あの街のこの人

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「“現場”にこだわるDJ&販売員」

高山 祐介

JOURNAL STANDARD 新宿店

80年代に巻き起こったディスコブームから端を発する形で盛り上がりを見せたクラブカルチャー。その全盛となる時代をリアルタイムで過ごしていた高山さんは、〈ジャーナル スタンダード〉勤続16年目のベテラン。学生時代にロックバンドを結成し、少しづつクラブカルチャーへと傾倒していったという高山さんに〈ジャーナル スタンダード〉の出会いから聞いてみた。

「僕が高校を卒業し、上京したタイミングが渋谷・青山にクラブが一番多くあった時代だったんじゃないかなと思います。その頃に学生でありながらも夜はロックDJとして頻繁にクラブでプレイしたり、遊びに行ったりしていました。当時は服飾専門学校に通っていて、周りにもそうしたライフスタイルを持った人が多かったのですが、友人たちが就職していくなかで自分もなにかしら定職について活動しないといけないなと。元々洋服も好きだったこともあり、神南エリアにいくつかの大手セレクトショップが進出し始めた時期ということもあって、セレクトショップで働くことに決めたんです。そのなかで、当時の自分自身のスタイルにもあうお店が〈ジャーナル スタンダード〉でした」

当時はファッションや音楽などのカルチャーが活気に溢れていた時代。〈ジャーナル スタンダード〉も同様に都内に進出を果たし、高山さんの入社時はまさに会社としても拡大化を図っていこうとするタイミングであった。それから渋谷、池袋、新宿と都内の中心地に続々とオープンしていったショップの販売職を経験し、現場でのキャリアを積んでいくこととなる。

「初めは東京の一号店でもあった渋谷店に勤めて、それから池袋、新宿、大宮と各店舗のオープニングに合わせて異動を繰り返し、現場を転々としていました。基本は販売職をメインとしていたんですが、当時新宿店の3Fにアメリカモノの雑貨などを取り扱っているコーナーがあったんですが、たまたま僕に少し知識があったこともあり、そのバイイングや企画などを担当することになったんです。それから頻繁にアメリカへも行くようになり、本社の方とのコミュニケーションも増えていきました」

そしてしばらくは〈ジャーナル スタンダード〉本社でオリジナルやセレクトなどさまざまな商品企画に携わり、新宿店の現場へと復帰することとなる。本社勤務歴もあり、経験豊富なベテランスタッフの高山さんが再び現場に加わることで、世代を超えたコミュニケーションから新たなアイデアが生まれていくはずだ。これからのショップの在り方が垣間見える。

「僕自身まだ現役のDJとして高木完さんたちと不定期でイベントをやっていますが、かつてそうした遊び場から学び、仕事へ繋がっていたことを僕自身が体感していることもあり、今でもさまざまな人やモノに出会える現場は大切だと思っています。同じく、ネットでも買えてしまうからこそ、お店がなにができるかということも考えなければいけない時代にきていると思います。たとえばウィンドウもただ服をマネキンに着せるのではなく、椅子をつなぎ合わせた象をかたどったインスタレーション上に展示したり、ネットではなくお店、イコール現場でしか体験できないことに挑戦したいと思っています」

Profile

高山 祐介(たかやま ゆうすけ)
2000年〈ジャーナル スタンダード〉入社。渋谷、新宿、池袋、大宮と都内近郊のショップのオープニングスタッフを経験し、その後本社での商品企画に携わる。そして新宿店の現場へリターン。社内では数少ないヴァイナルコレクターとして知られ、現在も定期的に自身が開くDJイベントなどを主宰する。

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