何回めなのかわかりませんが、今空前の「ワラビー」ブームです。
「ワラビー」といえば、だいたいのひとが〈クラークス(clarks)〉を思い浮かべるわけで、それは間違ってはいないのですが、1987年まで〈クラークス〉の傘下として「ワラビー」の製造をしていたのは〈パドモア&バーンズ(Padmore&Barnes)〉です。
1934年にアイルランドで創業した〈パドモア&バーンズ〉は、今現在は生産拠点をポルトガルに移したものの、当時と変わらないラスト(木型)と機械を用いた伝統的なハンドメイド技術によって靴づくりを行っています。
つまりは信用できる、ということです。
そんな〈パドモア&バーンズ〉と、もひとつ信用できるでおなじみの〈リノ(LENO)〉が手を組んで、シューズを製作しました。まずは代表作であるワラビーシューズ「ORIGINAL LOW」。
履き口のパイピングのパーツを外すことで、すっきりとしたルックスに仕上がっています。またアッパーと同色のレザーのシューレースとブラックに統一されたインソールがエレガントな印象です。
そしてもう一型は、コバステッチが特徴的なデザインの「WILLOW LOW」です。
こちらも履き口のパイピングのパーツをはずし、アッパーと同色のレザーのシューレースとインソールをブラックにをカスタマイズ。さらにコバステッチのカラーをクレープソールと同色にすることで、デザインのアクセントとなっています。
両モデルともに、アッパーには上質なスエードを採用し、つま先から踵にかけてのステッチは今も手作業で行われており、独特の温かみが感じられるのではないでしょうか。
〈パドモア&バーンズ〉の特徴である朴訥としたウォーミーなものづくりに、〈リノ〉の都会的でスマートなセンスが混ざり合った一足となりました。
最近はこういうクラシカルなシューズに、防水機能などのテクニカルな要素を付加したシューズをよく見かけますが、こうしたトラディショナルなスタイルのアイテムにしか宿らないものってあるように思います。魂というか。