テクニカルファブリックをモノトーンに染め、ミニマルに仕立てたピースの数々──〈プラダ(PRADA)〉の2021年春夏コレクションは自身のアイデンティティに改めて向き合ったというのももっともなコレクションだった。
モードを極めたコレクションはファンならずとも琴線に触れる完成度の高いものだったが、今シーズンはカシミヤのニットも素通りできなかった。一目見て、春らしいカラーパレットにノックダウンされたのだ。
目に優しい色合いに貢献しているのがF.12(1インチに12針)というゲージだ。世間一般でいうところのミドルゲージに相当するそれは色のみならずカシミヤのポテンシャルも余すことなく引き出していた。
オーソドックスなクルーネックニットなので、つい手が伸びる1着になりそうだ。