1952年の創業以来、京都の珈琲職人としての誇りを胸に歩みを進めてきた「小川珈琲」。珈琲文化を未来に繋いでいくこと、そしてコーヒーを通じた持続可能な社会貢献をミッションに、価値ある一杯を提供し続けてきました。
今年で創業70周年の節目を迎える彼らが、創業の地である京都に「小川珈琲 堺町錦店」をオープン。“100 年先も続く店”をコンセプトに掲げ、「小川珈琲」ならではの体験を京都に根付くおもてなしの心とともに提供していきます。
ここでは、珈琲文化の新たな発進拠点として誕生する「小川珈琲 堺町錦店」を、4つのキーワードとともに紐解いていきます。
地球環境や生産者の暮らしを守るべく、エシカルコーヒーの本格的な取り扱いに力を入れてきた「小川珈琲」。「小川珈琲 堺町錦店」では、そんなサスティナブルな活動をさらに推進。有機JAS認証をはじめとする各種認証を取得し、厳しい品質基準を満たした「グランカ(GRANCA)」という8種のエシカルコーヒーのみが展開されます。「小川珈琲」のバリスタにしか引き出せないボディ感を持つ濃厚でマイルドなコーヒーが、日本らしくネルドリップで提供されます。
そのネルドリップは、環境的・社会的に配慮した方法で製品をつくるための国際基準「GOTS 認証」を取得したオーガニックコットンをフィルター部に使用。ネルドリッパーのハンドルは岡山の真鍮作家・Lueさんが制作するなど、環境配慮と本物の味わいが両立されています。加えてコーヒーの量り売りやテイクアウト容器の持参を推進し、すべてのメニューをデジタル化することで、フードロスや容器包装等の削減、サービス改善に繋いでいくそうです。
【試行錯誤の末に完成した喫茶メニュー】
ブラッシュアップされた喫茶メニューもポイント。京都を代表するブーランジェリー「ル・プチメック」創業者の西山逸成さんの指揮のもと、従来とは異なるレシピで食パンを開発。“100年先も食べ飽きない、毎日食べられる食パン”をテーマとするコチラは、西山さんが「これ以上のものはつくれない」と胸を張るほどの傑作です。
食パンの魅力を引き出すフードメニューは、「OGAWA COFFEE LABORATORY 桜新町」や「OGAWA COFFEE LABORATORY 下北沢」に続き「シェルシュ」代表の丸山智博さんが監修。素材本来の美味しさが際立つ喫茶メニューが展開されます。京都の伝統食材を用いたオリジナルドリンクにも注目です。
【懐かしくも新しい空間】
築100年を超える町屋を改装し誕生した「小川珈琲 堺町錦店」。この歴史ある建物を蘇らせるにあたり、クリエイティブディレクター・南貴之さんとインテリアデザイナー・佐々木一也さんが目指したのは、100年先も通じる普遍的な美しさと機能性を兼ね備えた店舗をつくること。京町屋を象徴する細長く深い造りはそのままに、エントランス部分を吹き抜けにし、トップライトからの光も取り入れることで開放感を演出。ファサードをシンメトリーに整え、坪庭の植栽を植え替えるなど、アイコンとなる空間を設けることにより多くの人々がくつろげる居心地の良い空間が実現されています。
現代的なモルタルの壁やニュートラルな躯体の木柱、オーク材の壁は、ベースとなった町屋が持つ重厚さをボリュームダウンさせるためのもの。これにより、日本古来の美意識とコンテンポラリーな感覚が同居する、懐かしくも新鮮な空間に仕上げられるというわけです。
2階に併設されたイベントスペースでは、京都の伝統文化から新気鋭のクリエイションまで、“伝統と革新”を表現するあらゆるコンテンツを発信。地元民はもちろん、この街を訪れるすべての人々との交流を通じて、新たなコミュニティを形成していきます。オープニングイベントは、キュレーターとして島根県松江市の工芸店「objects」のオーナー・佐々木創氏を招集。京都と所縁の深い河井寛次郎さんや人間国宝として知られる金城次郎さんの作品を筆頭に、民藝の美から影響を受けた現代の作家たちの作品が一挙に展開されます。
オープンは2月11日(金)。コーヒーやフード、空間に展示… 京都に行った際は、見所だらけの「小川珈琲 堺町錦店」へ足を運んでみてください。
小川珈琲 堺町錦店
オープン日:2月11日(金)
住所:京都府京都市中京区堺町通錦小路上る菊屋町 519-1
電話:075-748-1699
時間:7:00-20:00 L.O.19:30
Instagram:@ogawacoffee_nishiki
オフィシャルサイト
オープニングイベント「今も続く民藝との共鳴」by objects
会期:2月11日(金)〜20日(日)
場所:小川珈琲 堺町錦店
参加作家:
河井寛次郎、舩木道忠、舩木研兒、金城次郎(陶芸・物故作家)
掛谷康樹、齊藤十郎、島岡桂、西持田窯(陶 芸)
垣内信哉(硝 子)、松﨑修(木 )、須浪亨商店(いかご)