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連載「憧れの逸品」No.288 父が蒔いた種にオマージュを捧げるダンヒルのレザーグッズ。

〈ダンヒル(dunhill)〉が今年、 創業130年を迎える。これを記念して「1893ハーネス コレクション」を完成させた。

その名から推しはかれるように、「1893ハーネス コレクション」は古きよき馬具を愛するカントリージェントルマンからインスピレーションを得たコレクションである。

トートやメッセンジャーがそのボディにまとったのはフルグレインカーフ。シボがくっきりと浮かび上がる漆黒のカーフはもうひとつ、要所を飾った艶やかな金具の存在も際立たせる。

ダブルブリッジバックルなどの金具はいずれも丸みを帯びているのがわかるだろう。馬の肌を傷つけないように、というジェントルマンな馬具の設計思想に倣っているのだ。

使い勝手も申し分がない。トートは自立する構造で、持ち手はデュアルハンドル。間仕切り代わりにセットされた取り外し可能なレザーフォリオも◎。メッセンジャーは大きなフラップを特徴とする。視覚的にもインパクトのあるそのフラップはものの出し入れのしやすさを踏まえたものだ。

アルフレッド・ダンヒルは1893年、家業の馬具製造業を継いで〈ダンヒル〉を創業した。モータリゼーションの到来をいち早く予見したアルフレッドは事業内容をモーターアクセサリーにシフト、1902年には「モートリティーズ」と名づけた店をメイフェアにオープンした。いまもメゾンの理念として語り継がれる “モートリティーズ” というフレーズはMotoring(自動車)とAuthorities(権威)を組み合わせた造語だった。“自動車以外のものすべて” をモットーに充実の一途をたどった〈ダンヒル〉は余勢をかってライターや万年筆へと事業を広げ、1921年に英国王室御用達を授与された。

モータリゼーションの波に乗ることができたのは馬具業界に身を置いたからこそだった。父が蒔いた種があったから、〈ダンヒル〉という花は開いた。ルーツへのオマージュをかたちにした「1893ハーネス コレクション」は、物語としてもいい。

2月1日(水)より発売を開始。2月8日(水)には「伊勢丹新宿店 メンズ館」にポップアップストアがお目見えする。会期は21日(火)まで。



1893 HARNESS FLAP MESSENGER
使い勝手のいい程よい大きさのショルダーバッグ。フラップを固定する、丸みを帯びた金具の形までこだわってつくられている。¥237,600(W32×H24.5×D11cm)




1893 HARNESS EAST/WEST TOTE
A4サイズの書類やデジタルデバイスを難なく収納できるトートバッグ。スナップボタンで固定された仕切りを取り外せば、レザーフォリオとしても使用できる。タブレットや11インチのノートPCを入れるのにも便利で、内側のスナップボタンを留めれば二つ折りもできる。¥368,500(W40×H30×D15cm)


20MM TONGUE 1893 HARNESS SMOOTH LEATHER
馬具からイメージを膨らませたというバックルに特徴のあるレザーベルト。このベルトはあえて長めにつくられていて、余った先端をベルトの内側に通し、垂らすこともできる。¥48,400


1893 HARNESS WALLET
二つ折りのウォレットは型押しされたレザーとスムースレザーのコンビ。ブランド名が刻印されたプレートがアクセントに。¥69,300

Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

INFORMATION

ダンヒル

電話:0800-000-0835
オフィシャルサイト

1893 HARNESS POP UP

会期:2月8日(水)〜21日(火)
場所:伊勢丹新宿店 メンズ館 1階 ポップアップスペース
住所:東京都新宿区新宿3-14-1
電話:03-3352-1111

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