品のあるシャープな空気感とトラッドなテイストをミックスしながら、新しいファッションを提案するセレクトショップ「ナノ・ユニバース(nano・universe)」。
9月、10月をスタイリスト荒木大輔さんと進めた連載企画「ナノ・ユニバースとスタイリスト」もラストアイテムへ。毎シーズンの「ナノ・ユニバース」別注の定番となりつつある英国の老舗アウトドアブランド〈カリマー(karrimor)〉のダウン&インサレーションアウターが登場します。
ブラック、ベージュとある中で荒木さんはオリーブをスタイリングにピックアップ。ミドル丈のハーフダウンコートの着こなしのポイントを伺います。
「西川ダウンのときはカラーリングも極力シンプルに、という話をしましたが、今回はインナーにバンダナ柄の鮮やかなアイテムを選びました。西川ダウンのシンプル&モードな佇まいと異なり、質実剛健なイメージの〈カリマー〉にはギャップを生み出すためにより遊びを効かせることで幅を出すことを意識しています」
「ただし、今回もダウンのスタイリングということでパンツはすっきりとさせることが重要です。身長に恵まれているひとはいいですが、上半身と下半身の両方にボリュームがあるとバランスがとても悪くなるので。パンツに一工夫を加えたいならシルエットではなく素材感が変わっているものをセレクトしてみるといいかもしれません」と荒木さん。
650フィルパワーのダウンをたっぷり封入しながら軽量に仕上がった1着で、ロゴにメタリック糸を使用した別注モデル。都会的なアプローチのデザインが光る逸品と相成りました。
続いてノーカラーのインサレーションアウター。この手のアイテムに馴染みがない方は使い様に困りそうなアイテムですが、荒木さんはどう見ているのでしょう。
「難しいことは考えなくても大丈夫です。至って単純で、このくらいの時期にライトアウターとして着たり、上にコート羽織るとか間に挟み込むイメージで使い方は様々。魅力に気がつければ本当に使い勝手がよくて、1着持っているとすごい便利です」
撥水性、軽量性に優れたポリエステル素材を採用しているため、どんな天候にも対応できて、折り畳むとコンパクトになるのも実に嬉しいポイントです。
「重ね着したときに邪魔にならないので上がすっきりします。ショート丈なのでその分パンツにインパクトを持たせるとバランスがいいですね」
この「ナノ・ユニバースとスタイリスト」の企画を通して荒木さんの言葉を聞いてわかるのは、基本的には上下のボリューム感を意識することが重要だということ。バランスに差が生まれやすい秋冬は特に意識するとよさそうです。
アウトドアブランドの〈カリマー〉が持つギアとしての機能性と、〈ナノ・ユニバース〉の都会的なエッセンスが融合している2アイテム。今季もいい仕上がりです。
Direction_Daisuke Araki
Photo_Teppei Hoshida