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FEATURE|Buyer’s Eye For A.G.SPALDING&BROS.
セレクトショップの実力派バイヤーが注目するA.G.スポルディング&ブロスの魅力とは。

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永山尚志 / シップス バイヤー
〈A.G.スポルディング&ブロス〉の復活にいち早く反応した「シップス」。セレクトショップの先駆けとして40年以上の歴史をもち、設立当初からアメリカを追い続けてきた同店が、歴史ある伝説のアスレチックブランド〈A.G.スポルディング&ブロス〉に注目したのは自然な流れといえるでしょう。ファーストシーズンからさっそく別注を仕掛けたというその真意や復活したプロダクトについて、ヴィンテージの知識にも明るいバイヤーの永山さんに話を聞いてきました。

A.G.スポルディング&ブロスはアメリカの匂いが残る理想的なヘリテージブランド。

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〈A.G.スポルディング&ブロス〉を知ったきっかけはなんでしょうか?

永山もちろんバスケットや野球で使われているスポーツウエアとしての認識もありましたが、やっぱり古着ですよね。実は「シップス」に入社する前は、ヴィンテージショップで働いていました。20年くらい前の話です。その当時から〈A.G.スポルディング&ブロス〉のスエットは別格だったんですよね。額に入れて飾るくらいのレベルでしたから。

どのような部分が評価されて、そこまで高かったんでしょうか?

永山やっぱり独自のディテールでしょうか。良いブランドは沢山ありますが、〈A.G.スポルディング&ブロス〉ほど意匠にインパクトがないんですよね。もちろんカラーリングなどのおもしろさはありますが、〈A.G.スポルディング&ブロス〉の方が一歩上というか。それまでウールだったスエットをいち早くコットンで作ったり、国の威信をかけて戦うオリンピック代表にスエットをユニフォームとして提供していたり、当時の最先端を走っていたメーカーであったと思います。

確かにその深いストーリーも魅力ですね。では今回復活した〈A.G.スポルティング&ブロス〉を「シップス」で扱った理由とは?

永山うちはイタリアンカジュアルやフレンチの印象が強いかもしれませんが、ルーツとなる「ミウラ&サンズ」は、アメリカものが中心でした。いま、社内でも原点回帰の流れがあり、既存のセレクトに加えて、アメリカの匂いがするヘリテージウエアを増やしていこうという方向になっていて、まさに〈A.G.スポルティング&ブロス〉は理想のブランドだったんです。

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実際に商品を見た感想はいかがでしたか?

永山正直、即決でしたね。あと展示会のときに実物のサイドラインパーカもディスプレイされていたのですが、あまりにコンディションがよくて、古着好きとしてそこにも感動しました(笑)。ボクシンググローブポケットやクロスしたパーカの首元などの意匠もしっかりと再現されていましたし、スエットの生地もヴィンテージの雰囲気を損なうことなく肌触りの良い上質なものになっていて、レベルの高いプロダクトだと素直に思いました。それとフットボールシャツも良かったですね。肩や袖のリブを配色した2トーンも良いですし、従来のウール生地をスエット生地に置き換えるだけでクリーンな印象になっています。いまの空気感ともマッチしているのではないでしょうか。

お客さんにはどのようにこの魅力を伝えますか?

永山もちろん歴史的な背景を説明することも大事ですが、そういうストーリーをのぞいてもいい出来だと思うんです。ものにパワーがあるというか。だからあえて小難しい説明をするより、わかる人はそのストーリーを理解して買えばいいし、知らなくてもデザインが気に入って買うなんてことも全然ありだと思うんですよね。

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A.G.SPALDING&BROS. SIDE-LINE PARKA ¥26,000+TAX、FOOTBALL-SHIRTS ¥16,800+TAX
左は〈A.G.スポルディング&ブロス〉を象徴するサイドラインパーカ、右はショルダーヨークの切り返しが特徴のフットボールシャツ。今シーズン「シップス」では、この2型をネイビー×グレーの2トーンで別注した。 ※写真はインラインモデル

たしかにウンチクを知らなくても伝わる魅力がありますね。しかもファーストシーズンから別注されたとか?

永山そうです。是非ともこの機会にご紹介したかったのですが、サンプルが間に合わず(泣)。サイドラインパーカとフットボールシャツを2トーンでお願いしました。古着好きにはたまらないですよね。あえて昔にありそうなネイビー×グレーにしています。個人的にこの手のカジュアルにはあんまり黒が似合わないと思っていて。だけど落ち着いたカラーリングが欲しいとなった時にネイビーってちょうどいいんですよね。ネイビーは「シップス」のコーポレートカラーでもあるので、そういった意味でもちょうどよいカラーリングが組めたと思います。

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ショルダーヨーク、脇の下、袖、裾がリブ編み仕立てになっている。「シップス」の別注ではボディがネイビー、リブ部分がグレーで配色された2トーン仕様でアレンジされる。

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ダブルフェイスのサイドラインパーカは、表面をネイビーに、裏面をグレーに配色して別注。リバーシブルとしても着用できるので、二通りの着こなしが楽しめる。別注はアイテムは10月上旬にデリバリー予定。

確かにシップスはネイビーの別注が多く、しかも魅力的なものが多い印象です。では実際に着こなすならどのようなコーディネートがいいでしょうか?

永山サイドラインパーカは、もともとアウターとして作られていたので、アウター感覚でざっくりと着るのがいいですかね。ただ現代的なシルエットに修正されているので、当時の雰囲気を出したいなら、1サイズ上でいいかもしれません。それをワイドチノと革靴で合わせるといいのはないでしょうか? フットボールシャツは肩口のリブ使いが特徴なので、これも1枚で主役になれるかと。こちらはサイジングがベーシックですから、インナーとしても使えて、いろいろと便利だと思いますよ。あとネイビーで別注したので、褪せてきた時の雰囲気が楽しみです。この手の服は、着込んだ時に本領を発揮すると思います。

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今後はどのように〈AG&スポルティング&ブロス〉を展開していく予定ですか?

永山デリバリーがこれからなので、具体的なことは考えていませんが、ゆっくりとした速度で長く付き合いたいなと思っています。まだ復活して始まったばかりですし、ショップとしてもファンを付けられるように、いろいろと協力していきたいですね。

次のぺージでは、復活第一弾としてリリースされるアイテムのなかから代表的なモデルを紹介します。
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