【試写会プレゼント】台湾から届いた映画『1秒先の彼女』は、不器用なふたりが織りなす、いじらしくて愛おしい物語でした。

十人十色とは言い得て妙。生い立ちや体感してきたものが個人をつくっているのなら、人それぞれ、価値観や性格が異なるのはあたりまえのこと。

映画『1秒先の彼女』は、そんな人間と人間のあいだにある“ズレ”が転じて、転じて、さらに転じて生まれた、ある男女のラブストーリーです。

Story
郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い…。ある日、ハンサムなダンス講師とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった…!? 秘密を握るのは、毎日郵便局にやってくる、常にワンテンポ遅いバス運転手のグアタイらしい。消えた「1日」を探すシャオチーがその先に見つけたものとは――。

メガホンを取ったのは、陳玉勲（チェン・ユーシュン）。侯孝賢（ホウシャオシェン）、楊德昌（エドワードヤン）率いる台湾ニューシネマにつづき、新世代の異端児として90年代に登場しました。瑞々しくもコミカルな表現方法で、『熱帯魚』『ラブ ゴーゴー』という傑作を残したことでも有名ですよね。

本作は、彼が約20年ものあいだ温めた脚本をもとに完成させた、渾身の一本。第57回台湾アカデミー賞（金馬奨）最多5部門受賞と、すでに本国での評価は高く、チェン・ユーシュンのたしかな実力を改めて気付く機会になるでしょう。

映画の根幹を担うキャストも豪華。台湾の人気司会者であり、俳優のリー・ペイユーがシャオチーをチャーミングに演じ、大ブレイク中の実力派俳優リウ・グァンティンがグアタイに抜擢されました。

半径10mの世界（郵便局）からはじまった物語は、押入れの世界へと寄り道しながらも？、やがて主人公たちの好奇心と比例するかのようにどんどんと広がり、壮大なラストへとつながっていきます。他の人よりちょっとだけ時間感覚が早いシャオチーと、ちょっとだけ遅いグアタイ。大きな溝のようにも思えるふたりのズレは、きっと最後には愛おしく思えてくるはずです。

6月25日（金）より、新宿ピカデリーほか全国の映画館で公開されます。

そして今回は特別に、フイナム読者のみなさんをトークショー付き試写会にご招待いたします！

日程は6月16日（水）18:30から、場所は渋谷のユーロライブです。登壇者は、数多の恋愛相談を受けながら女性の思考分析をしている清田隆之さん（桃山商事）と、“映画ソムリエ”として活動している東紗友美さん。

独自の視点を持っているふたりだからこその、予測不可能なトークラリーが繰り広げられることでしょう。応募詳細はインフォメーションからチェックしてみてください。