シボには天然物と養殖物がある。前者はレザー本来の凹凸を生かしたもの、後者はエンボシング加工によりその凹凸を表現したものである。
〈メゾン マルジェラ(Maison Margiela)〉が今シーズン、ラインナップしたレザーグッズは養殖物ながら、天然物と見紛う風格をまとっている。
グレイニーカーフレザーと名づけられたそのレザーの加工はいってみれば薄化粧のようなもので、シボはどこまでも穏やか、かつ通常なら欠陥として取り除かれるシワや血管も据え置かれる。シーズナルカラーであるライトベージュがその持ち味を存分に引き出す。
取り澄ましたお洒落よりも、その本質をあぶり出すものづくりを愛する。そんな〈メゾン マルジェラ〉らしいレザーグッズである。
カードホルダーはカードスロットが2つ、キーリング付きのカードホルダーはカードスロットが4つ、ウォレットは紙幣のポケットが1つ、コインポケットが1つ、カードホルダーが4つの構成。いずれもスナップボタン留めによる二つ折りだ。
コンパートメントには “ナンバリングロゴ”、バックには “4本の白いステッチ” が施される。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa