目線で捉えた〈AGスポルディング&ブロス〉の魅力を、「ビームス プラス」と「シップス」のバイヤーご両名に語っていただきます。

  • Photo_Takeshi Kimura
  • Text_Shuhei Sato
  • Edit_Yosuke Ishii

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金子茂 / ビームス プラス バイヤー
アメリカントラディショナル、ワーク、スポーツ、ミリタリーを基軸とした“永年着られる飽きのこない本物の男服”をコンセプトにスタイルを提案し続ける「ビームス プラス」。常にトレンドを追い求めるセレクトショップが多いなか、「ビームス プラス」の確固たるスタイルは、現代においてより際立って見えます。今シーズンより本格始動した〈A.G.スポルディング&ブロス〉に共鳴した部分や、あえて1型のみセレクトした理由などをバイヤーの金子さんに伺いました。

古きよきものに敬意を払いつつ、正しくアップデートさせる新生A.G.スポルディング&ブロスの姿勢に共感

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早速ですが、〈A.G.スポルディング&ブロス〉はご存じでしたか?

金子はい、それはもちろん。「ビームス」のスタッフは本当に古着好きが多いんですよ。ご多分に漏れず、自分も古着が好きなので、いいスエットを探すと自ずと〈AG スポルディング&ブロス〉に辿り着くというか。今でもあるブランドなので、野球やバスケットボールをしている人は馴染み深いかもしれませんが、僕はサッカーだったので(笑)、入り口は古着でしたね。

どういう部分に惹かれましたか?

金子やはりスエットとカレッジものですね。スエットってブランドは違っても、似ているディテールが多いじゃないですか? でも〈AG スポルディング&ブロス〉は明らかに他社と差別化を図っていて、見た目も機能性も一歩上を行っていたイメージですね。ただディテールがおもしろい分、古着屋でのプライスが高くて、なかなか手を出せずにいましたけど。

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先ほども話に出ましたが、「ビームス」は大手セレクトショップの中でも古着好きがとても多いイメージがあります。それがバイイングなどに活かされる時はありますか?

金子オリジナルウェアを作る時ですね。「ビームス プラス」では1940年代からベトナム戦争前までのアメリカのゴールデンエイジに生まれたプロダクツやスタイルを基軸としていて、オリジナルもその世界観を反映させています。だから社内ミーティングで、「あの古着を元ネタにしよう」という話になったときは、大体スタッフ誰かしらの私物で見つけられるんです(笑)。そこからどういう風にアップデートをしていこうなんて話をして、各自が資料を持ち寄ったりするのが基本。ただ「ビームス プラス」だけでなく、全セクションに古着好きがいるので、ヴィンテージが共通言語になって、話がスムーズに進んでいくんですよ。

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SIDE-LINE PARKA ¥26,000+TAX

それでは今回、〈AG スポルディング&ブロス〉をセレクトした理由をお教えください。

金子「ビームス プラス」は古きよきものに敬意を持ちながらも、正しくアップデートすることに意義を持っています。そのアイデンティティと〈AG スポルディング&ブロス〉の企業姿勢に同じマインドを感じたというのが一番。それまでウールだったスエットをいち早くコットンにしたり、常に最良のディテールを追求するためにアップデートを繰り返していたことに感銘を受けました。そんなスエットの最先端を走っていたオリジンが本格的に復刻されるということで、これを見逃す手はないと」

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ウェスト部分にあしらったボクシンググローブ型のハンドウォーマーポケット

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ボディはもちろん、フードやアームに至るまでダブルフェイス仕様(2枚仕立て)になっている。このため、防寒性に優れるほか、ボリュームのあるインパクト十分の見た目をつくった

あえてサイドラインパーカ1型に絞った理由はなんでしょうか?

金子うちはスエットに強いブランドさんの取り扱いも複数ありますし、古着に詳しくない若い世代のお客様も来てくれます。そういう状況を考えた時に、まずは〈AG スポルディング&ブロス〉というブランドが当時のスポーツウエアの最先端を走っていたことや、独自の意匠を数多く駆使していたことをわかりやすく伝えるために、アイコニックなサイドラインパーカのみを選びました。ダブルフェイスでボクシンググローブポケットは、いま見ても新鮮です。

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左が’30年代製のオリジナル。右が今秋復活を遂げた新生〈A.G.スポルディング&ブロス〉のもの。大事なところはしっかりと押さえつつ、シルエットや素材などを見直して今日的なスタイルへと落とし込んでいる

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このサイドラインパーカを、「ビームス プラス」ではどのようなコーディネートで提案しますか?

金子当時、サイドラインパーカをメインで着ていたのは、スポーツをしていたアイビーリーガーだと思うんです。だからそのルーツを踏まえるとB.D.シャツの上にザックリとアウター感覚で羽織って、あえてボトムはスラックスなんかがいいと思います。もともとがオーバーコートとして作られていたものなので、大きめのサイジングが逆にいまっぽくも見えますよね。

確かに若い子なんかも着られそうですし、年齢層を選ばなさそうですね。

金子そうですね。ただ若い子にとっては、スエットで2万6000円というのは少しハードルが高く感じるかもしれません。でも我々がこの〈AG スポルディング&ブロス〉の歴史や作りのこだわりをしっかりと説明できれば、納得できると思います。そういった形で上の世代の方たちから学んだことをしっかりと次世代にも繋いでいくことも今のショップには大事な役割なのではないでしょうか。


次のページでは、シップスのバイヤー永山さんにA.G.スポルディング&ブロスの魅力を伺いました。
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