品のあるシャープな空気感とトラッドなテイストをミックスしながら、新しいファッションを提案するセレクトショップ「ナノ・ユニバース(nano・universe)」。
昨シーズンの連載企画「ナノ・ユニバースとスタイリスト」がカムバックしました! 今シーズンもアイテムの奥深い魅力に迫るべく、 “ファッションのプロ” であるスタイリストがアイテムを考察し、着こなしを提案します。9月の指南者はスタイリストの荒木大輔さんです。
今回紹介するアイテムは、「ナノ・ユニバース」にとって蜜月のコラボレーションとなった〈ペンドルトン(PENDLETON)〉の別注シリーズ。柄に伝統的なネイティブ・アメリカンのモチーフ「Harding」をあしらった “らしさ” 全開のジャガード織りのニット、カーディガン、そしてCPOジャケットの3種類がラインナップしました。
まずは、腰が隠れるくらいの、ややゆとりのあるシルエットにアレンジされたクルーネックについて。スタイリングのポイントとして荒木さんはこう語ります。
「ジャガードの織りがいいのか、ふんわりとした柔らかい印象のあるニットだと感じました。かつ、柄の存在感もあるのでここをスタイリングするときは際立たせたい。ポイントは合わせるアイテムを極力シンプルにすることだと思います。少しテーパードしているチノパン、もしくはワイドチノあたりを組み合わせると上品になりますね」
着る方のキャラクターにもよりますが、アメカジらしいアイテムである以上、古くさくなるのは少し避けたいところ。他のアイテムとのバランスを鑑みることでニットがよりイキイキと映ります。
続いてはカーディガン。別注ポイントとしてボタンがコンチョボタンに仕様変更されています。
「コンチョボタンとは男らしい別注ですよね、直球勝負というか。上のニット同様にこれもシンプルな着こなしで、例えば白Tなどをインナーにしてカーディガンのよさを楽しみたいです。インディゴのくたびれたデニムあたりを合わせてしまうとひと昔前の着こなしになってしまうのでご注意を」
3つ目はブロックチェック柄のCPOジャケット。胸ポケットのボタンがシルバーにアレンジされるなど、アメカジに振り切ったアイテムにならないような巧みなアレンジが隠されています。
「フェイクスエードのパンツなど素材感で遊びをつくると野暮ったくならないと思います。スポーティなアイテムを合わせてみるなど一捻りしてみたらガラッと印象が変わります」
男らしさと上質な風合いが同居した〈ペンドルトン〉の別注シリーズ。いずれのアイテムも他のアイテムとの組み合わせがカギになりそうです。
Direction_Daisuke Araki
Photo_Teppei Hoshida